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変わらない価値のあるもの

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1コインで遊べるファミコン時代の大傑作・『ダウンタウン熱血物語』紹介

『ダウンタウン熱血物語』
ファミリーコンピュータ用/2Dベルトアクション
テクノスジャパン
1989.4.25発売
Wiiバーチャルコンソール用
アークシステムワークス/ミリオン
2007.10.23配信開始/500ポイント
公式サイト

 ※ このレビューはWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書かれたものなので、オリジナルのファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。
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→ ファーストインプレションの記事はこちら
→ 関連記事:「『ダウンタウン熱血物語』が教えてくれた7つの教訓」


 かつて、その男は間違いなくヒーローでした。

 マリオのように驚異的なジャンプ力でトラップを華麗に回避するワケでも、ソニックのように音速で駆け抜けるワケでも、ロックマンのように多彩な武器を駆使するワケでもなく―――彼に与えられたアクションはパンチとキックとジャンプ、必殺技も“キックを素早く連発”のような地味極まりないものしかないような、ただの学ランの兄ちゃんでしかなかったのに……何年・何十年経っても忘れません。あの頃の僕にとって、どんなゲームの主人公よりも彼がヒーローでした。

 その男の名は“くにお”。

 一瞬、だけど閃光のように(by『ダイの大冒険』)
 彼の時代はあっという間に過ぎ去ってしまいました。シンプルだからこそ奥深かった彼らのゲームは、当時の次世代機スーパーファミコンの性能の中では輝きませんでした。リアル頭身のキャラが動き回る『ストリートファイターII』の迫力に圧倒され、『マリオカート』のスピードに魅了され、『ファイナルファンタジー』シリーズのドラマに感動している間に、いつしか僕も“くにお”のことを忘れ……気付いた時にはテクノスジャパンは倒産をしていました。

 変わらないものなんて何もない。ヒーローはいつしか年を取るのです。


 それでも……それでも………
 18年の時を経て、Wiiのバーチャルコンソールによって。当時のままの、ヒーローだった頃のままの“くにお”がテレビ画面に戻ってきたことに涙した僕を誰が笑えるというのでしょうか。僕も年を取りました。握っているのはファミコンのコントローラではなくWiiリモコンです。でも、そこに映っているのは18年前と変わらず学ランを着ている“くにお”で、彼を動かしている僕のワクワクは18年前の少年の頃のままなのです。


 何十年経っても決して色褪せぬ不朽の大傑作、ここに復活。
 ありがとう、アークシステムワークス。ありがとう、バーチャルコンソール。


↓ 以下、感想はクリックで。



 ○ 「箱庭」、だけど「ひたすら右上に進め!」
 このゲームを紹介するにあたって、どこから言及するべきか非常に悩みました。
 「個性的なキャラクター?」「ただチェーンで敵を殴っているだけで楽しい手触り?」「何を買っても自由な成長要素?」「町や工場を走り回れる舞台設定?」―――どれもこのゲームの大事な魅力ですが、言葉にしてもイマイチ伝わりにくいものばかりです。18年経ってゲーム機も進化して様々なゲームソフトが登場している中で……そんなありきたりな言葉で、このゲームの素晴らしさが伝わるでしょうか。


 なので、僕は敢えてこのゲームを「箱庭ゲームの元祖」と紹介したいと思います。
 どこで読んだかは忘れてしまいましたが、「GTAってくにおくんの3Dバージョンだよね」と仰っている人がいました。何をやっても自由な『GTA』と比べると流石にこのゲームの自由度は見劣りするとは思いますが……
 ひたすらお金を貯めてえっちな本を買ったり、彼女が誘拐されているのも忘れて石ころ野球で遊んだり、人間魚雷で片っ端から敵を穴に落としたり。当時のアクションゲームとしては異色なほどに、「クリアとは無関係なこと」が出来るゲームだったんですよね。


 しかし、箱庭ゲームでありながら「何をしたら良いのか分からない」ことはほとんどありませんでした。
 何せ、スタート地点の花園高校から目的地の冷峰学園まで、「ひたすら右上に」進めば良いだけですからね。途中アクセントとして、左に進む倉庫とか、上に昇らなければならない体育館などもありますが、基本は「ひたすら右上」。

 それでいて、本当に「ひたすら右上」に進もうと敵を無視して進むと、それ以上は進めないようになっていて……しっかりザコ敵を倒して、出てきたボス敵の台詞を読まないとならないというのも侮れない要素だと思います。この台詞を読み逃すと何をしていいか分からなくなってしまうのが難点なのですが、そういう時は何度でもやり直せ!何度でも楽しめるんだから、むしろ羨ましいくらいだ!と叫びたくなる魅力を持ったゲームなのです。


