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アマチュアの自分が思う、プロの漫画家がバケモノなところ

 mixiにもチラッと書いたことなんですけど、先週火曜日のバツラジ(TBSラジオ)での堀井憲一郎さんの「野球日本代表は五輪で何故惨敗したのか」という話が凄く面白かったです。

 堀井さん曰く、「プロ野球選手とは地方興行を続ける旅芸人一座」とのこと。
 彼らに第一に求められているのは「技術」ではなく、1年間140前後の試合で「見世物であり続けられること」だそうで。そのため、1年間しっかりと野球を続けられる体(体力)かどうかが基準になるとのことです。

 言われてみれば……
 喩えば、夏の甲子園で大活躍したような選手であっても「この体じゃプロでは通用しないな」なんて言われる選手は毎年出ていますし、逆に高校時代は全国大会に縁のなかったような選手が高卒ルーキー1年目から大活躍するなんてこともあるんですよね。


 アマチュア野球(高校野球など)で必要な「トーナメントを勝ち上がる能力」と、プロ野球に求められる「1年間見世物になり続けられる能力」は全く別のものであって。そんな旅芸人の一座が「勝つ能力」を求められている五輪に出向いちゃえば、そりゃ玉砕されるのも分からんでもないなーと思いました。

 もちろんプロだって「技術」や「勝つ能力」が低すぎると観客が入らないから共通する能力も沢山にあるんでしょうけど、最初から目指しているものが違う人達を呼んで出来ないのは仕方ないというか。


 まぁ……そうは言っても、男子サッカー金メダルのアルゼンチンとか、男子バスケ金メダルのアメリカとか、プロのスター軍団を揃えて優勝している競技も沢山あるんですけどね!!


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 さてさて。こっからが今日の本題。
 これって漫画描きにも言えることですよね。

 漫画描きの場合は「プロかアマか」というよりは「連載か読みきりか」という区分けの方がしっくり来るような気もしますが……絵やストーリーのクオリティ以前に、連載を持っているプロの漫画家なんて僕からしてみれば全員バケモノですよ。

 僕の例はあまりにレベルが低すぎるとしても……
 喩えば、アマチュアの同人作家さんでも「ムチャクチャ絵上手ぇ!」「ストーリー構成も見事!」「そして何よりエロイ!(笑)」と思う人は沢山いますし、逆にそういう“アマチュアの凄い人”と比べると見劣りするプロの漫画家さんだって正直います。ですが、それはアマチュア野球とプロ野球で求められる能力が違うのと同じことで―――


 「19ページを1週間で仕上げる」ことは、死ぬ気になってしまえばアマチュアでも出来ることだとは思います。(僕にはムリだけど)奇跡のようなスピードで原稿を仕上げたという同人作家さんの逸話はよく耳にします。
 ですが、そんな人達だってそれを毎週・毎月ペースで出来るかと言われると、非常に難しいと思うのですよ。1本仕上げたらまた次の仕事が始まっているのがプロの連載漫画家。連載が終わらない限り、延々とレースを走り続けなければならない。それこそがアマチュアの漫画描きと、プロの漫画家を隔てる壁なのです―――


 それは「体力を持続させられるか」もそうですし、「モチベーションを維持できるか」ということもそうでしょう。「アイディアを次々と出せるか」とか、スケジュールのために「アシスタントを使いこなせるか」みたいな能力も必要になるでしょうし、そうなると「事業」としての側面も出てくるでしょうし、「商業作品として求められているものを作らなきゃならない」などの枷も生まれてきます。

 アシスタントに関しては月刊誌では使っていない作家さんもいますけれど……
 連載を抱えているプロの漫画家さん達は「漫画を描く」能力だけではなく、上に述べたような能力をフツーに持っているワケで。その時点でバケモノ集団なんですよ。



 もちろん、高校野球の時点で「その体じゃプロでは通用しない」と言われた選手が大学・社会人野球で体を作ってプロ野球選手になる例は山のようにあるのと同様に、アマチュアの同人作家さん達もプロになっていく過程でそうした能力を得るケースも山のようにあるのでしょうが―――

 「プロの漫画家の凄さ」って単純な「絵」や「ストーリー」だけじゃないんだよなぁと改めて考え、気が遠くなったりしました。


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| 漫画作成 | 18:18 | comments:10 | trackbacks:2 | TOP↑

