やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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漫画の打ち切られ方―――作品としての理想、雑誌としての理想

 ネタも時間もないので、今日はいつもにも増して軽い雑文です。


 この9月、僕が5年間毎日(月~木)聴いていた『バツラジ』というラジオ番組(TBSラジオ)が終了します。しかも打ち切り。
 聴取率の数字は分かりませんけど、宮川さんの番組は「数字は良くてもスポンサー(CM)が付かない」とプロデューサーがネタにしているくらいなので、人気とはまた別の問題があったのかもなーと思いました。もちろん聴取率の話題が減っていたので、数字も落ちていたんでしょうけどね。


 さてさて……
 番組終了1ヶ月前から「終わる」ことを告知できている状況なので、現在のこの番組は「どうせ終わる番組なんだから」と結構なぶっちゃけ話が繰り広げられています。その中でも特に興味深かったのが……


 「打ち切りが決まっている番組のスペシャルウィーク(聴取率調査週間)ってどうなの?」
 「数字取りすぎても、10月からの新番組が比較されて可哀想だよね
 「よし、じゃあ“ほどほど”の数字を目指しますか」



などなどの発言。面白おかしく「上からの発言」風に濁していますが、確かに言われてみると「終わる番組の聴取率を調べてどうするんだ」とは思いますし、ここで頑張ることが「あんなに面白かったバツラジを終わらせた割に、新番組はイマイチだな」と繋がりかねない危ういバランスになっていることに気付きます。


 「10月にPSPの新型を出します!」と発表されたら、今の時点で店頭にあるPSPはどうなっちゃうの?みたいな……(むしろ新型が出る前後に、現在の型は値下げして売るしかなくなるから狙い目かも……)こういうことってどんな分野にもあることなのかなーと思ったりもしました。




 ちょっと思い出したことが……
 まだ僕がジャンプ感想をやっていた数年前、普段は礼儀正しい応援メールを下さっていた人が一度だけ「○○(=その人が大好きだった作品)が打ち切られて、××(=その人が好きではなかった作品)みたいな漫画が生き残っているのが許せない」という感情むき出しのメールを下さったことがありました。

 その行為自体はその人にメールを返信して落ち着いたんですけど……

 その際に、ちょっと思ったんですよ。
 その打ち切られた作品を描いていた作家さんは「面白いものを」と最善を尽くしただけなのに、結果としてその媒体(=この場合は少年ジャンプ)に対して負の感情を持たれることがある……と。


 打ち切りが決まってから最終回までに何話与えられるのかには諸説ありますし、状況によって違うと思うんですけど―――ほとんどの作家さんは、その与えられた話数で「少しでもイイ結末を」「ファンを悲しませないように」と精一杯のまとめをすることと思います。
 打ち切りだったとしても「良い結末だった」と思ってもらえれば、ファンも次の作品を期待してくれるでしょうし、次の仕事にも繋がりますからね。何より、作品にとっては打ち切られたかどうかなど関係なく、単行本として形に残り続けるワケですし。


 しかし、雑誌とすれば「あんな作品は打ち切って当然だ」「よくぞ打ち切ってくれた」と言われるような終わり方をしてくれた方が、次の週からの新連載にとってプラスになるのかもなーとふと思ったんですよ。

 いやまぁ、実際にそれを狙った人なんていないんでしょうけど……
 「○○が打ち切られてから、その雑誌を読むのやめたよ」という人が無数にいることを考えると、“理想の打ち切り”って作品にとってのソレと雑誌にとってのソレが違うのかも知れないと思ったのです。

 何を主体に見るかで、何に価値が出るのかも変わる……という話。


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| 漫画読み雑記 | 18:28 | comments:15 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

人気がないのは仕方がないが

人気があったのに打ち切られた作品なんかがやるせないですよねえ。雑誌のカラーに合わなくなったとか、スポンサーの都合とかドラゴンクエストモンスターズ+とかゾイドとか

| かめ | 2008/09/06 22:29 | URL |

漫画家としてはファンが雑誌に怒りを向けるくらい素晴らしいまとめ方をするのが正しいことだと思います。打ち切りだからって伏線投げっぱなしシャーマンキン…じゃなかったジャーマンスープレックスみたいなことをする漫画家は次回作を読みたいとは思わないです。

| ああああ | 2008/09/07 01:35 | URL |

>>ああああさん

いやスープレックスされたのは作家の方も同じで、単に纏める話数が無かっただけかと・・・
某格闘テニス漫画も最後は酷かったですし。

個人的にはピンポン何かは打ち切りの中ではかなり綺麗に終わったとは思いますが、
それでも色々と回収し切れていない複線があるような・・・

| 通りすがり | 2008/09/07 02:06 | URL | ≫ EDIT

実際、打ち切りの作品より、新連載の作品が
面白ければ、問題無しなんだけれど、、、、。

人気があっても、編集長の偏見で打ち切り。
ライバル誌を真似た作品を、もってくるため、
そこそこ人気あっても打ち切りしちゃう雑誌社。
スポンサーに(以下略)

