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「Wiiリモコンを使いこなす」という言葉への疑問

 All Aboutに面白い記事があったのでご紹介。

 PS3の格言。(情報元:ふぇいばりっとでいずさん)

 PS3ユーザーの苦しい心情を、1行ごとの格言で表していく記事。これらの格言を読むと、PS3ユーザーのこの1年間の気持ちがよく分かる……かなぁ。実際にPS3買った人みんなが苦しかったとは思わないんですけど、風刺も込みで面白かったです。

 その中にはWiiユーザーに対する格言もあったので、ちょいと引用させてもらいます。

<以下、引用>
Wiiってあの変なリモコン振り回すゲーム機でしょ?
 世界的に爆発的なヒットを飛ばしているWiiに対する、完璧なる僻みである。
 だが、Wiiであの特徴的なリモコンを使いこなせていないタイトルが多いのも事実。Wiiユーザーにはその辺をつついてお茶を濁そう。
 PS3のリモコンも6軸検知機能付きだし、その辺がうまく使いきれていないタイトルがあったがその辺はスルーの方向で。
</ここまで>


 読めば分かるようにこの文章自体はネタのようなものですし、ネタでありながらPS3ユーザーがWiiユーザーに抱いている複雑な感情を上手く表現しているのが見事だと思うんですが……ちょっと「ん?」と引っかかったのが「特徴的なリモコンを使いこなせていないタイトルが多いのも事実」という部分。



 この言葉って、よく見かけますよね。

 リモコンを使うかどうかだけに焦点があったワケじゃないでしょうが、今年2月に発売された『ファイアーエムブレム 暁の女神』のファミ通レビューに「Wiiで発売する必要性が感じられない」と書かれたことが話題になりました。
 最近でもXbox360とのマルチだった『式神の城III』でも「Wii版を出す意味が……」と言われてましたっけ(コレはファミ通だったか記憶が曖昧…)。これはどっちかというと“ユーザー層が合わないから”という意味でしょうけどね。



 そもそもの話、「Wiiリモコンを使いこなしたゲーム」ってどういうものを指すんですかね?
 モーションセンサーを使っているかどうか?ポインターを使っているかどうか?

 喩えば、スーパーファミコンの超名作『スーパーマリオワールド』はABXYの4ボタンの内Xボタンを使わないんですけど、これってスーファミのコントローラを使いこなしていないソフトだったということになるんですかね。
 ゲームボーイの『マリオランド2』のように下+Aボタンでスピンジャンプが出来る仕様にすれば、ファミコンのABボタンでも操作出来るとも言えるワケで。「ファミコンではなくスーパーファミコンで出す必要性が感じられない」と、当時のファミ通はレビューしたんでしょうか?


 もちろん、今のは屁理屈。
 ファミコンとスーファミじゃ色数やら処理能力が全然違うんで、ファミコンで『マリオワールド』を発売するのは苦しいと思います。そういう意味で、スーパーファミコンでしか表現出来ないソフトだったのは間違いないです。
 でも、それを言っちゃえばWiiの『エムブレム』だって「GCでは表現しきれなかった」とスタッフが仰っていましたし、むしろソレに対して商業誌のレビュアーが「Wiiである必要性が分からない」と発言してしまうくらい、スペックの差が一般人には分からないレベルまで来ちゃった証明なんじゃないかと思うワケです。


 うにゃうにゃ。
 だからこそPS3やXbox360のようなハイスペック機に存在意義があるんだという理屈は分かりますし、僕も「アイディア重視」「スペック重視」の二つの道が共存して欲しいと思うのですけど―――それならば尚更、「Wiiリモコンを使いこなしているかどうか」なんてところに焦点をあてて欲しくないのです。



 当たり前なことですけど―――
 『Wii Sports』が売れたのってWiiリモコンを使いこなしているから、だけではないですよ。

 手軽さだったり、インターフェースの分かりやすさだったり、「自分にも出来そう」と思わせてくれるとこだったり、その結果として家族全員が参加できたことだったり……要は「楽しかったから」ですよね。「Wiiリモコンを使いこなす」のは、楽しくなるための“手段”でしかなくて決して“目的”ではなかったのですよ。


 購入した人のほとんどが大絶賛をした『宝島Z』は、「Wiiリモコンを使いこなす直感操作!」を前面に押し出したCMを大量投入したにも関わらず、商業的には苦しい結果となりました。
 まぁ……『宝島Z』に関してはキャラデザやCMのセンスが悪かっただけという気もしますけど(笑)、「Wiiリモコンを使いこなす直感操作」なんてものをWiiユーザーは別に望んでいないという一つの事例だったんじゃないかと思うのです。


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 僕は『ゼルダ』以外Wiiのチャンバラゲームを遊んでいないんで偉そうなことは言えませんが……Wiiリモコン見て、「これでチャンバラゲームを作ろう!」と思って、全部の剣操作を“実際に振らせる”というのはどうなのかなーと思うワケですよ。

 それ、「楽しい」かどうかを二の次にして、「Wiiリモコンありきのゲーム」を目指しているだけなんじゃないか?と思っちゃいます。



 やはり“奇才”と呼ばれる人は違うんだなーと思わせた須田剛一『NO MORE HEROES』は、チャンバラアクションでありながら“振る操作”はトドメの時だけという開き直りで高い評価を受けています。要は「Wiiリモコンを使いこなす」ことではなく、「ゲームが楽しくなるためにWiiリモコンをどう使うか」という発想だったんでしょうね。

