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「目的」と「原因」を分かりやすく!『スーパーマリオギャラクシー』紹介

『スーパーマリオギャラクシー』
 Wii用/3Dアクション
 任天堂
 2007.11.1発売/5800円(税込み)
 公式サイト
 Wii.comの紹介ページ
B000IUCWFIスーパーマリオギャラクシー

任天堂 2007-11-01
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 言うまでもなく、『スーパーマリオ』シリーズの最新作です。

 マリオの名を世界に轟かせたファミコン版の初代『スーパーマリオブラザーズ』について……ディレクターの宮本さん本人が仰っていたのか、他の人が宮本さんの思想を評したのか、若干記憶が曖昧なのですが。ミスをした後も「もう一回!」とやり直したくなるようあのゲームに施された工夫について、「プレイヤーに与えられた目的が分かりやすいこと」と「失敗した原因が分かりやすいこと」を意識して作られたという話を読んだことがあります。

 「目的が分かりやすいこと」
 『スーパーマリオブラザーズ』の目的は、“ただひたすら右に進むこと”だけです。
 そのためにスタート時からマリオは右を向いていますし、一度進んだら左には戻れない仕様になっています。そして、右に進み続けた結果、画面いっぱいに伸びている旗(クッパ城内の場合は斧)という分かりやすいゴールが待っています。
 この他にも『スーパーマリオブラザーズ』のゲームデザインは「目的の分かりやすさ」が目を引きます。最初のクリボーの後に早速“倒せない敵”パックンフラワーが出てきて、「このゲームは敵を倒すゲームじゃなくて、敵を避けて進むゲームなんだな」と教えてくれる……「TIME」が刻一刻と減っていって0になるとマリオが死んでしまうので、景色をボーっと眺めているのではなく前進しなくてならない……などなど。


 「失敗した原因が分かりやすいこと」
 『ドラゴンクエスト』の最初のスライムで殺されててしまった人と、『スーパーマリオブラザーズ』の最初のクリボーに殺されてしまった人……恐らくですが、後者の方が圧倒的に多かったんじゃないかと思います。基本的にはマリオはクリボーだろうがクッパだろうが、敵に触れただけで死んでしまうほどの防御力しかないのですから。
 キノコやフラワーでのパワーアップはありますが、通常マリオというのは“一撃で死んでしまう”ものです。穴に落ちても死亡、溶岩に落ちても死亡、タイムアップでも死亡。その割には肺活量は凄まじいものがありますが、その死にやすさは世界に名を轟かせるスーパーヒーローとは思えないほどです。

 ですが、だからこそプレイヤーは「敵に当たらないようにしよう」「穴に落ちないようにしよう」「下らないところで時間をかけないようにしよう」と心がけられるのですし、ミスをした時にも自分のプレイの何が悪かったのかを反省・修正しやすいのです。
 子どもの頃は「(何発も喰らえる)ライフ制のゲームの方が親切だ」「一撃で死んでしまうマリオは不親切なゲームだ」と思っていましたが、何発もダメージを喰らえるゲームは自分のプレイの何が悪かったのかを反省・修正しにくいんですよね(もちろん難易度とは別の話ですが)。



 『スーパーマリオブラザーズ3』でマリオが左にも戻れるようになったり、『スーパーマリオワールド』で“敵に当たった時の保険”としてのヨッシーに乗れるようになったり……シリーズの中でも様々な路線変更はありましたが、2D時代の『スーパーマリオ』シリーズの魅力はこの二つ――「目的」と「原因」の分かりやすさにあったと思うのです。

 『スーパーマリオギャラクシー』をプレイした瞬間に僕が感じた「2D時代の『スーパーマリオ』みたいだ」という印象は、恐らく今まで触れてきたどんな3Dアクションゲームよりも「目的」と「原因」が分かりやすかったことにあるのでしょう。
 ゲームは2Dから3Dへ変わり、マリオを動かすコントローラは十字ボタンからヌンチャクのアナログスティックに変わりました。それでも、2Dマリオと同じような感覚でプレイ出来た僕は、(PS2の『機動戦士ガンダム』以来)7年ぶりに3Dアクションゲームを自力でエンディングまで攻略することが出来たのです。

 そのことにまず、『スーパーマリオ』ブランドの偉大さを感じました。


↓ 以下、感想はクリックで。




 ○ 「目的」と「原因」の分かりやすさ
 僕は3Dのゲームが苦手だと思っていました。
 その最たる事例が1年前の『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』で、ところどころで「コレは凄いゲームだ!」と思いつつ―――グルグル回るカメラアングルで自分と敵がどこにいるのか分からなくなるし、アナログスティックでは角度を調整しにくいからリンクは溶岩に飛び込むし、マップを開いても自分がどっちに向かっているか分からないし……1ヵ月半粘ってみましたが、3つ目のダンジョンの手前で力尽きてプレイを辞めてしまいました。

 スーファミ時代まで大好きだったアクションゲームを、サターン・プレステ時代(64は触ったことがないです)以降はほとんどクリア出来ていないという事実に気付いた時は……「あぁ、俺って3Dゲームに向いていないんだなぁ」と思ったものです。なので、3Dのアクションゲームは今後一切買うのを辞めようとまで決意していました。


 なのに買った『スーパーマリオギャラクシー』。
 「3Dアクションが苦手な人にこそ触って欲しい」というメッセージに、最後のチャンスを託してみたくなったのです。


 まず、「目的が分かりやすいこと」
 僕のように3Dのマリオを経験してこなかった人は勘違いしている人も多いんじゃないかと思うのですが、3Dだからと言って『ゼルダ』のようにだだっ広い世界に投げ込まれて「さぁ、自由に歩いてみろ」ということはありません。2D時代の『スーパーマリオ』シリーズと同じように、1つ1つコースがあって、ゴール(スター)まで辿り着くとそのコースはクリアです。

 単純にスターが浮いているところまで行けばクリアの面もあれば、中ボスがスターを持っているので倒さなきゃいけない面もありますし、正規のゴール以外に“隠しゴール”とも呼べるスターがある面もあるのですが―――基本的には、面の最初にスターや中ボスの絵が映るので、そこを目指して進めばイイだけです。
 小さな星から星へと飛びながら進む面や、箱庭のような面などなど……色々な面はあるのですが、「スターリングを探す」か「上の方に進む」と突破口が開けるのが基本なので、どっちに進めば良いか分からない事態なんてほとんど陥りませんでした。(最初の面のパネルは微妙かと思いましたけど……)

 その分、旧来の3Dマリオのファンからすると「自由に動き回れない」「球状地形は狭い」「ほとんどが一方通行じゃないか」と不満の声もあるとは思うのですが、3Dアクションをいつも道に迷ってクリアできなかった僕からすると凄くありがたい仕様でした。
 カメラアングルも考えられていますから、“見えないところからいつの間にか攻撃されている”ことが少なかったのも良かったです。アレって、3Dに慣れていない人間からすると物凄いストレスなんですよね。それを「ゲーマーを唸らせる難易度だ!」と言うのかも知れませんが。



 次に「失敗した原因が分かりやすいこと」
 『社長が訊く』でディレクターの小泉さんが仰っていたのですが、今回の『スーパーマリオギャラクシー』はマリオの最大ライフを8つから3つに減らしたそうです。序盤は回復アイテムとしてコインが頻繁に出てきますが、終盤はコインも少なくなりますし、そもそも『マリオ』ですから穴に落ちると即死になってしまいますし、ドッスンに挟まれても即死になってしまいます。

 なので、「今回の『マリオギャラクシー』は難易度が低いな」という意見の人も、恐らく相当量のマリオを死なせていると思うんですよ。

 3発喰らったら死んでしまうし、即死ポイントも沢山作った。
 だからこそ、コンティニューポイントを多めに設定して「よし!次こそは!」とやり直したくなるようにしたし、1アップキノコの数を増やしたりスターピース50コで1アップするようにしたり………マリオは死にまくるけど、ゲームオーバーにはなりにくいようギリギリの配慮がなされているのです。

