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『ガンダムOO』における新キャラの存在意義

 何を書こうかと迷いましたが、今日は久々に『ガンダムOO』の話にします。
 2話ほどビデオ録画を忘れるポカをしてしまいましたが、Gyaoでの1週遅れの配信に助けられ、今のところ全話欠かさず視聴出来ています。ありがとう、Gyao。最高だぜ。いつかWiiのインターネットチャンネルでも観られるようにしてもらいたいぜ。


 最新話(先週のテレビ放送分)までのネタバレを含むので、「続きを読む」か「記事URL」をクリックして下さいな。
 昨日たまたま『CLANNAD』の原作ネタバレと『スマブラX』の隠しキャラネタバレに遭遇してしまい、昨夜は何もかものやる気を失って、2時間くらいずっと『スマブラX』やってました。ネタバレは怖いね。人を殺すにはナイフも銃も要らない、楽しみにしているもののネタバレをするだけで生きていく気力を失えるのだから。




 予想通り、釘宮ボイスの新キャラは僕にとって「生理的に受け付けない……」キャラでした。
 ついでに言うと浪川ボイスのキャラもキツイ。こういうキャラって、「中二時代の自分を観ているみたい」で恥ずかしくなってくるというか……もちろんリアルにこうだったワケじゃないですが、男のコが持っている“消したい過去”の集大成みたいなキャラでね。




 僕は『ガンダムOO』は他の人の感想を読まずに楽しむことにしているので、世間での反応がどうなのかは分かりませんが……僕が思った「新キャラ、ウゼエ」という反応は、むしろスタッフからすると狙い通りなんですよね。

 クリスティナやティエリアにわざわざ「アイツらは嫌いだ」と言わせていますし(クリスティナは“視聴者にとって等身大の人間”として配置されている)、これまで同調しなかったティエリアと刹那に「初めて意見が合ったな」と言わせているほどの凝り様。
 視聴者からしても「ティエリア、ちょっとウザいなー」と思っていた人は何割かいたと思うんですが(これもクリスティナに「ああいう言い方ないよね」と言わせているので狙い通り/一方でロックオンに「可愛いじゃないか」と言わせているのも面白い)、そのティエリア以上にウザイキャラを出して視聴者をティエリア側に感情移入させるという意図があったのでしょう。



 新キャラを出すのは、作品にとって“諸刃の刃”です。
 多くの場合、作品を追いかけてくれている人は「その作品が好きな人」ですし、それまでのバランスを崩してしまう新キャラ投入は既存のファンに落胆をもたらせてしまうかも知れません。
 僕にとっての『ガンダムOO』は、絶妙なバランスのキャラ配置がなされている群像劇だったので、1人多くても1人少なくても成り立たない中に新キャラ3人も登場させるのはどうなるだろうと不安が大きかったです。

 しかし、実際に先週分の放送を見て「脚本の計算高さ」に驚きました。
 新キャラ投入で得られるメリットをこれでもかと詰め込んでいるんですよね。


 まず一つには、先ほど書いた「新キャラをウザくすることで旧キャラに感情移入をさせる」こと。
 次に、「新キャラとぶつけることで旧キャラの新たな側面を描く」こと。妹を「嫌い」と言いつつ長男を「カッコイイ!」と言ってるクリスティナのミーハーさとか、三兄妹の裏をかこうとするスメラギさんのしたたかさとか、予想出来ない事態にイライラするティエリアたんの可愛さとか(笑)。

 描いて欲しいところを外さないなぁ……と感心します。


 後は、これが個人的に一番大きいと思うのですが―――
 「膠着状態だった人間関係を、新キャラ投入することで玉突きのように動かせる」こともありますね。これこそが群像劇の醍醐味。

 今回、三兄妹とスメラギさん一味が会談をしましたが……三兄妹が意図して教授を殺したことによって、それをどこかのタイミングでチョンマゲメガネから訊かされるであろうスメラギさんの中での三兄妹の位置づけは変わってしまうはず。
 “ガンダム”に教授を殺されたことでグラハムの心境も変わるでしょうし、彼がここから活躍するフラグのようにも思えます。

 また、教授が「知りすぎた」ために殺されたのなら、同じように「知ろうとしている」サジのお姉さんはどうなってしまうんだという恐怖もありますし、それと同じタイミングでサジとルイスが別行動に入ってしまうというのも物語の加速を感じさせます。


