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『Wii Sports』紹介

Wii用/スポーツゲーム
任天堂
2006.12.2発売
公式サイト


 任天堂のWii用同時発売ソフトの1本。
 メーカーが『ゼルダ』や『ワリオ』や『ポケモン』ではなくコチラを前面に押し出したのが納得できるくらい、リモコンを振る楽しさをこれでもかと体現したソフトとなっています。Wii本体購入者の6割以上の人がこのソフトも買っているらしく、Wiiソフト初のミリオンも見えてきました(1月中盤の段階で80万本突破とか)。

 2006年末の任天堂ファン系のサイト・ブログなどでも、“2006年ベストゲーム”に挙げる声が多数だった中―――ゲームサイトにおける投票系コンテンツなどでは、意外に低い評価だったりするもんで。単に「ゲーマー」「非ゲーマー」の間で評価の分かれる作品というだけでなく、「ゲーマー」の中でも各人が何を求めているのかでハッキリ評価が分かれる作品となってしまったようです。

 ゲームが複雑化してしまって「ゲーマー」と「非ゲーマー」の二極に分かれたのを何とかしようとした“Touch!Generations”だけど、今度は「任天堂戦略にハマる層」「ハマらない層」に二極化してしまったということか。


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 初めに言っておきますと、僕はこのゲームを“完成されたゲーム”だとは思いません。
 普通・・・“ベストゲーム”に挙げられる作品は完成度や作りこみの細かさなどを評価されることが多いと思うし、それは単にPS系ソフトのグラフィックの美麗さというだけじゃなく、DSの『脳トレ』も『どうぶつの森』も完成度の高いゲームでした。その意味では、『Wii Sports』は任天堂の最近のソフトでも“作りこみの甘い”ゲームの部類に入ると思います。

 ゲームモードを増やしたりキャラを沢山作れば良いものではないとは思うけど、野球を3回までしか遊べない(9回を通してプレイできない)ことや、ゴルフは9ホールしかないこと、ボクシングはカウンター狙いじゃないと勝ち上がれないこと、テニスは後衛が勝手にコケていることに腹立つこと・・・などなど。「次回作では直して欲しいなぁ」というポイントは、“2006年ベストゲーム”に挙げられるソフトの割には多いと思います。


 でも、ロンチソフトとしてはソレで良いんですよね。
 「コレ1本だけあれば満足」というソフトを新ハードと同時発売で作ってしまうと、Wii本体は普及しても、他のWiiソフトは売れません。絶妙なくらいの“物足りなさ”がある方が良いのです。
 僕の中での究極のロンチソフトはスーファミの『F-ZERO』だと思っているのですが、あれは新ハードの拡大・縮小機能の圧倒的な力を見せ付けながら1人用のゲームでした。2人プレイが主だったファミコンの主戦場において、ストイックに1人で走り抜けるゲームは異質だったと思います(僕の周りでは『F-ZERO』を持っている人はいなかったくらい)。ですが、この『F-ZERO』があったからこそ、後に2人用を前提として『マリオカート』が作られるワケです。結果、『マリオカート』はスーパーファミコンソフトで最も売れたゲームとなりました。

 『Wii Sports』もWiiにおいて『F-ZERO』の役割を担うんじゃないかと期待しているのです。
 とにかくリモコンを振るという“新しい入力装置”をアピールして、「Wiiとはこういうゲームが作れるんだよ」と見せ付け―――リモコンで操作する楽しさと、ゲームとしての完成度の両方を備えたゲームは後々に出せば良いんだよ、と。



 というワケで、不満も多いこの作品ですが・・・それを補って余りある「新しい魅力」によって、我が家では発売から1ヵ月半経った今でも家族全員が毎日プレイしています。正直、任天堂のこの戦略が肌に合う/合わないはあるとは思います。そこは否定しません。
 でも、狭い実感として、ゲームを今までやってこなかった両親が毎日このソフトを遊んでいる事実があるのも確か。そのために液晶テレビ買ったんですぜ?その事実だけは間違いなく“革命”であったと思います。



