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やまなしなひび−Diary SIDE−
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『ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女(スーパーファミコン版)』紹介
『ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女(スーパーファミコン版)』
 スーパーファミコン用/アドベンチャー
 任天堂
 (ニンテンドウパワー書き換え専用)1998.4.1発売
 スーパーファミコン版公式サイト
 Wiiバーチャルコンソール用
 2008.4.30配信開始/800ポイント
 公式サイト

※ このレビューはWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書いているので、オリジナルのスーパーファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。
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 『新・鬼ヶ島』、『はじまりの森』、『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』、『メタルスレイダーグローリー』……元作品の発売時期も、ハードも、開発会社も、発売元も全くバラバラな作品ではありますが。バーチャルコンソールで配信されているアドベンチャーゲームを遊んできた僕としては、この『うしろに立つ少女』こそが到達点だとすら思いました。
 使いやすいインターフェース、そこそこに描き込まれたグラフィックと(1作目の『消えた後継者』同様に)ドキリとさせる演出、適度に分かりやすく適度に先が気になるシナリオと、何より可愛いヒロイン―――「バーチャルコンソールでオススメのアドベンチャーゲームはどれ?」と訊かれれば、僕は迷わずこの作品を選びます。


 このゲームは元々1989年に発売されたディスクシステムのソフトで(こちらはゲームボーイアドバンスに移植されています)、それを1998年にニンテンドウパワー書き換え用としてスーパーファミコンにフルリメイクした作品です。
 89年と言えばディスクシステム末期で、98年と言えばスーファミ末期……というよりも、プレステ絶頂期ですね。「やるドラ」もこの年でした。

 こうしたコマンド選択式アドベンチャーゲーム自体がメジャーではなかったこともあって、「知っている人は知っている」くらいの作品だったことは否めません。僕だってバーチャルコンソールで配信されるまでは遊んでいませんでしたからね。
 ですが、現在のゲーム業界は『逆転裁判』シリーズ(2001年〜)の功績やゲーム人口の拡大もあって、携帯機を中心にアドベンチャーゲームが元気な状況です。バーチャルコンソールを通じてこの作品に触れてもらいたいのと同時に、今この時代に『ファミコン探偵倶楽部DS』みたいな新作が出てきても面白いのなぁと思いました。

 そのくらい楽しいゲームでしたし、あゆみちゃんが可愛かったです。


↓ 以下、感想はクリックで。


 ○ スーファミ版ならではの遊びやすさ
 『新・鬼ヶ島』『消えた後継者』といったディスクシステム時代の作品は、「昔のゲームが大好き!」な僕でもシステム面で辛いところがありました。コマンド総当りじゃないとクリア出来ない上に、メッセージスピードが遅い……と。文字の細かさも目が疲れる原因ですし、昔ながらのグラフィックも「味がある」っちゃあるんですけど、可愛い女のコを描くにはキツいものがあるだろうよと。

 なので、『消えた後継者』をバーチャルコンソールで遊び終えた際に、僕は「続編の『うしろに立つ少女』はスーパーファミコン版を希望」と書いていました。その念願が叶い、待望のスーパーファミコン版が配信されたということで歓喜しましたし、『新・鬼ヶ島』や『消えた後継者』をプレイした際に感じた不満点はほぼ解消されていました。恐るべしスーパーファミコン。


 メッセージスピードは全体的に速め。それでいて、既読メッセージは更にスピードを速めることが出来ます。
 コマンドの選択肢も、状況によって追加されたものは黄色表示で見分けがつき……(実は僕は気付いていなかったのですが)十字ボタンの左右を押すことで、選択肢の最上部・最下部に飛ぶことが出来るという親切仕様。
 メモ機能として、登場人物(容疑者)の情報をいつでも確認できるのも素晴らしいですね。この機能のおかげで、いつでもあゆみちゃんの顔を眺めることが出来るのだ!!(そこかよ)

 細かいことなんですが……作中の文字に漢字が使われるようになったというのも嬉しい改良点です。特に人名は「全員ひらがな」だと覚えにくいですからね。漢字を使えるだけで、こんなにストーリーが頭に入ってくるのか!と驚きました。



 しかし……そう考えると、スーパーファミコンというハードがファミコンやディスクシステムに比べて如何に化け物スペックだったかということを感じますよね。今の若い人達からしてみると信じられないかも知れませんが、「漢字が使えるんだ!」「こんなに色数が多いんだ!」と当時は感動したものです。
 あゆみちゃんだけでなく、各登場人物の活き活きとした表情、背景、見せ場となるシーンのグラフィックは「素晴らしい」の一言。98年の任天堂と言えば、「3Dになればゲームは変わる」という空気が強かった頃ですが……だからこそなのか、この作品は「アドベンチャーならば2Dでこれだけのものが出来るんだ!」というスタッフの気合を感じます。
 ムービーもボイスもないけれど、「これがベストだ」と胸を張って言える最高のリメイクだったんじゃないでしょうか。