 「よく考えてあるなー」と思う代表に、ゲームをスタートした時の所持金2000円という金額があります。
 最初の商店街に必殺技の本が売っているのですが、その価格は3000円。ザコ敵を倒してお金を稼がないと買えませんから、その近辺でザコ敵を倒していると初めてのボス敵・沢口が出現する仕組みになっているのです。で、この沢口が次のボス敵・西村について語っていて、その西村に会って倒すと次のボスの話をして―――と、繋がっていくんですね。

 説明書を読まなくてもゲームの中にしっかりとゲームのルールが明示されているのが、このゲームが名作たる所以なんだろうなと今では思うのです。




 ○ バーチャルコンソール様々
 何が素晴らしいって、これだけのゲームを500円で買えるというのが最高ですよ。
 ゲームボーイアドバンスで追加要素満載のリメイクがされていましたが(僕は未プレイです)、やはり昔のゲームのリメイクに何千円も払うのって抵抗あるんですよね。追加要素が沢山あると言われても、むしろその追加要素に「昔はこんなんじゃなかったよなー」とガッカリさせられることもあるでしょうし。なかなか手が出しにくかったのです。

 当時のまま、500円で出す。
 これだけでまずありがたい。


 そうは言っても、バーチャルコンソール独自の「中断機能」も今の時代に非常に合っていて助かりました。
 ファミコン版は外付けの周辺機器がなければステータスと所持金しかパスワードで記録することが出来ず、毎回スタート地点からのやり直しをさせられ閉口していました。

 バーチャルコンソールでならば、「ちょっと5分」ずつ進めてもラストまで辿り着けるという手軽さ!
 「気ままにキャラを育てる」敷居が下がったのも、このゲームが箱庭ゲームであることを考えると非常にありがたいです。



 ただ、その反面……
 セーブシステムがあるゲームだと考えると、比較的すぐにステータスがカウンターストップしてしまったり、エンディングまでの短さが気になってしまったりという“思わぬデメリット”が生まれている感はあります。このゲームをもっと長く楽しみたかった……と思いつつも、セーブシステムがなかった当時を思い出すと、それもまた仕方がないことなんですよね。

 この『熱血物語』ほどやり込んだゲームではないのであまり記憶がないのですが、最初からセーブシステムが実装された『時代劇だよ全員集合』も同様にバーチャルコンソールにて配信されたらイイなぁと思っています。あーでも、その前に『熱血行進曲』ですね。『熱血物語』で倒した敵も使えるという夢のような運動会ゲーム。『熱血物語』と『熱血行進曲』は二つで完成されると言ってもイイほど、当時はワクワクしたっけ。
 次なるくにおくんシリーズの配信もお願いします、アークシステムワークさん。




 ○ 総評
 実を言うと、バーチャルコンソールは「昔を懐かしむ」だけのサービスだと思っていました。
 昔遊んだゲーム、昔遊べなかったゲームを安価で提供するだけのサービス。「優れている」かどうかで考えれば、昔のゲームより今のゲームの方がよっぽど「優れている」だろうと思っていました。

 でも、このゲームを18年ぶりに遊んで考えは変わりました。
 昔のゲームは今のゲームにない魅力が確かにあるし(もちろんその逆で今のゲームにしかない魅力もありますけどね)、ここから今のゲームが学ぶことも沢山あるよなぁと。当時遊んでいなかった人にも、今回初めてこのゲームを知った人にも、是非手に取ってもらいたい逸品です。

 思い出補正?懐古主義?
 確かにそうした批判も否定はしないけど、ゲームというものはスペックや容量で競うものではないことを教えてくれると思いますよ。言葉なんて無力だよ、このゲームの「楽しい」という気持ちの前には。


 ……余談。
 さきほど久々に友達が遊びに来たので、二人でひたすらこのゲームを遊んでいました。一人でも面白いけど、二人ならば更に面白い。是非「味方同士で攻撃できる」2人プレイAで遊んでもらいたい。もう、笑いながら「バッカヤロー!俺を巻き込むなー!」と大喧嘩できること間違いないです。
 しかし……配信された直後にこのゲームをひたすら遊び倒したせいで、Wiiリモコンの「2」ボタンの反応が悪くなってきている気がします…(笑)。ボタン連打で敵をボコボコにしてるだけでもこんなに楽しいゲームなので、ついやりすぎてしまう……その一点だけが、このゲームのネックか。

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