やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

『Wii Sports』の続編というよりは『脳トレ』の体バージョン、『Wii Fit』紹介

『Wii Fit』
 Wii用/フィットネス
 任天堂
 2007.12.1発売/8800円(税込み)
 公式サイト
 Wii.comの紹介ページ

 当ブログで書いたファーストインプレッション
B000NWDXLSWiiフィット(「バランスWiiボード」同梱)

任天堂 2007-12-01
売り上げランキング : 1

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 今にして思えば、アレは伏線だったのでしょう。

 今年10月に行われた任天堂カンファレンスにおいて、宮本さんは「DSでは脳を鍛えてもらいましたので、今度はWiiで体を鍛えてもらおうと思います」と仰っていました。『Wii Sports』で“体を動かすゲーム”の洗礼を受けている分、僕はその言葉に何の違和感も覚えなかったのです。

 Wiiにおける体感ゲームの基本は『Wii Sports』にあるのだから、
 今度の『Wii Fit』も、『Wii Sports』のフィットネス版なのだろうと―――


 なので、実際に『Wii Fit』に触れてみた時の“しっくり来ない”感は凄かったです。
 あれだけ『Wii Sports』に食いついた家族でも「今度のは面倒臭そうだからイーや」とスルー。僕自身としても、2秒で凄さが分かった『Wii Sports』と違って、「果たして……コレは楽しいのか…?」と触ってみてもよく分かりませんでした。
 『Wii Sports』におけるラケットを振る、ゴルフクラブを振る、パンチをする、直感的に分かるそのような楽しさはそれだけで十分に伝わってきました。横で見ていると「俺にもやらせて」と言いたくなるような。それに比べると、『Wii Fit』の重心移動という入力方法は物凄く地味なんですよね……

 「あれ?これって久々に地雷なんじゃないの?」と正直思いました。
 しかし、一週間を過ぎた辺りでようやく気付くのです……あぁ、コレは『脳トレ』系ゲームの最終進化なのだと。そう考えれば色んな不満が全て納得いくようになりました。


↓ 以下、感想はクリックで。




 ○ 「計算20」や「名作音読」のような楽しさ
 『脳トレ』のヒットの要因は「誰にでも操作出来る」「継続することで上達が目に見えて分かる」などなど………色々な人が分析しているでしょうし、もはや語る隙間すらないと思うのですが。『えいご漬け』や『常識力』とは根本から違うことに、『脳トレ』には「懐かしさ」があったということがあります。

 学生の人にはピンと来ないかも知れませんが、「単純な計算問題を次々と解く」「声を出して本を読む」というような勉強は大人になればそうそうする機会がありません。「人生は勉強なり」と、本を読むとか資格に向けて問題の傾向を分析するとか新しいソフトの使い方を習得するとか、大人になっても勉強は続くのですが―――小学生の頃にやっていたような「これって何の役に立つのかなー」という単純作業の勉強は当然ながらやらなくなるのです。
 しかし、150km/hの剛速球を投げるエースピッチャーだって肩を作る時はキャッチボールから始めるように、「計算20」や「名作音読」は今まで眠っていた脳を「あれ?何か、懐かしいな…」と目覚めさせるのです。懐かしさとコンプレックスを上手くゲームに落とし込んだ、これが『脳トレ』がヒットした要因だったのかな、と僕は分析しています。


 『Wii Fit』のトレーニングはまさにそんな感じ。
 体育の授業をもう10年近くやっていない自分にとって、「ヨガ」や「筋トレ」は(それ自体の経験はなくとも)「あー、この筋肉を動かしたのは久しぶりだわー」と懐かしくなれるものでした。「バランスゲーム」や「有酸素運動」も、“遊び”の要素があってハイスコアが残るとは言え、基本的には“体を動かす”ことを思い出すためのものなんですよね。

 だから……当然のことですが、「俺、普段から運動してっし」「わざわざゲームでやらなくても運動すれば良くね?」とか言ってるイケメンは買わない方が無難でしょうね。計算ドリルを毎日やらなきゃいけない小学生に「計算20」をやらせて、「脳が活性化した?」「いや……これ、いつも学校でやってることだし…」と言われるようなものというか。


 『Wii Sports』のような楽しさを期待すると、ガッカリしてしまうんじゃないかと思います。
 あくまでこれは『体をそこそこ鍛える大人のWiiトレーニング』なんですよ。

 そう考えると、いくつか分かるものがあります。
× Miiの入れ替えが面倒
→「バランスゲーム」のハイスコアを競い合いたいのに、Miiを入れ替えるには「みんなの広場」まで戻らなきゃならない
理由)あくまでこれは一人用の『体トレ』なので、一人ずつプレイする仕様にしかなっていない

× スコアがなかなか上がらない
→誰にでもそれなりにプレイできて、誰にでも上達の伸び代があった『Wii Sports』と違い、慣れるまでが大変
理由)じゃないと「トレーニング」の意味がない