 ○ シンプルなゲームは飽きやすいのか―――の論理
 そもそも何を持ってゲームに飽きるのかという疑問もあるし、4800円のソフトに相応しい“飽きずに遊べる時間”がどれくらいなのかという疑問もあります。
 クリアまでに100時間かかるRPGだって、クリアまで進んだ人も惰性と義務感でやっているだけであって、「100時間楽しんだ」人が何割くらいなのかをハッキリさせないとならないと思います。新しい武器を手に入れたり、町の人の台詞が変わったからといって“飽きない”とは別次元の話です。『スパロボ』のように膨大な時間を要するゲームも、言っちゃえば全部の面でやってることは一緒ですもの(だからこそ、新ユニットを小まめに投入して飽きさせないように努力しているのですが)。


 どれだけの時間を遊ばせられるのかは、“飽きずに遊べるか”というよりも“どれだけプレイヤーに目標を与えるか”が関係してくると思うのです。
 その点で言えば、『Wii Sports』の一人用プレイは確かにやれることが少ないです。CPU戦を繰り返すと、成績と内容によって熟練度が増減していき、1000を越すとプロ認定されるのですが(Wii伝言板に記録が残る!)―――僕は購入後4~5日はくらい野球ばっかやっていたため、4~5日でプロになってしまい、その後は野球はほとんどやっていません。恐らく、どの競技も数時間かければ簡単にプロ入りまで辿り着いてしまうでしょう。

 ゴルフやボウリングはハイスコアを目指すという楽しみもありますが・・・対戦相手が必要なテニス・野球・ボクシングは“最強の敵”が出てきてしまったら、それ以後に要素はありません。後は如何に相手にポイントを与えず熟練度を上げるのかという話になるんですが―――それが果たして楽しいかと言うと、確かに「飽きやすい」という気もします。
 ゴテゴテ装飾された追加モードや追加キャラが必要とは思いませんが、幾つかの隠し要素くらいは欲しかったかなぁ。



 確かに、このソフトは対人戦でこそ魅力を発揮するゲームだと思いますが・・・テニスのダブルス変更を除けば、対戦時のオプションのようなものもありません。ハンディキャップとか、回数の調整とか、対戦に特化したゲームにあるような機能はことごとくオミットされています。この辺は、「ゴチャゴチャ設定をイジらせると尻ごみする人もいるだろう」という目論みのような気もするんですが、別画面でオプションを選ばせればイイ話ですし・・・どうにも作りこみの甘さを感じてしまいます。


 と、言いつつ。
 それでも5種目もあるんですから、遊びこもうとすれば際限なく遊べるとは思います。僕は全種目プロ入りするのに1ヶ月ちょいかかり、プロに入ってしまうとモチベーションも下がってしまって飽き始めてはいるんですが・・・4800円で1ヶ月楽しめれば、別に文句はありません。

 5種目×3つ=15コのトレーニングモードもメダル獲得を目指せばキリがないでしょう(僕はコンプリート系の作業が出来ないので、息抜き程度にしかやっていませんが)。ボウリングなんかは3つともミニゲームなりの面白さがあって、むしろ本編以上にゲームっぽくて面白いです。「なぎ倒し」ばかりが目立ってますが、「壁避け」も相当楽しいです。

 これらのトレーニングメニューを使って体力年齢を測定するモードも熱いですね。正直、脳年齢チェック以上に信憑性のないものだとは思うけど・・・そうと分かりつつ、実年齢よりも若返った時にはガッツポーズが出てしまいました。



 ○ ともかくMii!Miiがこのゲームの全て
 Wii発売前に任天堂ホームページで連載された『社長が訊く』に書かれているんですが、Wii本体の似顔絵チャンネルと『Wii Sports』は全く別のプロジェクトで作られたソフトだそうです。ですが、『Wii Sports』を作ったスタッフの中には、かつて64DDやGCで“似顔絵チャンネルのようなもの”を作った経験のある方もいて、普及させられなかった悔しさを抱えていたことが読み取れます。

 せっかく作った似顔絵を何に使うのか?