COMMENT

つまり冨樫先生はプロじゃないってことですよね(笑

| ああああ | 2008/09/02 22:09 | URL |

冨樫先生だってデビューする前に週刊連載ペースで漫画描いてたんだぜ。
プロに必要なスキルだからってな。

それが今じゃ・・・。
まあ近いうちに連載再開するらしいですけど。

| ああああ | 2008/09/02 22:52 | URL |

冨樫は別の意味で化け物だよな

| wWw | 2008/09/03 01:31 | URL |

富樫よりもペースが遅い萩原も・・・
連載進まないのに完全版出したり同人頑張ったり巻末で体調不良をうったえたり・・・

| GXDV | 2008/09/03 12:21 | URL |

バスタードは同人で続き書いた上に単行本になる連載の方は同人の続きで話すっとぶとか言うふざけたマネをした事で冷めた。富樫センセのがずっとましだ。

| kkrk | 2008/09/03 13:15 | URL |

速すぎだろ・・・

そんなバケモノだらけのなかでも鈴木央はさらのバケモノ。
今金剛番長を書いてる鈴木央はジャンプ時代ほぼ1人で漫画を書いてかつ週休二日だったんだぜ!週間連載で2日余るってどんだけ速いんだよ!
現在は嫁さんと二人で書いていて1ヶ月以上の原稿ストックがあると言う状態。おまけにバックステージと言うサンデーのHPの一言コーナーのコメントも1ヶ月先まで書いていると言う。他にもサンデー連載中救急車で運ばれても原稿の締め切りを守ったり本当に凄すぎる。

| かめ | 2008/09/03 17:43 | URL |

>ああああさん
 いやまぁ、「週刊誌」という枠組には収まりきらない人であるのは確かです(笑)。
 ジャンプ以外では「何週休んで何週描いてー」みたいなのはよくあることだから僕は気になりませんけど……そんな中でも「売れる漫画」をしっかり描ける冨樫先生は凄いと思います。セルフプロデュースの上手さというか。


>ああああさん
 へぇ……そのエピソードはなかなか興味深いですね。
 冨樫先生って多分「すっげーマジメ」だと思うんですよ。「マジメなら毎週ちゃんと描くだろ(笑)」と思う人もいるでしょうけど、要は優先順位の問題で、「納得がいかないものを載せるくらいなら載せない方が(ネームの方が)マシだ」という人なんだろうと思うのです。

 その「連載前から週刊ペースで描く練習をしていた」というエピソードも、物凄く「すっげーマジメ」な彼の性格が見えるというか……


>wWwさん
 彼よりも遅筆な人や未完成原稿な人もいるのに、「遅筆と言えば冨樫!」みたいな認識をされる辺りが凄いことだと思います。


>GXDVさん
 というか、『ハンターハンター』はちゃんと続いているし、後から単行本で読み返してみると「このシーンは(数年後に再開される連載の)ここの伏線になっていたのか!」と分かったりするし……誰よりもプロらしいとは思うんですけどね。

 それはまぁ、僕が冨樫漫画の信者であるとともに、もうジャンプ本誌を読んでいないということも大きいんでしょうが。


>kkrkさん
 僕は『バスタード』をほとんど読んだことがないので(親父は集めているけど)、ストーリーが飛ばされているということを全く知りませんでした。確かにそれは「プロとしてどうなんだ?」と思ってしまう話ですね。
 何も知らずに単行本を集めている親父がちょっとかわいそうに思えてきました……


>かめさん
 鈴木先生は確かにバケモノ。
 「週刊連載を一人でやる」なんてことは常識的には不可能なんですけど、そういう不可能なことをやってしまわれると周りが困りますよね(笑)。

 それ言うと『Dr.スランプ』時代の鳥山先生とかもアシスタント一人で、「テレビ観ながら描いている」とかで何じゃそりゃああ!とか思いましたっけ。ネームの時点で下描きを描いちゃうから、ボツくらうとまた下描きをササッと描いちゃうとか。どんな天才なんだよとあきれ果てたことがありました。

| やまなし(管理人) | 2008/09/03 20:53 | URL | ≫ EDIT

バスタードは望んで、同人で続き出したわけじゃないらしいですよ
詳しくは萩原一至のwikiにありますけど、話がすっ飛んだのは、増刊から週刊に呼び戻される過程で、8割方完成してた箱舟編の原稿は破棄して、週刊で読み始める読者にあわせて新章から始めてくださいとかってことになったらしいです。事実なら、ストーリーぶつ切りの責任の多くは編集側でしょう。

ま、あくまでwikiと18巻の巻末の引用ですから、何処まで本当かは解りませんけどねw

| zzzz | 2008/09/04 20:59 | URL | ≫ EDIT

萩原の場合は、自分の原稿を放置して時々他の作家のお手伝い(遊びに)に行っているという
もはや自分の原稿を書く気が無いんだよ

| さんま | 2008/09/04 22:39 | URL | ≫ EDIT

>zzzzさん
 なるほど。
 真偽のほどは定かじゃないですけど、「どうしてそんなことしたんだろう?」という疑問からすると納得ではあります。個人的には「でも、雑誌移籍するからには新章から始めて欲しい」という編集さんの気持ちも分かるんですけどね。

 なんつーか……全ての運が悪い方向に向かってしまっただけというか……
 どうしようもないことってありますからね。


>さんまさん
 まぁ、気分転換も大事ですし………
 そういう「気分転換」も兼ねて、どうモチベーションをコントロール出来るのかというのがプロの力という気はしますが。

| やまなし(管理人) | 2008/09/05 21:15 | URL | ≫ EDIT















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