やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

「適当」という言葉が苦手

 僕は「言葉」とはコミュニケーションツール&情報伝達手段でしかないと思っているので、お偉いであろう知識人の方々が仰る「日本語の乱れが~~」とか「正しい日本語が~~」とかのご高説には興味がありません。

 「言葉」で大切なのは「伝わるかどうか」であって、「正確かどうか」ではないでしょう。
 もちろん過去に使われていた言葉を軽視するべきだとは思いませんけども、「伝える」ために「言葉」が変化していくのは当然のことだと思うのです。



 とは、言っても……
 「伝わらない言葉」があるのも事実。
 相手に「伝える」よう努力をしていない文章は論外ですけど、自分の思っている言語の意味と相手の思っている言語の意味がズレているために「どうして言いたいことが伝わらないんだろうな~」と陥ってしまうことが多々あります。


 僕が日頃から気になっているのが「適当」という言葉。
 Infoseekの辞書で調べてみると――――

【適当】
1.ある状態・目的・要求などにぴったり合っていること。ふさわしいこと。また、そのさま。相当。
「―な例」「―な結婚相手を世話する」「君主政治なる者は殊に大国に―するの理を/民約論(徳)」

2.その場を何とかつくろう程度であること。いい加減なこと。また、そのさま。
「―にはぐらかす」「―なことを言う」


 1の用法(=ふさわしいという意味)と、2の用法(=いい加減という意味)が正反対という。
 普通に考えたら1の方が元々の用法っぽいですけど、どっちが元とかはどうでもイイです。問題なのは、正反対な二つの意味を持つ一つの単語をどう使えば良いのだろうということです。


 僕自身は「適当」という字面からは1の意味だと思ってしまうんですよ。「最適」の適に「当然」の当ですからね、ピッタリ命中!ふさわしい!というイメージがあります。
 でも、多分……大多数の人は2の意味で使っているんじゃないでしょうか。「適当」で検索したら高田純次さんの名前が出てきたんですが、この人は多分「ふさわしい」ではなく「いい加減」なカテゴリーの人ですよね(笑)。


 なので、僕はこの「適当」という言葉が上手く使えません。
 昔は1を「適当」、2を「テキトー」と使い分けていたんですが、「恐らく読んでいる人の大半は「適当」も2だと勘違いして読んじゃうよなぁ……それじゃ、「言葉」で一番大事な「伝わるかどうか」を蔑ろにしちゃうよなぁ……」と悩みに悩みぬいた結果、もういっそのこと使わなきゃイイんじゃね?という結論に達しました。
 なので、最近は「適当」も「テキトー」も使っていません(多分…)。面倒臭いことからは逃げ回る性格なんです。


 でも、たまーに1の用法で「適当」を使っている人もいるんですよね。
 そういう時は「お!仲間」と思うのですが、僕自身は「みんなは2の用法で使っているだろう」と考えているので、読んでいても暫く意味が通じていなかったりするのです。困ったもんです。


4478003769適当日記
高田 純次

ダイヤモンド社 2008-02-01
売り上げランキング : 6874

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 こういう例でよく言われるのが「役不足」という言葉ですよね。『みんなの常識力テレビ』のCMにも使われていました。

 こちらはInfoseekの辞書でも分かりやすく―――「能力に対して、役目が軽すぎること。」が正しい用法。
 この用法ってあまり日常の使い道を思いつかないんですが………「鳥山明にベタを塗っておいてもらう」みたいなもの?ならもうキャラ描いてもらおうぜ。家宝にすっから、ってなカンジで。


 で、よく使われる誤用法が「力不足」という単語とごっちゃになった―――「荷が重い」という使い方です。「役不足」という言葉が持っていた本来の意味とは、正反対の意味になってしまっています。「やまなしにドラゴンボール2を描かせる」ようなものでしょうか(笑)。ムリ、ぜってえムリ。プレッシャーで死んでしまいます。


 これも「適当」と同じケースで……
 僕自身は「役不足」と聞くと「大した役じゃないんだな」とイメージするんですけど、「そ、そ、そ、そんな役は僕にはムリっすよ!」という意味で使われていることが多いので―――僕が前者の意味のつもりで使ったとしても、後者の意味と勘違いして読まれるんじゃないかと不安なので使わないことにしています。