× 環境を限定するトレーニングが多い
→ジョギングや踏み台は、アパートなどではかなり迷惑になってしまいそう
理由)『脳トレ』でも声を出さなきゃならないトレーニングがあり、声を出せない環境の人は「別にソレはやらなくていい」というスタンスだった。今回もまた、全てのトレーニングをやる必要はないだろうというスタンス。

× 本当に効果があるのか微妙
→BMI標準値の僕は、毎日30分運動貯金を貯めている時も、からだ測定しかしていない時も、体重は変わりませんでした。
理由)『脳トレ』内で川島教授が「意識を持つことが大事」と仰っていたのと同じように、『みんなのニンテンドーチャンネル』内のインタビューで宮本さんは「どれくらいの効果が皆さんに起こるのかは正直分かりません。ただ、自分や家族の健康に対しての意識を持ってもらうことが大切」と仰っていました。



 毎日ハンコを押して、相棒となるウィーボくんに励まされて、家族の経過が眺められて、「スコアを上げることよりも継続することが大事」―――と、どっからどう見ても『Wii Sports』よりも『脳トレ』に近いゲームだと今なら思えるんですが、どうしてか僕は購入するまで『Wii Sports』の続編という認識だったんですよね。別に『脳トレ』も好きだったからイイんですけどさ。

 しかしまぁ、それは単に僕に老化が始まっているから『脳トレ』しなきゃ……ということだけではなく、『Wii Sports』の時と同じように家族がソファに座って笑いながらプレイを眺めているCMの責任も大きいよなーと思ったりもするのです。その結果として爆発的に売れているのだからCM作った人はガッツポーズなんでしょうが、伊集院光氏がラジオで批判していたように「ジョギングとか踏み台とか、近所迷惑になりそうなトレーニングをCMから外したのはフェアじゃなくないか?」という不満もあったりで、個人的には『Wii Fit』のCMは(CM単体としては面白かったけど)あまり好きじゃなかったです。

 『Wii Sports』のようなCMを流すのなら、『Wii Sports』くらいMiiの切り替えが手軽に出来るようにしてくれよと思います。



 ネットで見た限り購入者の満足度は高いみたいですが……もし「あれ?思ってたのと違うなー」と感じた人が多かったのなら、今後の任天堂CMの信頼にも関わる話ですからね。確かに『Wii Fit』は売れているし結果的に僕も楽しんでいるけれど、この罰は“次の商品”が受けることになりそうだと不安です。




 ○ トレーニングで体を動かす楽しさを再発見
 収録されているトレーニングは「ヨガ」「筋トレ」「有酸素運動」「バランスゲーム」の4つに分類されています。

 「バランスゲーム」はトレーニングというよりも、バランスWiiボード版『はじめてのWii』というカンジ。
 バランスWiiボードを使うとこんなことが出来ますよーという見本のようなもので、特に「座禅」が出てきた時には爆笑しました。「じっとしている」「タイミングよく左右に動く」「足踏みをする」「前後左右に重心を移動する」などの入力を上手くゲームに落とし込んでいるなぁという印象です。

 ただ、「ひねる」「つく」「傾ける」などの多彩な操作に対応した『はじめてのWii』に比べると、似通った操作のゲームが多いのも確かです。初級をクリアすると上級が出るのだけど、バージョン違いというか見た目ではそれほど変わらないというのも残念です。「玉転がし」の上級だけは「なんじゃこりゃ!」という面もあって面白かったですけどね。個人的には1ヶ月モチベーションを保つことは出来ませんでした。


 「有酸素運動」は逆に運動自体は単調なんだけど、それを如何に続けさせるかということに焦点があるみたい。
 やはり特筆すべきは「ジョギング」の奥深さ。バランスWiiボードを使わず、Wiiリモコンを万歩計のようにポケットに入れてその場で走って擬似ジョギングをさせるという発想が素晴らしいです。
 コースはオートで進んでいくんですが、スピードよりも「一定の速度で走る」ことが重要で、そこからの逆転の発想で「犬が飛び出たのを見計らってペースを上げる」ことによってルート分岐が起こるというのは流石情報開発部という遊び心でした。わざわざ説明書に島のマップが載っていますしね。通常ルートではありえないような悪路も走れるというのが楽しいです。欲を言えば、もうちょっと分岐が欲しかったところですけど。

 「踏み台ダンス」も面白いのだけど、パターンが「リズム」と「ダンス」の二つしかないので飽きも早かったです。
 「フラフープ」は最初の頃は楽しく「しんどーい!」と遊んでいたのですが、10分コースが出てからは「うーん…」とテンションダウン。左右5分の内、4分ずつ(合計8分)は延々と腰を回し続けているだけという退屈すぎる内容に……どうしてもうちょっと遊び心を入れられなかったんだろうと疑問があります。