そりゃあ、読者も呆れますよ。
それに、どんな最終回でも、「打ち切りで終わったんだな」と分かれば、

>雑誌とすれば「あんな作品は打ち切って当然だ」「よくぞ打ち切ってくれた」と言われるよ>うな終わり方をしてくれた方が、次の週からの新連載にとってプラスになるのかもな

と、思いませんよ。
(事情が分からなければ、そう思うかも)

打ち切りじゃないけど、デスノートは、あれくらいで終わって、良かった。
と思いますね。
終わり方に、賛否両論がありましたが。

| かめのこ | 2008/09/07 03:11 | URL | ≫ EDIT

テニスがひどい終わり方とはどこを見て言っているのかな
特定の作品叩きはOKな場所なのですか

| ああああ | 2008/09/07 04:56 | URL |

雑誌に「よくぞ打ち切ってくれた!」と思ったことはないですね。「やっぱり打ち切りかよ。こんなの最初から連載するなよ!」とはよく思います。

| ああああ | 2008/09/07 09:12 | URL |

編集者は神ではない

| ああああ | 2008/09/07 17:41 | URL | ≫ EDIT

>かめさん
 4番バッターだけを集めても野球では勝てないように、人気のある漫画だけを集めても雑誌は売れませんからね。人気があっても打ち切られてしまう作品があるのは、商業漫画が雑誌連載→単行本化という流れを続ける以上は仕方ないのかなーと最近は思うようにしています。

 それでも、好きな漫画が打ち切られてしまうのは切ないのですが。


>ああああさん
 確かにその通りです。
 同じ「打ち切り」であっても、キレイにまとめようという努力によって株を上げる作家さんは大勢いると思います。もちろんちゃんとまとめられるかどうかは、ストーリーの進行具合と与えられる話数次第ではあるんですけどね。

 個人的には、この記事の最後にアフィを張った『武士沢レシーブ』最終回は「打ち切られたけど、やっぱりうすた先生は凄いなぁ」と思うラストでした。それが次作への期待に繋がったのは言うまでもありません。


>通りすがりさん
 テニス漫画の最後とピンポンは僕は読んでいないのでスルーするとして……
 「まとめる話数」に関して言えば、編集者サイドへの同情もあったというのが個人的な気持ちですね。「残り3話でまとめてね」が無茶だったとしても、「残り10話でまとめてね」と言ってもあの状況じゃ大して変わらなかったと思いますし、予め「あと1年でまとめてね」と言っておけなかったのが後の祭りだったのかなーと。

 この辺は関係者にしか分からないことですから、推測ですけどね。


>かめのこさん
 個人的には、売れる雑誌を作るためにはある程度の「打ち切りシステム」は必要かなと思います。売れ線の作品を始めさせるのも売れる雑誌を作るためには理解が出来るし、「漫画家は作品を作り、編集者は商品を作る」というバランスがあるから商業漫画は成り立っているのだと考えます。

 打ち切りシステムがなくて、人気のある長期連載作品ばかりになってしまうと新規読者は入ってこれませんからね。

 まぁ……なんでしょう。
 たかが打ち切り、されど打ち切りというか。打ち切り一つとっても、色んな人の色んな思惑が絡んでくるから面白いんだと思いますよ。


>ああああさん
>特定の作品叩きはOKな場所なのですか
 仰る通り、コメント欄に火種は持ち込んで欲しくはありませんけれど……色んな人がいるのだから「嫌いな人もいる」というのは仕方がないと思います。もちろん、色んな人がいるのだから「好きな人もいる」ことも想像して、言い回しに気をつけてもらいたいとは思いますけどね。

 ちなみに僕はその漫画のラストは読んでいないのでコメントのしようもありません。


>ああああさん
 確かにそっちの方が思うことは多いですが(笑)
 「最初は物凄く面白かったのに、進める方向を間違えてしまった」作品なんかは、いっそのこと打ち切ってしまって次のチャンスを与えた方がイイのでは?と思うこともあります。


>ああああさん
 その通りです。
 だから、間違えた行動をとることもあるのです。

| やまなし(管理人) | 2008/09/07 20:17 | URL | ≫ EDIT

>個人的には、売れる雑誌を作るためにはある程度の「打ち切りシステム」は必要かなと思います

私も思ってますよ。
だけど、打ち切り事情が、”同じスポーツの漫画が被るから、そこそこ人気あるけど、打ち切り”
無論、もっと人気無い作品あっても、被る方を打ち切ってしまう。

たしかに、ギャグあり、スポーツ漫画ありと雑誌一つで
バランスよくしないと、駄目なんですが、
作品が駄目じゃなく、商売として打ち切ってしまう姿勢が、嫌だと。

まぁ雑誌が廃刊になるよりは、マシなのかな?
(廃刊になっても、筋肉番長みたいに同人誌で描いてくれると、助かりますが)

| かめのこ | 2008/09/07 22:45 | URL | ≫ EDIT

毒狼って漫画があるんですが、それがまさに「理想の打ち切り」でしたよ。
ここで言う意味とは違いますが。
 
主人公がS学会に復讐するって話しなんです。
話の当初は、社会に食い込んだS学会信者と対決する話しだったのですが、途中から大きく路線が変わり、刑務所での異形相手のバトルが始まります。
それでもまた話しが盛り上がってきた所で、唐突に打ち切りになります。
 
それはもう誰でも打ち切りだとわかる、見事な打ち切りでしたよ。
その打ち切りが、読者をガクブルさせるというか。
打ち切り自体が演出の手法として成立しているんですよ。

| AL | 2008/09/08 10:46 | URL |

>かめのこさん
 うーん……まぁ、気持ちは凄く分かるんですけど。
 そもそも僕は「人気のある/なし」って数値化できるものじゃないと思うんですよ。数値化する場合はアンケートとかで「面白かった作品」に入れた人の数とかにするんでしょうが、それだと「面白かった!」と言うほどでもないけれど「良い箸休めになった」作品が評価されないというか。

 「打ち切りシステムは必要」だと思うのだけれど、「人気のあるなしだけで打ち切り作品を決めるのには反対」というのが、雑誌目線で考えた場合の僕のスタンスです。
 ですけど、作家目線とか読者目線で考えた場合は「そんな理屈抜きで打ち切られたら腹立つ」んですけどね(笑)


>ALさん
 うわぁ……コメントしづらい作品ですね……
 ネットの記事なんかでも「数日後には記事が消えている」「サイトすら消滅してしまった」なんて例がありますけど、それを演出に使用してしまった作品なんですかね。

 誰が描いたんだか分かりませんが作者の安否が心配……と思い検索してみたら、猿渡先生ですか。流石にこんな大御所が消されるor干されたら世間も気付くでしょうし、そもそもこの後も普通に作品を描いていますし(笑)。とりあえず安心しました。

| やまなし(管理人) | 2008/09/08 20:36 | URL | ≫ EDIT

打ち切りシステムは確かに重要だと思いますが、これからと言う展開で政治的な配慮や社会的配慮、跡は編集者の意向、などで漫画をぐちゃぐちゃにされた後に打ち切りというのは、ファンとしてはなかなかなっとくできないぶぶんがありますね。

棒囲碁マンガとか棒パン作りマンガとか

これからと言う時に無くなったのはかなしいです

| ああああ | 2008/09/08 21:48 | URL |

>ああああさん

 パン作り漫画は実は読んだことがないので、囲碁漫画でイメージしてしまうのですが……あの漫画の場合、「打ち切ったこと」よりも「続けさせたこと」が編集サイドの意向っぽくて好きではなかったですね。第1部で終わっていたら伝説になっていた作品だったろうに……と(これが「漫画をぐちゃぐちゃにされた後」という意味ならば同意です)。

 ただまぁ、これは「打ち切り」論というよりは「メディアミックス」論なのかな?
 「どのタイミングでアニメ化されるとファンとしては幸せなのか」という切り口で記事を書いてみると面白いかも。

| やまなし(管理人) | 2008/09/09 20:47 | URL | ≫ EDIT

ジャンプにしろサンデーにしろ連載長期化で質が落ちた作品は多いですね。
打ち切りに関してはつい先日エヴァンゲリオンのような複線丸投げの最終回が描かれたのが記憶に新しいです。

| レト | 2008/09/13 20:06 | URL | ≫ EDIT

>レトさん

 ですねー。そういう意味もあって、実は僕は「大人気になって長期連載化された作品」よりも「短い巻で打ち切りを喰らってしまった作品」の方が好きだったりします。もちろん伏線が消化されないのは悶々としますけど、それもまぁ「終わらない物語」みたいで味があるんだと思い込むことにして(笑)

| やまなし(管理人) | 2008/09/13 23:14 | URL | ≫ EDIT















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