 後者の意味は「力不足」を使えばイイんでしょうが、前者の意味の場合は「役不足」以外に言い換えられそうな言葉が思いつかないんですよ……まぁ、あまり使う機会のない言葉ではあるんですけど、イメージ出来る事象なのにそれ表現出来る言葉がないというのがもどかしいというか。



 「日本語の乱れ」を愚痴る気持ちってのは、ここに通じるのかも知れませんね。
 今までは何の問題もなく使っていた言葉がある日突然使えなくなってしまうことへの恐怖というか。取り残され感というか。

 でも、それを言い出すと―――「適当」を「いい加減」、「役不足」を「荷が重い」(コレは謝った誤った使い方なんで試験の時には気をつけて下さいね)と使っていた人が、今日のこの記事を読んで「今までは何の問題もなく使っていた言葉がある日突然使えなくなってしまったじゃないか!やまなし、ウゼエ!」と思うことと一緒なんですよね……

 ゴメンなさい、ウザくて。


B0012NKFMMみんなの常識力テレビ

任天堂 2008-03-06
売り上げランキング : 505

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| ひび雑記 | 18:12 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2008/06/12 08:05 | |

「適当」はもう「いい加減」の意にして「ふさわしい」の意には「適切」を使うのがベターでしょうね。
テストの選択肢でも「適当なものを選べ」なんて書いてあるとホントにテキトーに選びたくなりますけど、そんなわけねーよなーと思いつつ適切なものを選びます。

| mnnn | 2008/06/13 17:22 | URL |

>mnnnさん

「適当」を「いい加減」の意味で使っている人の言い分。
 1.「ふさわしい」は「適切」で良いじゃないか
 2.「いい加減」を「適当」のままでいこう

「適当」を「ふさわしい」の意味で使っている人の言い分。
 1.「ふさわしい」は「適当」のままでいこう
 2.「いい加減」は「いい加減」で良いじゃないか

 うーむ。相容れませんね。
 個人的には読む際には「どっちの意味もあるんだな」と頭に入れておくのは大前提で、自分で書く際にはなるべく使わないようにしています。自分の言い分が相手に伝わらないのが一番イヤですからね。

 でも、「適当」と「適切」では受け取る印象が違うように、完璧に代替出来る言葉なんてないのも確か。この辺が言葉の難しいところで面白いところだと思うのですが……

| やまなし(管理人) | 2008/06/13 21:22 | URL | ≫ EDIT

こんにちは
わたしは、「適当」という言葉使う気がします(私が使う場合、人よりも自分の事しか考えていないかも)
書きたい内容に一番ふさわしい言葉はなにかと考えて、それが「適当」だったとしたら、迷わず使うと思います

正反対の意味になった言葉とか、いっぱいあると思うし、誤解ももうしかたが事かなと諦める(諦めてもらう)そう思うようになりました
ある意味、誤解の幅があってそれはそれでおもしろいかな~なんて
それに、適当という言葉 軽さがあって好きかもしれない
私も、いわゆる適当(いいかげんな方の意味)な性格かなと、真面目な人にはごめんなさいですね
でも、なかみがいっぱいつまって重い言葉より、なんか軽さをとった方がいいものが出来る気がするんですよね

| りこ | 2008/06/18 00:34 | URL |

>りこさん

 まぁ、何だってそうなんですが……
 「コレを読む人はどう思うのかー」と気を使っていない文章では、言いたいことは伝わりませんし、そのせいで誤解を生むのは仕方がないことだと思っています。文章は上手・下手ではなく、相手の気持ちを考えられるかどうか。

 もちろん僕も全然出来てはいませんけどね(笑)。
 軽い言葉はもちろん大事ですし、「適当」=「いい加減」は間違った用法ではないですけども、使い方を間違えて言いたいことを伝えられないのは哀しいことだと思うのです。

| やまなし(管理人) | 2008/06/18 20:57 | URL | ≫ EDIT

悪い意味(?)での「適当」と同義に扱われている「いい加減」という言葉も
本来の意味は
「いい加減」=「加減がいい(良い)」
なのかな?と思うのですが・・・

日本語ムズカシイデス。

| so | 2009/07/21 19:12 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/698-544ed2ca

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT