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3年遅く、15年早かった魂の一作!『メタルスレイダーグローリー』紹介

『メタルスレイダーグローリー』
 ファミリーコンピュータ用/アドベンチャー
 HAL研究所
 1991.8.30発売
 スーファミリメイク版公式サイト
 Wiiバーチャルコンソール用
 2007.12.18配信開始/600ポイント
 公式サイト

 ※ このレビューはWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書かれたものなので、オリジナルのファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。
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 あなたは4年前、何をしていましたか?

 2008年2月現在からの4年前=2004年の2~4月頃のニュースと言えば、長島監督が脳梗塞で倒れたり、コンビニやスーパーで消費税が内税表示になったりしたことがあるそうで。イラク戦争の余波で延期になっていたアテネ五輪のサッカーアジア予選が行われたのもこの頃。2004年の大河ドラマは『新撰組!』、『世界の中心で愛をさけぶ』や『ハウルの動く城』の映画も2004年だとか。
 ゲーム業界のニュースで言えば……PS2の『ドラクエ8』がこの年のベストセールス作品で、この時期をピークに「大作ゲーム」から「非大作ゲーム」への流れが始まります。この年の12月にニンテンドーDSとPSPが発売。PC版の『CLANNAD』もこの時期ですか。

 4年という時間は世の中をあっという間に変えてしまいます。コンピューター関連は特に。
 総制作期間4年と言われれば、物凄い大作のように聞こえますが……この作品の構想が練られていたのが1986年、制作開始が87年。87年は『新・鬼ヶ島』や『さんまの名探偵』などが発売されたアドベンチャーゲームブームの頃ですが、この年に『ドラクエ2』や初代『FF』などが発売されRPGブームが始まり、88年の『ドラクエ3』で決定的になる時期です。
 制作開始から4年、このゲームが発売された91年になるとアドベンチャーブームなど影も形も残っていませんでした。ファミコン市場はまだまだ頑張っていましたが、前年のスーファミの登場によって、「ハイスペック路線はスーファミへ」という時代。“ファミコンにしては大容量”のこの作品は、すっかり時代遅れになってしまっていたんですよね。

 コンピューターの進化だけでなくて、SFアニメも4年経ってしまえば様変わりして「古臭く」見えてしまうのもあったでしょう。もし、発売があと3年早ければ……そう思わずにはいられません。



 ですが、そこから15年以上が経った今見てみると“イイ塩梅の味”が見えてくるのです。
 知る人ぞ知ると言われ、一時期3万円近く付いていたプレミア価格のソフトが600円で遊べるというのも大きな魅力。時代には乗り切れなかったこの作品が、時代を飛び越えるWiiのバーチャルコンソールで甦る―――当時を知っている人も、当時を知らない人も、色々なことを考えさせてくれる一本だと思うのです。

↓ 以下、感想はクリックで。




 ○ 15年前の美少女ゲーム
 こんなことを書いていますが、世代的に微妙にアドベンチャーブームにはハマらなかった当時の僕はこの作品を知りませんでした。このソフトがプレミア化していた頃はちょうどゲームをやっていなかった時期ですし、名前は何となく聞いたことはあっても、詳しい情報を仕入れるようになったのはバーチャルコンソールでの配信が決まってからでした。

 で、「ファミコンソフトの中でも最大の大容量!」とか「総制作期間4年の大作!」とか「3万円のプレミア価格が付いたこともあるお宝ソフト!」などの情報を聞き、かなりビビっていました。評判の仰々しさは敷居ばかり上げて、物凄く「玄人だけが楽しめる」作品なんじゃないかと思ったからです。大作であればあるほど、生半可な気持ちでは楽しめない“脂っこさ”がありますから……正直、怖さの方が大きかったですね。


 なのに、蓋を開けてみればギャルゲーだったという

 ギャルゲーというと聞こえは悪いか……
 美少女達に囲まれながら、主人公が色々な人に出会い、“地球の危機”に立ち向かう―――と、現在のハーレムアニメとやっていることが変わらないというか、目指しているものはほとんど一緒というか。むしろコレ、今、深夜アニメの企画として立ち上げられてもおかしくないよなーと思いました。

 主人公である兄とラブラブな妹(12歳・パンチラ装備)、ヤキモチ焼きなツンデレ気味ヒロイン(17歳・巨乳)、ウェイトレスの服はメイド服チックだし、挙句の果てには女性キャラを「誉めたり」「見つめたり」「触ったり」して説得する「それなんて『どきどき魔女神判』?」と思わせるシーンもあったりしました。流石におっぱいは触れませんでしたが。
 主人公がやたら軟派風味だったり、キャラの服装や髪型だったりは、流石に「80年代後半~90年代前半」の作品だよなーと思わせるのですが。やろうとしていることは、今のヲタク向けアニメやゲームとほぼ一緒ということで。これに3万円のプレミア価格を付けていた当時のコレクター達は物凄く時代を先取りしていたんだなーと感心しましたよ。。