 『スーパーマリオ』というのは元来「死んで覚える」「次こそはミスしないぞ!」とやり直すゲームでした。そういう意味で、この『マリオギャラクシー』もかなり原点に近くて“死にやすく”―――“死にやすい”からこそ、自分のミスを反省・修正しやすい親切なゲームになっているなと思いました。


 そう思うと、このライフ3つというのは絶妙でしたね。4つでも2つでもなく、3つだからこそのバランス。
 一撃喰らってライフ2になると「あと一回喰らうとライフ1になるぞ……」と危機感を覚えるので、最初の一撃を喰らわないように注意できるのです。現に、ところどころでライフを6つに出来るパワーアップキノコが手に入るのですが、ライフが6つになるとプレイも雑になってしまい、自分のミスを省みにくくなっちゃいました。



 「3Dアクションが苦手だ」と思っていた僕ですが、『スーパーマリオギャラクシー』に見られる配慮によって7年ぶりに3Dアクションゲームをクリアすることが出来ました。
 本当は僕は「3Dアクションが苦手」ではなかったと思うんですよ。僕が苦手だったのは「目的と原因が分かりにくいゲーム」であって、単に僕が触れてきた3Dアクションゲームにそうしたゲームが多かっただけなんじゃないかと思いました。アクションが苦手でRPGが得意とか、マリオが得意でゼルダが苦手とか、そういうことではないのです―――

 少なくとも、「目的と原因が明確なゲーム」であれば2Dだろうが3Dだろうが自分には楽しめる。
 それを教えてくれただけでも、僕はこのゲームに感謝をしています。



 ………
 ………それだけになぁ。
 最終面の「コンティニューポイントの少なさ」と、「カメラの死角から延々とキラーが飛んできて知らない間にマリオが死んでる」アレはどうにかならんかったのでしょうか。これだけユーザー目線で親切に作られたゲームが、最後の最後に“ユーザーに不親切”なことで難易度調整をしてしまったことにガッカリしてしまいました。ホント勿体ない。



 ○ イッツ ア マリオワールド
 これだけ多彩な面を用意し、それをマリオを使って突破していくというのに……
 「アナログスティックでマリオの移動」「Aボタンでジャンプ」「リモコン振ってスピン」の3つの操作しか基本的には使わず、時折「Zボタンでしゃがむ」のと「ポインターとBボタンでスターピース発射」を使う程度。“簡単操作”とは色んなソフトで使われているキャッチコピーですが、本当に簡単な操作で色んなことが出来るゲームというのも珍しいと思いました。

 そうそう。プレイ前は3Dでジャンプアクションをするのは大変だろうなと想像していて、確かに操作を覚えるまでは大変だったのですが……ジャンプ中にスピンをすると滞空時間が長くなることに気付いてからは、すんなりとクリア出来るようになりました。何だかんだ、このスピンというアイディアも『マリオギャラクシー』を語る上で欠かせない要素ですね。


 ステージ構成も本当に多彩。
 宇宙空間を砲撃を避けながら進む面もあれば、ハチになってのんびり飛ぶ面もあるし、ペンギン達と泳ぐ面もあります。時折ミニゲーム的なステージもあるのですが、「最初の面~エッグプラネット2ステージ目」までと「ボスステージ」と「最終面」以外はクリアしなくてもエンディングは見られますし、本当に苦手なら挑戦しなければイイのです。僕の場合、玉転がしは得意だけどサーフィンが苦手なので放置しています。最初のカーブすら曲がれないもの……

 また、通常ステージに変化をつける「いたずらコメット」という要素があり―――「ライフ1でボス戦にチャレンジ」とか「4分以内に通常ステージをクリア」などの特殊な条件の面もあります。これらもクリアすればスターが1つもらえますが、飛ばして進むことも可能です。かくいう僕も「レッドコメット」と「シャドウコメット」は性格上タイムアタックは出来ないので、一つもやっていません。


