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WiiがPS3に対して革命を起こした日

 N-Wii.netさんによると、エンターブレイン調べではWiiの国内累計販売台数が500万台を超えたそうです。『スマブラX』発売までに500万台普及出来るかは一つの目安とされていたので、とりあえずは一区切りですかね。
 どうでもイイことなんですが、一般新聞にも載っていたこのニュースが他のゲームニュースサイト(電撃とかITmediaとかGAMEWatchとか)ではほとんどスルーされているのはエンターブレイン調べの数値だからなんでしょうか。


 それはさておき……前の記事で取り上げた「社長が訊く」を読むと、(それが喩えゲーム業界という限定的な世界であっても)歴史の流れって面白いなーと考えさせられますね。


 桜井さんが『スマブラX』制作を要請されたのが2005年5月のE3で、『スマブラX』制作のスタートはその後(2005年の秋頃という説あり)。初めて『スマブラX』の映像が流れたのが2006年5月のE3なので、岩田社長の「脅し」から1年かけて映像公開までこぎつけたというワケですね。
 この映像は『みんなのニンテンドーチャンネル』の「ムービー総集編」や、公式サイトから閲覧することが出来ますが……ピットやワリオなどの新キャラに加え、初めて任天堂作品以外から『メタルギアソリッド』のスネーク参戦が発表され、会場から歓声が上がった映像でもあります。


 この2006年のE3というのが「巨大化し過ぎたE3の最後の年」で(2007年以降は完全招待制のイベントに縮小)、最後の革命と呼んでいる人までいます。“下克上”という言葉の方がしっくり来るかも知れませんね。具体的に言うと、PS3への失望と、反動でWiiへの期待がのし上がってきたという意味です。

 ハイスペック過ぎて高価格になり過ぎ(日本では発売前に値下げされましたが)、「で?ソフトは?」と言われたPS3と……
 価格を抑えつつ「新しいゲームのスタイル」を提唱し、『Wii Music』『Wii Sports』『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』『スーパーマリオギャラクシー』、そしてこの『スマッシュブラザーズX』などの映像をドカンと見せて「これだけのソフトを揃えました!」と見せ付けて時代を予感させたWiiの差が如実に見えた日でした。


 もちろんココにはハッタリも過分にして含まれています。
 そのイベントで宮本さんは登場する際にWiiリモコンを指揮棒に見立てて『ゼルダ』の音楽を演奏しましたが、その『Wii Music』は2008年1月現在でもまだ発売日すら明らかになっていません。『トワイライトプリンセス』もWiiリモコンの使い方に試行錯誤していた時期ですし、『スマブラX』も映像を作るのが精一杯だったのでしょう(その割には、今見るとアイクとか映っているのが分かるのですが…)。

 言わば、張子の虎。
 ですが、2005年のE3から2006年のE3までの間に張子の虎を用意できたのは、岩田社長の「Wi-Fi対応の『スマブラ』を…」云々発言から桜井さんに『スマブラ』制作を打診出来たからであって……
 もし「2005年E3に桜井さんにスマブラ制作を打診」「2006年E3に『スマブラX』映像出展、スネーク参戦発表」という事柄が1年遅くても1年早くても、恐らくアレだけの“革命”にはならなかったんじゃないかと思うのです。


 そもそもPS3自体が2006年春発売予定から延期しただけなので、偶発的な部分が大きく、狙って起こした“革命”ではなかったと思いますし。
 それ以前に、日本のゲーム業界における“本当の革命”は『マリオカートDS』『おいでよ どうぶつの森』『もっと脳トレ』でDSが売れまくった2005年の年末商戦という考えも出来ますし、実際に『Wii Sports』が受け入れられたWii発売以後という見方もあるでしょうけどね。



 別に僕はPS3に対してケンカを売りたいワケではなくて……スーパーファミコン時代に「驕っていた」任天堂を初代PSが蹴落として絶対王者になったように、今回もまたWiiがPS3を結果的に蹴落としただけであって、「二度あることは三度ある」で三度PS陣営が任天堂を蹴落とす可能性だってあります。それは別に10年後ではなくて、来年の今頃にということだってありえます。これはXbox陣営にも当てはまることです。
 ただ、やはり……そうした“革命”が起こり得るのはそれだけの下地があってこそで、そこまでの過程(努力と言い換えても可)をちゃんと用意した上で「どうして売れないのか分からない」と言っていますか?ということ。


 なんつーかさ。
 (少なくとも現時点では)Wiiが据置機3機種の中でトップを走っていることを「CMのおかげ」とか「『Wii Sports』の力だ」と説明するのは簡単ですし、そうした要素も当然ながら大きかったのでしょうが……そこまで辿りつくのに色んな人の想いや葛藤や脅し(笑)があって、人の意志が歴史を作っていくという当然なことを教えられますね。


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 余談。
 『スマッシュブラザーズ』で検索をしていたら、初代『スマブラ』が発売された頃にスタッフがほぼ日にインタビューされているページに辿り着きました。まだ20代の桜井さん、悪の親玉みたいな写真(笑)の岩田社長など、当時のHAL研究所の人々の話が読めます。

 当然ながら、初代『スマブラ』は今の『スマブラX』ほどの期待を集めたソフトではなく、時間との制約の中で四苦八苦した様が分かるインタビューですね。宮本さんが当時HAL研究所の社長だった岩田さんに「マリオを使う許可」について語った苦言を、敢えて岩田さんは桜井さんに教えなかった……などのエピソードが、今の3人を知っていると色々と思うところがあります。

 それと……この99年の時点で、岩田さんが「大作志向の延長に、これからのゲーム作りの答えがあるとは私は思っていないんです。」と仰っていたのはなかなか面白いですよね。
 それから9年。任天堂の社長としてDS&Wiiで非大作ゲームを成功させた現在、逆にその大作ソフトとして『スマブラX』の発売が多くの人の期待を集めているというのは大きな時代のうねりのようなものを感じます。


 さぁ、結果はどう出る?
 歴史が必然を形作るならば、この『スマブラX』が初代『スマブラ』を上回るダブルミリオン(200万本)なんかを達成して“革命(レボリューション)の完成”となるのが最も美しい形だとは思うのですが。現実は、フィクション以上にドラマチックに必然を飛び越えるものですからね。


 『スマブラX』発売まで、残り1週間。
 祭りは“終わる”のか?“始まる”のか?

| ゲーム雑記 | 18:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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