 かつての失敗を活かそうとする意地なのか、この『Wii Sports』はこれでもかってほどMiiありきのゲームとなっています。
 こうした横の流れ(部署間の繋がり)と、縦の流れ(成功しなかったプロジェクトも次に繋がる)の二つの特徴は、なるほど現在の任天堂の柱になっているなぁと思われます。Miiがあるからこそこのゲームは面白いのだし、Miiがなければここまで面白いゲームにはならなかったと思います。


 似顔絵チャンネルで作ったMiiを自分でプレイヤーとして使えるので、『Wii Sports』という“プレイヤーキャラ=自分”と感じやすいゲームにマッチしているというのもありますが・・・プレイヤーキャラ以外のMiiも頻繁にゲームに登場するので、友達や漫画のキャラなどのMiiを大勢作っておくと大勢で遊んでいるような気がしてくるのです。

<似顔絵広場にいるMiiが出てくる場所>
 ・プレイヤーキャラとして使用可能
 ・「野球」にて、プレイヤーキャラ以外のポジションをやってくれる
 ・「ボウリング」で後ろの席にいる


 また・・・ネットに繋いでフレンド登録したWiiで作られたMiiの中から“「公開する」に設定されたMii”は似顔絵パレードに現れ、こうしたMiiを捕まえて似顔絵広場に持って帰ることが可能ですが・・・持って帰らずに似顔絵パレードに置きっ放しでも、『Wii Sports』の中に現れます。

<似顔絵パレードにいるMiiが出てくる場所>
 ・「テニス」の観客席
 ・「ボウリング」で、隣のレーンにてプレイしている
 ・「ボクシング」の観客席

 観客席にいるだけ・・・と思われるかも知れませんが、どこの誰か分からない謎なキャラよりも「あ、アイツが見に来てる!」と注目できた方が楽しいに決まっています。その“楽しさ”が『Wii Sports』というゲームの中だけでなく、沢山の人とフレンド登録して繋がることによって倍加していくというのも、この作品がロンチタイトルとして発売された意味を強めていきそうですね。




 でも、実際問題この作品が狙っている“ユーザー層の拡大”に最も貢献したのはセーブデータの使い方かも知れません。
 「ゲームをやらない人」にとってゲームの何が一番怖いかというと、下手にイジって壊してしまわないかということだと思います。特にセーブデータを壊してしまうのが恐ろしいのですよ。多くのゲームは「セーブデータを選ぶ」の横に「セーブデータを削除する」という選択肢があるので、うっかり押してしまわないかと怯えるのです。
 僕なんかはファミコン世代なのでセーブデータを間違えて消してしまったり、消えてしまったりという経験を何度もしていますし、そうした失敗も大人になるための通過儀礼だと思うのですが・・・・・・耐性のない人間は怖いんですよね。

 『脳トレ』で「上手いな」と感じたことの一つに、セーブデータ選択画面が“自分の書いたサインを選ぶ”というものだったのですが。『Wii Sports』では更に踏み込んで、“自分の顔(Mii)を選ぶ”と極限まで分かりやすくしているところがポイントです。これが“ワープロ文字で無機質に書かれている自分の名前を選ぶ”だったら、両作品ともここまで“ユーザー層の拡大”に成功しなかったんじゃないでしょうか。
 それに加え、『Wii Sports』でセーブデータを消すためには、似顔絵チャンネルでMiiごと消去する必要があります(『脳トレ』や『常識力DS』でもセーブデータを消すボタンは非常に面倒臭いところにある)。『Wii Sports』を遊んでいる分には、誤操作でデータを消去してしまうことはありえないんですよね。
 Miiに記録されるのは熟練度、ハイスコア、トレーニングモードのメダルくらいですが・・・ゲームをやってこなかった人にとって、毎日遊んで熟練度が上下するだけでも新鮮な興奮があるようです。


 プレイヤー=Miiとしただけじゃなく、セーブデータ=Miiとしたことによって“ユーザー層の拡大”に成功した『Wii Sports』―――まさに任天堂の“Touch!Generations”の集大成とも言える作品となったと思います。




 ○ 振る楽しさ“だけ”を突き詰めた「テニス」
 ここからは各種目ごとに簡単な感想でも記しておきます。
 まず、「テニス」―――最も簡単で、ある意味では最も複雑なゲームかも知れません。

 このゲーム、全くボタンを使いません。操作はリモコンを振るだけ。サーブ時にAボタンでトスを上げることも出来ますが、リモコンを上に向けることでもトスは上がるのでゲーム中は全くボタンに触れなくても良いんですよ。『脳トレ』ですら、トレーニング中断にはスタートボタンを押す必要があったのに。
 「リモコンを振るだけ」と簡単に書くのも恐れ多いくらい、“どう振ったのか”を検出するシステムが細かいです。「過去のスイングは二度と出来ない」かどうかを判断できるほど、僕は自分の肉体の動きを感知できないのですが―――他人のスイングを真似て操作しようとしても、自分なりのクセが入ってしまうというのは僕でも分かるくらい。
 このテニスの細かさに慣れてしまうと、「ゴルフ」や「ボクシング」で大雑把な検出しかしてくれないことに腹が立ってくるほど。この辺は『カイ氏伝』さんの「今さらWii Sportsプレイレポート」にも書かれているんで、参考に一読あれ。