 アザディスタン編なんかは変化に乏しい「緩」の話でしたが、新キャラ投入で一気に物語のギアが「急」に変わった印象です。この辺はもちろん最初から考えて構成しているんでしょうね。あのタイミングで一気に加速させるから、それまでの数週間は膠着状態を作ろう……と。



 その象徴のように初期から登場している教授を殺してしまうというのも、(教授じゃちょっとキャラが弱いかも知れませんが)インパクトがありましたし。新キャラ投入のおかげで、それまで「あのキャラが今ああ動いていて、あっちにこういう伏線が張ってあって…」と混乱していた視聴者も、「何かウゼエヤツラ出てきた」と単純化して観られるというのもメリットですよね。

 もちろん、新キャラ自体の魅力を描けるのも大きいです。
 単体ではウザったい三兄妹も「兄と弟」という組み合わせなら可愛く思えたりするものですし、三つのガンダムが出てくるというコトは、三つ新しいプラモデルを発売できるというコトです。僕には区別が付かないけど……

 今回出てきた武器を誰かが攻略しなければならないという“強敵フラグ”でもありますし、たった一話で“新キャラを登場させたメリット”をここまで感じさせるとはなーと感心しました。



【まとめ】
・新キャラ登場で、主人公達に感情移入をさせられる
・新キャラと絡むことで、初期メンバーの新たな側面を描ける
・暫く続いた膠着状態から、新キャラ登場で一気に加速させる
・物語の変化が「新しいヤツが出てきたな」と視聴者にも分かりやすい
・もちろん、キャラが魅力的ならば視聴者を惹き付けることが出来る
・新しいプラモデルが発売できる
・主人公達ですら適いそうにない新兵器を見せたことが“強敵フラグ”になる

 たった1話でこれだけ描けるのだから、使い方さえ間違えなければ物凄い効果を発揮できる新キャラ投入。個人的には、『ガンダムOO』の新キャラ投入は(キャラ自体は好きになれないけど)大成功だったと思います。

 「あの新キャラが出てきてからつまらなくなったよな」と言われる作品もありますが、逆に言うと上記のこと(特に上3つ)が出来ていないケースが多いのかも知れませんね。どの作品の誰なのかは、それぞれでお考え下さいな。


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| アニメ雑記 | 19:11 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

新キャラという味の素

確かに物語をうまく際だたせてくれた新キャラクターですが、
私はここまでどぎつい新キャラ投入しないで物語の味付けをして欲しかった。

そう言う意味で「ウザイ」ですね。
逆に言えば新キャラを投入したのだからこのぐらいの展開に持って行かなければ
意味がないというか・・・

舌が肥えてしまったのでしょうかねぇ。

まぁしかし、ルイスの怪我が手だけだけだったのは幸いというか・・・
左腕完全欠損すると思ってた自分としてはほっとしましたな。
サジ君には是非とも指輪をネックレスにして送ってもらいたいモノだ。

PS
>主人公達ですら適いそうにない新兵器を見せたことが“強敵フラグ”になる
18話でフラッグですら損害を与えられることと太陽炉の欠陥について書かれているので、
”倒せるフラグ”は立っちゃいましたけどねw

| 凍幻狂 | 2008/02/10 10:59 | URL | ≫ EDIT

>凍幻狂さん

 賛否両論あるのは間違いないでしょうね。
 新キャラ投入前のバランスが好きな人ほど、新キャラが入ることによって起こるバランスの崩れが気になるでしょうし。その“産みの苦しみ”を覚悟しておかなければ、「あのキャラが出てきてからつまらなくなった」と言われるのだろうなと。


 個人的には、今週観終わって叫んだくらい、面白くなったと思っています。
 新キャラがウザければウザいほど、刹那やグラハムを応援したくなると思いますし。ここで「刹那-サジ」ラインを使ってくる(当人達は互いの状況を知らないので、視聴者だけが分かっているというニクい構成)のには痺れました。感想を記事にしようかと思ったのだけど、絶賛ばかりで自分で自分がウザくなって辞めました(笑)。


>倒せるフラグ
 実際、グラハムをどう使ってくるか次第でしょうね……教授を殺した合体ビーム砲みたいのを破るとしたら、グラハムの役目だと思いますし。でも、そうなるとグラハムに芽生えたガンダムへの怒りをどうするのかと。

 群像劇の宿命で、分かりやすい悪人が(三兄妹以外)いないというのがどう料理するのか……非常に楽しみにしています。

| やまなし(管理人) | 2008/02/10 20:10 | URL | ≫ EDIT















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