 リメイクと言えば……
 ちょっとネタバレになってしまいますが、ディスクシステム版にあった3Dダンジョン探索はスーファミ版ではカットされているそうです。この辺はディスクシステム版の89年とスーファミ版の98年の時代の差という気がしますね。テンポからすると、なかったのはなかったで良かったのかもと思いました。



 これもちょっとネタバレですけど……クリア後、プレイ中の行動による性格診断のようなものがあります。
 シナリオ自体は一本道なんですけど、こういうことを仕込んでいるのは凄く面白いですよね。「アナタはどうでした?」とプレイした人に聞いてまわりたくなります。ちなみに僕は「緊迫した状況の中でもえっちな気持ちを失わない」と言われました(笑)。流石、よく見ているなぁ……



 ○ 秀逸のシナリオ、先に『消えた後継者』を配信した本当の理由
 元が80年代のシナリオということもあって、未成年の探偵が一人で殺人事件の調査をするというアレな設定だったり、伏線の回収がイマイチ爽快感に欠けていたりというのは否めません。ゲームクリエイターが書いたシナリオなので、推理小説の一級品レベルと比べると期待外れになってしまうかもなぁとは思います(その分、演出に力が入っているのですが)。

 ですが、『消えた後継者』同様に複数の事件が一本の線に繋がっていく構成は見事でしたし、『消えた後継者』では熊田医師くらいしかいなかった“いい味出している”キャラクターが『うしろに立つ少女』では多く見られるというのも嬉しい材料でした。ドロドロとした遺産相続話だった『消えた後継者』と違い、『うしろに立つ少女』は高校が舞台の話ですからね。ミステリー・サスペンス・ホラーの中にも、明るくて元気が出る要素が数多く詰め込まれていて楽しかったです。



 ところで、この『ファミコン探偵倶楽部』の2作品―――(サテラビューでもう1作品あったそうなんですが、それはとりあえず置いておきます)
 ディスクシステム版が発売された順は、『消えた後継者』→『うしろに立つ少女』の順で、バーチャルコンソールでもこの順番で配信されたのですが……作品内の時間軸的には『うしろに立つ少女』→『消えた後継者』の順となっています。

 元作品の評価も『うしろに立つ少女』の方が高いそうですし、システム的にもスーファミでリメイクされている『うしろに立つ少女』の方が取っ付きやすいですし、『うしろに立つ少女』を先に配信してくれよという意見もあったんじゃないかと思うのですが……僕としては、『うしろに立つ少女』の前に『消えた後継者』をプレイしておけて本当に良かったと思いました。


 『うしろに立つ少女』単品でももちろん楽しめるんですが、『消えた後継者』をプレイしているとより一層楽しめるストーリーとなっているのです。
 特に『消えた後継者』では主人公のパートナーとして登場したあゆみちゃんが、今作では事件の一関係者として主人公と出会うところから始まるのがツボ。今作では親友を亡くしたショックから塞ぎ込んでいて、ほとんど笑わないコなんですが……『消えた後継者』をプレイした人ならば、このコが本当は明るくて優しいコであることや、未来の主人公を勇気付けてくれていたことを知っているのです。
 「彼女が笑顔を取り戻せる日はいつなんだろう」
 言ってしまえば、『うしろに立つ少女』とはあゆみちゃんの笑顔を取り戻すゲームなんです!


 時間軸をシャッフルして、プレイヤー(視聴者)が知っている未来を手に入れるための現在を描く―――という手法は、アニメ版『涼宮ハルヒ』なんかでも使われたテクニックですが。これを80年代末期の、しかもディスクシステムのゲームでやられていたということに驚きました。まぁ、王道は遡っていけば遥か昔になるということは多々あることですが(多分ルーツはもっと前にあるんでしょうね)……
 「たかがゲームのストーリーだろ」と甘くみていると、思わぬ衝撃を受けると思います。



 ○ 総評
 「コマンド総当り式アドベンチャーゲーム」が嫌いでなければ、是非オススメな一作。
 個人的には不満点はほとんどないですし、ゲームを進めるのが勿体なかったくらいです。あゆみちゃんを始めとして魅力的なキャラクターが沢山登場するので、是非こうしたキャラ達にまた会える新作を作って欲しいんですけど……シナリオを書いた坂本賀勇さんは長らくアドベンチャーゲームを作っていないので、望み薄なのかなぁ。冒頭にも書いた通り、アドベンチャーゲームは今まさに面白いジャンルだと思うんですけどねぇ。

 いっそのこと、次の『スマブラ』にあゆみちゃんを登場させるとか……(笑)

 まぁ、キャラデザに惹かれるかどうかはアドベンチャーゲームの場合重要だと思うので、公式サイトなんかを参考に。
 僕としては……気が早い話ですが、数年後にWiiの次世代機が登場したとしてそちらでもバーチャルコンソールのようなサービスを続けるのか、『うしろに立つ少女』を永久保存としてそちらでもプレイできるのかが気になっています。ディスクシステムがなくなってしまい、ニンテンドウパワーもなくなってしまい、バーチャルコンソールで甦った本作。データを消してしまうのがとても惜しいのです。


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