 多彩な面があり、それらを自由にプレイ出来る―――
 全てをクリアするのは至難の業ですが、自分のペースで攻略するだけでもエンディングには到達できるという間口は流石ですね。僕がスーファミの『マリオワールド』に近いと思ったのも、こういった面もあるのかも知れません。

 だからこそ、全ての人がプレイしなきゃならない「最初の面」と「最終面」の出来が微妙だったのが残念です。最初の面は物凄く酔いやすいし、最終面はコンティニューポイントが少ない上にいつの間にか死んでいることが何度もあって。この点で、「誰にでもオススメ!」と言えなくなってしまいました。




 最近のマリオシリーズを知らない僕ですが……クリボー、ノコノコ、パックンフラワー、プクプク、ゲッソー、キラー、ファイアーバーなどなど、初代『スーパーマリオ』から馴染みのキャラや、テレサやボム兵、ハナちゃんなどの『マリオ3』『マリオワールド』などのキャラが登場していたのが楽しかったです。「このキャラって3Dで表現するとこうなるんだ!」みたいな。
 もちろん新キャラもしっかり出ていて、特にチコやペンギンなどの味方キャラが可愛かったです。味方キャラと言えば、キノピオやルイージといった仲間と冒険の最中に時折出会えるというのも“一人で戦っているワケじゃない”という気持ちになれました。こういう仲間もちゃんと踏んづけられるというのもイイですね(笑)

 そういや、『みんなのニンテンドーチャンネル』でTVCMを観ていて気付いたのですが、全スター攻略後の御褒美は“アレ”みたいですね。かなり興味はありますが、僕には「チャレンジサーフィン」クリアが不可能なので泣く泣く諦めます。とっつきやすいくせにやり込みも用意されている、ホント凄いゲームだと思いますよ。



 ○ 総評
 ただまぁ、不満点もないこともなくて……

 これまでにも書いた「最初の面と最終面がイマイチ楽しくない」ということにも重なるんですけど、オープニングからチュートリアルの面までが長いです。もちろん世代にも依ることなんでしょうけど、僕らのような2Dマリオ世代にとっては最初のムービーシーンなんかダルいだけですよ。「ピーチ姫がクッパにさらわれる」なんて、説明書の冒頭に書くだけで良いんですよ。早くマリオで冒険をさせてくれよ!と。

 「ダルい」と言えば、ボス戦などでのボス登場シーンやボスがダメージを喰らったシーンのムービーが飛ばせないこともマイナス点ですね。「何度もやり直すゲーム」であるのにも関わらず、1ダメージ与えるごとにムキィーッ!と相手が怒る様をイチイチ見せられるのはテンポが悪いです。
 実際にはこのゲーム、最初のローディング以外は極力ロード時間を感じさせないように工夫されていて、「こういう技術でゲームのテンポを乱さないのは素晴らしいな」と思う箇所でもあるのですが………だからこそ、こういったマイナスポイントが目立ってしまったのが勿体ないです。



 間違いなく、2007年を代表する大傑作だったとは思うのですけれども……
 同じ95点であっても―――80点から5点ずつ積み上げての95点と、文句なしの100点にちょっとケチがついてマイナスされての95点の違いで言えば、間違いなく後者の95点でした。本当に面白かったけど、だからこそ惜しかったです。

 次回作はWiiになるのか、Wiiの次世代機になるのかは分かりませんが―――
 次に3Dマリオが出ても、食わず嫌いをすることなく期待して購入したいと思います。その前にバーチャルコンソールで『マリオ64』をやるべき?でも、DSの『Newマリオ』もやりたいしなぁ……

B0002FQD7Cニュー・スーパーマリオブラザーズ

任天堂 2006-05-25
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 本企画で目指す「わかりやすさ」は、スーパーマリオブラザーズ(以下「マリオ」)を目指しています。

| 試作PBM「遠近ウラオモテ」 | 2010/12/01 23:28 |

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