 そして、皆さんが議論するであろう“移動がオート”であることについて。
 結論から言えば、僕はオートで大正解だったと思います。界王さまの上に大界王さまがいて、その上に界王神さまがいて、更にその上に大界王神さままで出てきちゃったよオイってくらいでは大正解だったと思います。
 Wiiリモコンの十字キーで操作するとすっぽ抜けの可能性がありますし、ヌンチャクを使わせると人数分集めるのが大変になります。何より、ゲーマーが思っている以上に「アナログスティック」って非ゲーマーに「こんなの私には使えないよ・・・」と認識されていますからね。「ボクシング」やるためにヌンチャク付けただけで、「(アナログスティックを指して)何これ?こんなんムリ?」と騒ぎ出しますから。
 非ゲーマーだけじゃなく、僕もそうです。『ゼルダ』で真っ直ぐ歩けずに溶岩にダイブしまくった僕が、アナログスティックでキャラを動かしながらラケットを振るなんて芸当が出来るとは思いません。何より、移動を気にしてたらリモコン振る楽しさがどっか行っちゃうじゃないですか。

 と・・・言ったくせになんですが。そんな僕でも移動がオートなことに腹立つことはあります(笑)
 基本的には前衛も後衛も一人でプレイしなくてはなりませんから、前衛がボレーを空振りしても後衛で返せればいいやと思うワケです。でも、僕が“前衛をボレーさせようとした”スイングで、既に後衛は何もないところへダイビングしていてボールに追いついてくれません。
 熟練者同士で対戦する時は、如何に“前衛が届かないボールを見送るか”が勝敗の鍵となるようです。ラケット振るのが楽しいテニスゲームで、ラケットを振らないことが勝敗を左右するというのも皮肉なもんですが。


 この「テニス」はプレイヤーとコンピューターとの組み合わせが選べるので・・・競技は2vs2のダブルスだけですが、自分一人で前衛・後衛をやっても良いですし、友達と組んでも良いですし、コンピューターと組んでも良いのです。そういう面では遊びの幅は広く、前衛・後衛の動きに腹が立つならコンピューターと組むのも楽しいんですが―――コンピューターと組んでコンピューターと戦うと、何故か熟練度が下がっていっちゃうんですけど・・・



 ○ 160km/hも軽々超えてくる「ベースボール」
 『Wii Sports』に入ってる種目はどれも賛否両論はあるだろうと思いつつ、それぞれの種目はそれ以上の魅力を持っていると思っています。種目ごとに順位をつけるのが難しいくらい。ただ・・・この「ベースボール」だけは他の4種目に比べて落ちるかなー。不満点の方が目立つ種目となってしまいました。

 まず、“なかなか打てない”こと。
 熟練度の低いコンピューター戦ならともかく、対人戦では初心者同士でもなかなかヒットが出ません。タイミングを合わせるのが難しい上に、球種が4つもあるんですもの。その上、手首を使えば簡単に剛速球が投げられます。最終回が3回までという短さもあるので、チャンスらしいチャンスを作れないまま試合が終わってしまうことも多々。
 タイミングさえあえばホームランは出やすいですが、ラリーだけは延々と続けられる「テニス」やガーターの出にくい「ボウリング」と比較するとシビアなゲームだと思います。これをリアリティと割り切れれば良いんですが、みんなで集まってワイワイ遊ぶにはヒットがバカスカ打てた方が盛り上がるんですよね。

 次に“走塁・守備がオート”なこと。
 これに関しては僕は半分賛成・半分反対といった印象で、誰にでも操作できる野球ゲームを目指す上でオートにしたのは納得です。『パワプロ』なんかも投球と打撃はそれなりに練習してなくても出来るんですが、走塁と守備は練習してないとさっぱり出来ず、持っている人とは勝負にならなくなっちゃいますからね。
 ただ・・・オートにするがあまり、走塁・守備の概念が機械的になってしまったのが残念。エラーや守備のファインプレーがあるんだから、ダブルプレイだとか走塁のファインプレイとかの概念も入れてもらいたかった。自分で操作できなくて構わないから、ボールがフィールドに落ちてからもちゃんと野球して欲しかったです。キャラがMiiなんだから、それを眺めているだけで十分楽しくなったはずじゃないですか。