 そうは言っても、テレビゲーム界の革命とも言える「ながらジョギング」「ながら踏み台」のアイディアは凄まじいですけどね。「リモコンのスピーカーで指示をするから、テレビでも観ていて下さい」というテレビゲームらしからぬ遊び方!ただ、僕はほとんどテレビを観ない人間なのでほとんど使ってませんが(笑)。


 「ヨガ」「筋トレ」は期待していなかった分、意外に「あー筋肉使うのも楽しいんだなぁ」と思わせてくれるトレーニングでした。食わず嫌いは良くないね。自分のレベルがどんどん上がって回数増やしていく様は、RPGで勇者のレベルが上がるのと同じようなものかも知れません。
 こなしたメニューに合わせて、「こっちのメニューも一緒にやると効果が上がりますよ」とオススメしてくれたり。トレーナーと筋トレを「どっちが長く続けられるか」対決が出来たり。初心者に優しい上に遊び心を忘れない様は、『脳トレ』のWii版そのものというカンジですよね。

 ただ……「ヨガ」「筋トレ」は特にWiiリモコンを持ちながらプレイしにくいのに、いつWiiリモコンを置けば良いのか分かりにくい仕様というのは激しくマイナス点。「よし!やるか!」とリモコンを置いた直後に「片足立ちに不安のある人は~」のメッセージが出ると、またしゃがんでAボタンを押さなきゃならないというのがねぇ。
 あと、腕立て伏せのようなメニューでも、バランスWiiボードの上に載らないとならないのもダメダメ。
 「解説を見る」を選ぶとトレーニング開始までの手順が面倒(解説終了・トレーニング開始と2回ボタンを押さなくてはならない)なのもイマイチですね。

 「右足に比べて左足の体幹が弱いようですね。左足を重点的に鍛えましょう!」と言われても、そんなメニューがないのも苦笑ポイントだったりします。トレーニングは常に右→左の順になるので、たまには左→右の順に変えてくれれば良かったのにーと思います。




 とまぁ、こんな風に……「トレーニング」に関しては不満も少なくなく、時間のない時にムリしてまでやろうとは思えなくなってしまいました。「玉転がし」も上級クリアしちゃったし、これ以上はもうイイかなーというのが本音です。

 ただ、そんな僕でも「からだ測定」は毎日続けています。
 これは流石『脳トレ』系“Touch!Generations”の集大成とも言える出来で、ハンコをカレンダーに押していくことはもちろん、他のソフトをWiiに入れたまま起動できる「チャンネル追加」があったり、家族の経過も観れるのだけどパスワード設定をすれば隠せることだったり、時間がない時は「バランス年齢測定」をカットすることも可能だったり、2週間ごとに目標数値を定められることだったり―――「毎日継続してもらうこと」「家族の話題にしてもらうこと」を最重要課題として、練りに練って作られたという印象です。

 また、こういうトレーニングソフトとMiiの相性って素晴らしくイイんだ。
 「バランス年齢測定」に関しては、「5つのテストの内からランダムで2つ出題」という測定方法なので―――正直、苦手なテストが出るか次第で全然変わってしまうのですが。費やす時間を考えると、落としどころとしては仕方なかったのかなーとも思います。僕はウォーキングテストが出た時は半分諦めることにしています。



 ○ 総評
 「目的意識がある人」「家族も興味持っているから一緒にやってみようという人」「Wiiを既に持っていて、たまたま体重計でも買おうかと考えている人」にはオススメ。逆に言うと、何か話題になっているからとか、『Wii Sports』が楽しかったから次のも買ってみるかとかの理由で買うのはオススメ出来ないというのが僕の本音です。


 ……しかし、現在このソフトは「出荷した分だけ売れる」という異常事態なんですってね。バランスWiiボードの生産はそんなに簡単そうではありませんが、このペースならば1月中に100万本達成は間違いないんじゃないかとか。『Wii Sports』『はじめてのWii』『マリオパーティ8』に続くWiiのミリオンソフトの誕生ですかね。
 これは正直意外……7月以降このソフトをプッシュし続けてきた僕ですら、大体30万本クラス、頑張って50万本クラスのソフトかなーと思っていましたもの。

 『はじめてのWii』のミリオン達成時にも書きましたが、周辺機器付属のソフトが売れるというのは他のソフトが売れること以上に大きな意味を持ちます。『Wii Fit』が100万本を超えたのなら、バランスWiiボードのユーザーが100万人いるというころで、バランスWiiボード対応のソフトも増えてきそうです。
 まぁ、その場合はバランスWiiボード単体で売り出す可能性もありますが……あぁ、その前に欧米でも『Wii Fit』発売しなきゃならないんで、工場は大変ですね。売れれば売れるほど悲鳴が大きくなるなんて幸せなことではあります。


B000YRNFGAファミリースキー

ナムコ 2008-01-31
売り上げランキング : 164

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| ゲーム紹介 | 20:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/531-72eadbbe

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT