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| 西尾維新『零崎双識の人間試験』読了 |
「多分彼女にとって――彼女のこれからにおいて、あなた達と過ごした十七年は、かけがえのない、他の何とも代理が利かない――輝いた、価値のある宝石に位置づけられることでしょう。彼女をここまで『守って』くれて本当にありがとうございます―――」
だから、西尾維新の小説はヤバいんだって。読むべきじゃないんですって。
買ってから1年近く放置しておいた『零崎双識の人間試験』ですが、『DS文学全集』ばっかり読んで飽きてきたので「最近の小説も読みたいなー」と手を出してしまいました。 案の定、中盤以降は休みどころを失い、後先考えずに一気に最後まで読んでしまったのです。「一気に」というけれど、僕は本を読むのが遅い上に、一行一行噛み締めながら読むので物凄く時間がかかった上に……読み終えた後、一週間くらいはポーッと余韻に浸っていて使い物にならないというアレっぷり。
好きすぎるのも考え物ですね。
ということで、ややネタバレ含む簡易感想はこちら↓ いつものごとく、ネタバレ防止のために予備知識0のまま読み始めました。 刊行の順番から考えて『ヒトクイマジカル』までを読んで、この本も読んだのですが……結果的に大正解。スピンオフ作品な割には『ヒトクイマジカル』までの6冊を読んでいないと分からないシーンが結構ありました。
“戯言シリーズのスピンオフ作品”という位置づけでイイんですよね。 推理小説ではないし、一人称の物語でもないし、描写の角度が違っているし………戯言シリーズ本編とは全く別の作品となっています。別の作品だからこそ描けるものがあると言うべきか。
犯人を暴く必要も、一人の主人公に縛られる必要も、“普通”の少年の物語である必要もない。 『クビシメロマンチスト』が“線の向こう側にいる人々”の話だったのに対して、こちらはまさに今“線を乗り越えようとしている人”の話というべきか。これは「一人の主人公に縛られる必要がない」からこそ出来たことで、単に人気キャラを使って違う話を書こうということではない、スピンオフ作品のあるべき姿だと思いました。
また、『クビシメロマンチスト』を読んだ後に頭の片隅で思ってしまった「線の向こう側にいる人同士で分かりあうことは出来なかったのか」という戯言(「もうちょっとだけ話をしてみたかったんだ」)への一つの可能性提示として、この『零崎双識の人間試験』は存在するのかなぁと思いました。
そういう意味でも、戯言シリーズで『クビシメロマンチスト』が一番好きな自分にとっては、珠玉の時間を過ごしました。「才能というよりは性質」、零崎に限った話ではなく、道を迷っている若者達にも読んでもらいたいと思う傑作でした。 ベタだけど、エピローグには涙ぐみました。
……それだけに、『ヒトクイマジカル』までの6冊を読んでおかないと分からないというのが残念ではあるのですが。ちょうどシリーズ1冊目から文庫化しているそうなんで、コレを機に!
[記事URL]
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