防災ずきんを学校に持っていかない地域があるだってー!?
構成作家の居丈高豪(東京都府中出身、多分30歳前後)が番組前のスタッフルームで防災ずきんの想い出を語ったところ、自分以外の全スタッフに「え?何それ?」とキョトンとされたそうな。
自分と同年代のディレクター(大分出身、確か30歳ちょい過ぎくらい)は地方出身ということで地域差なのかなと思ったのだけど、同じ東京都出身のプロデューサーやパーソナリティ(共に40代中盤)も防災ずきんを知らなかったとか。
「小学校に上がったら、お母さんが雑巾と一緒に防災ずきんを縫ってくれるんですよ」と主張する構成作家に対し、番組では最終的に「府中に防災ずきん職人でも住んでたんじゃねえの」と笑い話にして締めていたのですが……
もちろん僕はそれが真実でないことを知っています。
だって、神奈川出身、現在26歳の僕も防災ずきんを学校に持って行っていたんですもの。
『バツラジ』スタッフの大半が知らなかったくらいですから、このブログを読んでいる人の中にも防災ずきんを知らない人がいるでしょうから解説をしますと……
『火垂るの墓』などの戦争中を描いた作品にもよく登場する“防空ずきん”のような形状で―――学校で地震や火事にあった時は、普段は椅子に敷いてクッションや背もたれとして使っている防災ずきんを頭に被って落下物に備えるというものです。
居丈高さんは「お母さんが縫ってくれる」と仰っていましたが市販のモノも多く、それぞれ異なったデザインの防災ずきんを椅子にかけておくため……運動会などで椅子を教室外に出した時も、防災ずきんの柄の違いで自分の椅子を見つけることにも使っていました。
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さて……「不思議だねー」で終わらせるのもアレなんで、僕が生まれる前から神奈川県で中学教師をしている父親に尋ねてみたところ―――するとまぁ、恐ろしいほど分かりやすい答えが返ってきたのです。餅は餅屋というか、蛇の道は蛇というか。
30年くらい前に関東・東海沖地震が「近い将来起こるんじゃないか」と予想されたことで、その地域の小中学生に防災ずきんを持たせる運動が始まったとのこと。
つまり……関東・東海地区には当てはまらない大分出身のディレクターや、東京には住んでいるけれど関東・東海沖地震が話題になる前に義務教育を終えていた40代のプロデューサー&パーソナリティが知らないのも当然のことで。
言い換えてしまえば、この30年間の間に関東・東海地区で小中学生をやったことのある人しか防災ずきんを知らないということなんですよね。これは驚き!僕なんかは、それこそ『火垂るの墓』で防空ずきんを見ていましたから、戦争中からずっと日本全国の子どもはアレを学校に持っていっているのだと思っていましたよ。
ちなみに……最近では関東・東海地区以外に大きな地震が頻発しているので防災ずきんを持たせている地域も広がっていそうですし、地図上では近くても断層は異なるケースもあるそうなので細かい地域差はありそうですね。
「高校ではどうなの?使わないの?」と父に訊いてみたところ、「知らねぇ」との頼もしい言葉が。
防災ずきんにもWikipediaのページがあるんですね。
『教えて!goo』にも同じような質問がありました。
もし、「ウチでは使ってましたー」「何それ、初めて聞いた」という情報を提供して下さる方がいらしたら、地域と年代と小中高のどこで使っていたのかor使っていなかったのかをコメント欄にでも書き込んで下さるとありがたいです。
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そう言えば……
小中学校を舞台にした漫画・アニメは数あれど、防災ずきんを背景に描いている作品ってあんまり思いつきませんね。
防災ずきんが全国共通&全世代共通だと勘違いしていた僕としてはそれが不思議だったんですけど、それは「防災ずきんを持たせない地域が舞台だから」というケースもあれば、「作者が防災ずきんを持たせない地域出身なので知らなかったから」というケースもあるんだなぁと今回初めて思いました。
喩えば……今、僕の手元には『苺ましまろ』のコミックスがあります。
この作品は静岡県が舞台なので小学校には防災ずきんがある方が自然なんですが、実際には描かれていません。ということは作者が防災ずきんの存在を知らない世代なんでしょうね……と、書こうと思ったら、Wikipediaによると80年生まれの静岡出身だとか。
えぇえええ!僕の仮説、思いっきし間違ってるじゃん!!
まぁ……確かに、防災ずきんを各椅子ごとに個別に描くのなんて超面倒臭いもんね。そもそも学校の教室って描くの超大変なんですよね。机と椅子を1セット描くのだって凄く大変なのに、それがアンタ、何十人も生徒がいらっしゃるのですよ。やってられませんわ。
なので、漫画で教室のシーンを描く際には、“如何にして画面に移る机・椅子を少なくするか”に苦労するワケですよ。そんな状況で、防災ずきんの作画を省いたってバチは当たらないじゃないか!
……いや、そもそもだ。
関東・東海以外の地域で小中学生時代を過ごした人、及び40代以降の世代にとって防災ずきんなんて「は?何それ?」なワケですよね。現実では小学生が防災ずきんを使っていたとしても、読み手にとってはそれは“現実的”ではないことだってあります。
本来そこにあるべきものを描かないことでリアリティを増すことだってあるのですよ。
でもなぁ……防災ずきんがある学校で育った男子諸君ならば分かってくれると思うんですが、好きなコの防災ずきんってドキドキしたよね?もちろん、イスでも防災ずきんでも“座られる”ことには変わりないんですけど、画一的で無機質な椅子と違い、柔らかくて人それぞれ個性のある防災ずきんには言いえぬ魅力があったと言うか。
「好きなコの縦笛を舐めたい」なんて言っている男は変態極まりないと思うけれど、「好きなコの防災ずきんをクンクンしたい」ならばどっちも変態だとは思うけれど全力で同意してしまうのがやまなしです。
防災ずきんを描かなければ、そういう甘酸っぱくてイカ臭い話は描けないんですよね。
下らないことかも知れないけれど、日常に転がっていたドキドキってそういうものだったよなぁと思い出す日々。ということで、防災ずきんが全国に広まってくれることを願います(防災意識の面でも)。
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