 実際問題。『Zガンダム』(85年)、『ガンダムZZ』(86年)なんかも僕はハーレムアニメだと思っていますし、むしろ今のヲタク向けアニメやゲームは一周回って80年代の影響が大きいという見方も出来ますが……それをゲーム、しかもファミリーなコンピュータの中で実現していたという点で当時のインパクトは凄かったんじゃないかと推測します。
 PC版『同級生』が92年、PCエンジン版『ときめきメモリアル』が94年発売ですからね。美少女ゲームなんて認識はまだまだ浸透していなかった頃(一部で人気のヒロインとかはいましたが)、このソフトが熱狂的なファンを生み出したのも、時代の必然だったのかもと思いました。



 映像の凄さ、アニメーションの豊富さなどは確かに凄いです。
 ですが、それは哀しいかな「ファミコンにしては化け物」というレベルです。どんな工夫をすればファミコンでこれだけの映像が作れるんだとは思いますが、当然のことながら現在のゲームグラフィック・深夜アニメの作画技術と比べてしまうのは酷なものです。初日こそ僕も「何だこの化け物グラフィックは!」と驚愕しましたが、やっぱりそれも慣れてしまうんですよね。

 なので、やっぱりキャラとかストーリーに惹かれなければこの作品を好きにはなれないよなーというのが僕の意見。
 キャティは俺の嫁なんで、そりゃ僕はこの作品が大好きですよ。
 ストーリーも序盤~中盤の描写が終盤に繋がってくる構成が見事で、これもまた今の深夜アニメみたいなストーリーですよね。ちょっと強引だけど、でも確かに熱くて、クリア後に「いいものを観たなー」と優しい気持ちになれる作品でした。


 逆に言うと……今の深夜アニメのような“美少女文化”が嫌いな人にはオススメしません。
 登場人物のほとんどが美少女か美人ですからね(笑)。



 ○ とは言え、「ファミコンであること」を受け入れられるかどうか……
 これはバーチャルコンソールのソフト全般に言えることなんですが、やっぱり「ファミコンにしては凄いな」を受け入れられる人じゃないとキツイかなとは思います。内容は抜群でも、メッセージスピードなんかのインターフェースは今みたいに整備されていませんからね。

 この『メタルスレイダーグローリー』は“Bボタン押しっぱなしでメッセージスピードが速くなる”機能があるので、『新・鬼ヶ島』や『ファミコン探偵倶楽部』ほどイライラしませんでしたが………Bボタンを連打していると、会話の最中の選択肢を勝手にキャンセルしてしまって大変なことになったります。
 漢字が「一部の漢字のみ使われている」仕様も、ファミコンにしては頑張っているのだけど「危き」とか書かれてもとっさに読めなかったりして……クオリティに繋がっているかと言われると微妙だったりします。


 このゲームの特徴でもある「パスワードが台詞になっている」ことも、裏を返せばセーブ機能が付いていないことでもありますし(バーチャルコンソールの中断機能は付いています)。当時は凄かったことが、今の若者にどれだけ受け入れられるんだろうとジジイゲーマーとしては不安に思っちゃったりします。
 一応マルチシナリオというか分岐もあるみたいなんですが、クリア後に検索して調べてみたところ「選択肢によって死亡フラグの箇所が増減する」くらいのものだったっぽい?まぁ……『弟切草』ですら92年のソフトですからね。本格的なマルチシナリオをファミコンに期待するのは無茶ですよね。選択肢総当りで進んでいくゲームではないところは、かなり好印象ではありますが。



 プレイ時間は……多分、3~5時間の間くらいだったかなぁ。
 1本の映画よりはちょっと長めで、レンタルビデオよりはちょっと高い600円。個人的にはコレで600円というのは物凄い破格だと思いましたが、上述したように「ヲタク文化が苦手な人」「ファミコン時代の古臭さが苦手な人」にはオススメしづらいというのも確かです。その分、ツボにハマった時のインパクトは大きく、熱心なファンが多いというのも頷けるのですが。



 ○ 総評
 僕がゲームの感想を書く際は、「自分が好きだったかどうか」とは別に「このゲームをオススメしたいのはどういう人だろうか」ということを考えて書いているのですが……こんなに自分が好きだったソフトなのに、オススメしたい相手の顔が思い浮かんでこないソフトも珍しいです。
 少なくとも……10歳の頃の自分(ファミコン版が発売された頃)も、20歳の頃の自分(スーファミリメイク版が発売された頃)も、今の自分ほど感動は出来なかったと思います。

 そう言えば……そのスーファミリメイク版は「版権の都合上BGMは全部変更されている」こと以外はそのままに、絵の色数が増えたり、ファミコン版で泣く泣くカットされた要素が復活したりしたバージョンアップ版だったそうな。インターフェースとしてはそちらの方が使いやすいと考えるのが当然なので、スーファミ版もバーチャルコンソールで配信された際にはそちらをオススメするべき?

 でもなぁ……やっぱりコレはファミコン版だからこそ「大人たちがムチャなことに挑戦した」証が分かるってものなんですよね。

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| 夢のもののふ | 2009/02/06 23:26 |

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