 バットを振る楽しさはなかなか打てないジレンマにかき消され、それなのに「打撃」と「投球」しか出来ないゲームというのが・・・なんだかチグハグな印象です。任天堂らしい「細かさ」と「バカバカしさ」の両方を欠いてしまったゲームだったというか・・・



 ○ ベスト・オブ・「ボウリング」ゲーム!!
 ・・・って、他にボウリングのゲームなんか知らんけど。

 最初に僕は『Wii Sports』は完成度の低いゲームだ云々と言ってきましたけど、この「ボウリング」に関しては文句の付けようがないです。これに「10フレームは長い、5フレームにしてくれ」と文句をつけるのは、ボウリングのルールそのものに文句を言ってるようなものですからね。それくらいリアルなボウリングっぽくて、でもゲームらしい部分も多々入ってる種目となっています。

 ボールを投げる動作はWiiリモコンを振りかぶりながらボタンを離すというもので、この時の手首の角度でカーブがかかったり、ボタンを離すタイミングでボールが浮いたりしちゃいます。この操作は非常にアナログで、“現実に近い”印象を受けます。ボウリング場のボールは穴と指のサイズが合わないのでカーブがかかりにくいのに対し(マイボールは別)、こちらは些細なひねりでカーブがかかってしまうので、現実以上という気さえします。
 だからと言って、現実そのものかというとそうでもなく―――投げる際の立ち位置や角度は、予め十字キーで決めておかなければなりません。このアナログ+デジタルの入力方法が、ゲームらしい程好いバランスなのです。これ以上アナログでも、これ以上デジタルでも、「じゃあ、ボウリング場に行けば良いじゃん」という気になってしまっていただろうなという程好いバランス。


 ゴルフや野球のゲームに尻込みする女性も、ボウリングは結構馴染み深かったりするそうですし。1つのリモコンで4人まで遊べるというのも接待ゲーム向きでしょう。1人で遊び込むには「壁避け」や「スペアゲット」などのトレーニングメニューも面白いですし。ボウリングゲームなんて他に知りませんが、正直これ以上のボウリングゲームは想像がつかないというほど完成された「ボウリング」ゲームになっていると思います。



 ○ 岩田社長リスペクト?「ゴルフ」の再来
 世間の評判に反して、やたらと個人的に気に入ってるのがこの種目。
 確かにリモコンの感度は良くないと思うし、“思いっきりかっ飛ばせない”仕様にされたのはどうかと思います。結果はどうあれ、他の4種目がリアル競技をゲームとして落とし込んでいったのに対して、この「ゴルフ」はゴルフゲームをWii仕様で作っていったような気さえします。非常にゲームっぽいゲームなんですよね。

 全9ホールという少なさもあって、ゴルフゲームを楽しみたいなら『パンヤ』のような本格的なものを選んでおけば良かったかなと思いつつ、そちらを先に遊んでいたらコッチは物足りなかったろうなーと感じます。(『パンヤ』は『パンヤ』でPC版と比較するとアレという声を聞きますが)


 でも、僕は結構好きなんですよ。9ホールを3ホールずつ遊べるという親切さや、2ボタンを押しながら始めることでゲージやマップを消してしまうという“遊びこみ”が出来るというのも好きな理由の一つなんですが・・・

 単純に3Dのホールを回れるというだけで楽しい。

 こういうことを書くと「出たよ、ジジイゲーマー」と言われるでしょうが、僕が本格的に遊んだゴルフゲームは『マリオオープンゴルフ』(91年発売)以来でした。だから、単純に3Dのホールというだけで感動しましたし、自分が打った方向によって背景が変わるという当たり前なことでも凄いと思ってしまいました。


 加えて、この「ゴルフ」のホールはファミコン版『ゴルフ』(84年発売)の全18ホールから9ホールを選んで3D化したものとなっています。『ゴルフ』は現在の任天堂社長である岩田さんがプログラミングしたという名作ゴルフゲームで、ゴルフゲームのシステムを20年以上前に完全に作ってしまった作品です。ウィキペディアによると、約246万本を売り上げて“日本で最も売れたスポーツゲーム”らしいです。
 ジジイゲーマーを自負する僕でも「だからといってそれ(=ファミコン『ゴルフ』の再現)を喜ぶ人なんかいるのかねー」と言っていましたが、最終ホールの島を転々とする様を見た瞬間、懐かしさで感激してしまいました。どうせならバーチャルコンソールと連動させるなりで、ファミコン版の『ゴルフ』もダウンロードさせてくれれば良いのにね。



 ○ 5歳児でも大ハシャギする「ボクシング」
 果たして完全な意味での“子どもからご老人まで遊べる”テレビゲームなんてものが存在するのか―――全世界で4000万本売った『スーパーマリオ』ですらそれは不可能だったと思います。ゲーム業界に革命を与えた『脳トレ』ですら、脳年齢の最高値が20歳であるように、子どものそれまでをカバーすることは出来ませんでした。(『やわらかあたま塾』は子どもでも出来そうだけど)

 その意味で言えば、この『Wii Sports』は真に“子どもからご老人まで遊べる”ゲームなのかも知れません。
 反射神経を使わない「ボウリング」がご老人に受けているのと同様に、この「ボクシング」は幼稚園児相当の小さな子どもでも大ハシャギしているという話をよく聞きます。日本での発売前に、ユーチューブでアメリカの小さな女のコが「ボクシング」を楽しんでいる様子がアップされて話題になったことがありましたものね。


 とは言え、このゲーム・・・やたらとパンチを連発すれば勝てるというゲームでもありません。
 むしろパンチの検出にはイライラさせられることの方が多くて、フックを撃ったつもりでも敵のガードする場所にアホみたいにストレートが出てしまうことが多々ありました。加えて、どうやらパンチを喰らうと一瞬操作不能になる仕様らしく(ボクシングだから当然なんですけどね)、自分は撃っているつもりなのにパンチが出ないでボコボコにされてしまうと「なんだよー!」と文句を言いたくなってしまうのです。

 なので、このゲームで勝つためには自然とアウトボクシングの必要が出てきます。左右に動きながら相手の直撃を喰らわず、相手のパンチの隙をついてカウンターを合わせていくという勝ち方です。やたらめったら敵に突っ込んでいきたい人にとってはジレンマでしょう。

 僕は買ったその日以降「ボクシング」の対人戦はほとんどやっていなくて、コンピューター戦ばっかりやっていますからそれでも相当楽しいですが・・友達が遊びに来た際に、二人とも左右にゆらゆら動きながらカウンター狙いに徹していたら何か虚しくなりそうですよね。「ベースボール」もそうだけど、もうちょっとバカなゲームにしても良いのになーと感じてしまいました。


 それと・・・他の4種目以上に、自分とプレイヤーキャラが一致するゲームだとも思うので。テレビ画面の大きさと、こちら側のスペースによって面白さが変わるゲームとも言えるでしょうね。僕としては凄く楽しんでますけど、万人がこの環境を用意出来るとは思いませんし、一人暮らしの方はやっぱりキツイかなー。




 ○ 総評
 何だか・・・いつものパターンで申し訳ないんですが、このゲームは『脳トレ』と同様に家族が一緒にやりたがっているなら買いだと思います。色々と文句や不満点を挙げてきましたが、対人戦ではさほど気にならないことだと思います。4800円でこれだけワイワイ遊べれば元は取れるんじゃないかと・・・
 ただ、一人でプレイすることが確定しているなら微妙かも知れませんね。一人暮らしでも頻繁に友達が遊びに来てくれるなら問題はないでしょうが・・・最悪なパターンというのが、家族と同居してるけど家族は全く興味がない状況。家族を巻き込めずに一人でリモコン振り回していると、哀しくなってしまいそうです(笑)。まー、僕は従来型のコントローラの方が家族の前じゃ恥ずかしくてゲーム出来ませんけど。


 そして・・・それ以上に厳しいのは、こちら側のスペースの問題も考えねばなりません。
 テレビの大きさは「ボクシング」以外はさほど気にならないと思いますが、物や人にぶつかりそうならばリモコンを思いっきり触れませんから、ちっとも楽しくないかも知れません。一応、小さく動かすことでも検出はしてくれますが、それはやっぱりオススメできないです。


 結論:僕は楽しかったけど、賛否両論真っ二つだっただけの理由はあると思う。


Wii Sports Wii Sports
Nintendo Wii (2006/12/02)
任天堂

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