 『NO MORE HEROES』に関しては『逆転裁判合同ブログ1号店』さんのレビューが素晴らしいので興味ある方は是非一読あれ。

 振り回しても振り回されるな。「NO MORE HEROES/ノーモア★ヒーローズ」


 僕自身は現在『パンヤ2』を楽しんでいますけど、Wiiリモコンとゴルフゲームの相性の良さも似たようなものなのかなと思うのです。Wiiリモコンを振るのはスイング時だけ。当然ですが、1打目から2打目の位置までリモコン振って移動とかはしませんよね(笑)。
 これはもうファミコンの『ゴルフ』の頃からのセオリーで、何故ゴルフゲームに“移動”の概念がないのかと言えば、その方が楽しいからなんですよ。決して「現実とは違ってファミコンの演算能力を使いこなすためには何をすればイイだろうか」なんて発想ではないのです。


 そんなことを言いつつも、『NO MORE HEROES』も『パンヤ2』もさほど売れたワケじゃないんですけどね(笑)。『NO MORE~』の方は元々海外メインのつもりだったのでしょうから、国内は出荷量低い分だけ消化率は高かったみたいで成功の部類じゃないかと思いますが……




 話を元に戻します。
 クリスマスに向けて再び大爆発したらしい『マリオギャラクシー』は、Wiiリモコンを振ることで“スピン”をするのですが―――
 これに対して「リモコンを振ったか/振らなかったかの二択での入力なら、ボタンを押したか/押さなかったかの入力と変わらない」という批判もありました。これに関しては、僕も『ゼルダ』で「これってリモコン振る意味なくね?」と思っていました。

 ですが……個人的には『マリオギャラクシー』の“スピン”はリモコンを振る操作でこそなんだと思うんですよ。スライムのような敵にしがみつかれて払いのけたい時、ジャンプ中に慌てて方向転換したい時、水中でキラーに追いかけられて焦って泳いでいる時……必死にリモコン振ってスピンさせている方が「焦る」んですよ。
 これって決して「Wiiリモコンを使いこなさなきゃならなかったからスピンを振る操作にしました」ではなくて、「こっちの方が楽しいからリモコンを振ってスピンをさせる仕様にしました」なんですよね。この二つって似てるようで全然違います。


 もちろん、何が楽しいかは個人差がありますから。
 「ゼルダで剣振るの楽しかったよ」という人ももちろんいるでしょうし、「俺はクールにマリオをプレイしたかったぜ」という二枚目もいるでしょう。
 だからこそ、そうした個人差を踏まえた上で落としどころを見つけていくのがゲームデザインだと思います。「Wiiリモコンを使いこなす」なんて安易で楽で工夫もない言葉に落ち着くんじゃないよと言いたいのです。



 「オマエは一体何を言ってるんだ」と思われるかも知れませんが―――
 こないだ僕は友達宅で初めてPS3に触り、その友人が全く興味がなかった『まいにちいっしょ』を勝手にダウンロードして遊んでみました。ブログパーツ以外でトロステ観たの初めて。



 ↑ これがブログパーツ(配信内容は過去のものです)。
 で、初めて実機で触ってみた印象は……「これ、Wiiリモコンだったら楽なのになぁ」というものでした。PS3ユーザーからフクロ叩きにされそうな発言でごめんなさい。
 でも、実際問題……これだけボリュームある内容を毎日配信されるというのは、ユーザーにとっても時間が大変ですよね。“ながら”で楽しむためにも“片手で操作できるコントローラー”に向いているんじゃないかと思うワケですよ。


 いやまぁ、これは単に一つの事例でしかないので、「オートモードを付ける」とか「Lボタンで決定できるようにする」なんかでトロステの問題は解決しますし、ひょっとしたら僕が試さなかっただけでそういう機能があったのかも知れません……
 僕が言いたいことは。「Wiiってあの変なリモコン振り回すゲーム機でしょ?」と言っている他機種のユーザーがいたのなら、「でも……貴方が今やっているゲームの中に片手で操作できた方が楽しいってものもあるんじゃないですか?」と問いたいということなのです。


 これはもちろん逆も真なりで、Wiiユーザーから見ると他機種が羨ましいポイントだってごまんとありますよ。でも、それは「PS3だから」とか「Xbox360だから」羨ましいんじゃなくて、「楽しそうだから羨ましい」だけなんですよ。PS3のスペックを数字で眺めてウットリできるほど僕は数字フェチではありません。



 「機能を使いこなす」ことなんかどうでもイイ。
 僕らは「楽しさ」を欲しているんだ。「楽しさ」のために「機能」があるんだ。そのことを忘れてしまったら、ユーザーから笑顔が消えてしまうのですよ。

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 余談。
 この記事を数日かけて書いている間に、ネット上で話題になっていることがありました。『わぱのつれづれ日記』さんが詳しい記事を書かれていたんでご紹介。

 新たなゲーム体験を実現?! ~ Wiiリモコンを使った人体検知システム

 凄く簡単に説明してしまうと……Wiiリモコンをテレビ側に置いて、センサーバー(の役目をするもの)を体に装着するという発想ですね。プレイヤーの“視点”を入力する装置としては、別に今まで通りボタンやスティックでイイんじゃないかとは思うのですが(笑)。『Wii Fit』の「ながらジョギング」の発想に驚かされた以上に、この発想には驚かされました。

 こういう使い方をするかはともかく、「二つのWiiリモコンの情報を合わせるゲーム」というのはWiiウェアとかで出てきそうな気がしますね。Wiiリモコン二刀流は『はじめてのWii』くらいでしか使われてないと思うんですが、オプションとして使うのは面白いアイディアだと思います。


 「Wiiリモコンを使いこなす」と聞いて「Wiiリモコンを振り回すゲーム」としか発想できない人は、こういうアイディアをどう思うんでしょうね。

| ゲーム雑記 | 20:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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