やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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教室の机って、描くのすげー面倒臭いよね

 ふと思いついた仮説。

 学園アニメの主人公は窓際後方の席が多い気がする……

 老いた記憶力を頼りにどんな作品が当てはまっていたかを思い出していくと―――
 『CLANNAD』の岡崎朋也の席は、教室の窓際後ろのカドっこ(その隣が春原)。
 『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョンの席は、窓際後ろのカドっこから一つ前の席(カドがハルヒ)。


 うむ、思いついたサンプルが2コしかない!(しかも記憶があやふや)
 この2つはどちらかというと“教室の中では異質な存在”として席が隅に追いやられている二組なので、単に共通の演出というだけな気がしますね。二作品とも原作があるアニメなので原作だとどうなっているんでしょうか?

 「後方」ということにこだわらなければ、「窓際」の席は結構多いんじゃないかと思います。
 『舞-HiME』もそうだし、『かみちゅ』もそうだったような。

 ……あんまり僕、学園モノのアニメを観ていないことに気付きました(笑)。アニメは漫画と違って「あのシーン、どうなっていたっけ?」と探すのが大変なので、仮説の裏づけが取れないのが苦しいですね。



 まぁ、その仮説が正しいかどうかは置いておいて―――
 自分がその仮説を思いついた際に、一番最初に思ったのは「あー、作画が楽だからか」ということ。

 学校の教室って描くのが凄く大変なんですよ。
 まず机がある。机には板があって4本の脚があって引き出しみたいな収納スペースがあります。
 次に椅子がある。椅子にも板があって4本の脚があって背もたれとかありまして。
 更にそれに座っている人がいる。一つの教室に20人~40人くらいの人がいるのだとしたら、机と椅子もその数だけ必要。描くのはもう地獄です。「お前ら全員、長机と長椅子で良いじゃないか!」と怒鳴りたくなります。



 しかし、それは「教室の全景」を描いた場合の話です。
 喩えば、『CLANNAD』の“岡崎朋也が授業を受けているシーン”を描く場合、朋也の机と椅子と人、その隣の春原の机と椅子と人、あとは描いてその前二人の頭部くらいで済みます。画面の大半は窓と、窓の下の壁と、教室の後ろのスペース(ロッカーとか用具箱)を描くだけでイイんですね。

 朋也の席が仮に教室の一番前の中央の席(教卓の真正面)だとしたら、画面に入ってしまう机と椅子と人は「教室のほとんど全部」になりかねません。十倍くらいの労力が必要になるのです。
 なので、アニメキャラの席は「窓際」「後方」が多いのでは?と思い立ったのです。思いついたサンプルが2コではありましたが。



 もちろんこれはセオリーというだけであって。
 『CLANNAD』の中にも『涼宮ハルヒの憂鬱』の中にも「教室の全景」が描かれるシーンはあることでしょう。でも、それは非常に労力を要するシーンになるので、多用しないような工夫がされた結果の「窓際」「後方」の席だったのではないかと。


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 一方、漫画の場合。
 アニメよりも更に少ない人員で作画しなければなりませんから……

 「学園モノの漫画であっても、なるべく教室のシーンを減らす」とか、
 「カメラの角度と高さを調節して、人物を胸から上のアングルで描いて“机は描かない”」とか、
 「どうしても教室の全景が必要な時は、そのコマを1コマか2コマに抑えるようにする」とか、
 「机や椅子を描く場合は、画面内に3~4つしか入らないように誤魔化す」とか、
 「そもそも机と椅子が4コ以上あったら教室に見えるんじゃね?と思い込む」とか(笑)―――

 様々な方法で“描かなくてイイものは描かないように”心がけているみたいです。これは恐らくネームの時点でちゃんと考えているのでしょう。
 僕は昔、このことを知らずに「授業が終わった直後の教室の全景を俯瞰で」というコマをネームに入れていて、実際に作画を初めて死ぬかと思ったことがありました。無知って怖いね!



 こういう話……実際に漫画を描かない人には「手抜き」と思われるかも知れませんけど。
 「手抜き」ではなく、「工夫」なのです。「技術」と言っても過言ではないかも。実際、“写真と同じように”机や椅子や人をゴチャゴチャと画面に描き詰めたからといって「それでその漫画は面白くなるの?」という話ですよ。面白くならないのなら、その労力を他のところに回すよ、と。

 作品を面白くするためには“描かなくてイイものは描かないように”することも大事なのです。



 と、ここまで描いてきたのは“手作業で”描く場合の話であって。
 背景作画にCGを使う作家さんの場合はそれほどネックにはならないのかも知れませんね。その辺は詳しくないので、これ以上は語りません。




 まぁ、要は「席順一つだって描く側からすると凄く重要なんだよ」という話です。


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| 漫画作成 | 18:05 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こんにちわ
机はたしかに大変そうですね~
窓から外(校庭)を眺めるシチュエーションも
重要な気がしますよね

| 金銀パール | 2008/11/11 09:19 | URL |

ネギま!とか絶望先生とかどうだったかな~。
両作品とも先生が主人公なので、教壇から教室全体を見渡すシーンが印象に
残ってますが、思ったよりもコマ数的にはそんなに多くないのかもしれない
ですね。
むしろキャラ多いのを良く描いてるな~という印象が強くて、机とかまでは
気にしてなかったです。

神のみぞ知るセカイだと、主人公の席は教室のほぼど真ん中にあります。
この作品は割と机が描かれる数が多いかも。

3作品ほどあげてみましたが、そういえばどれも作者が積極的にCGを取り
入れてる3作でした。
どこまでCG化してるかはよく分かりませんが、やはり手間を省けるところ
は省きたいものなんでしょうね。

| メルト | 2008/11/11 11:10 | URL |

学園ものじゃない「DEATH NOTE」の月の席もなぜかキョンと同じでしたね。
窓際である必要はあったわけですが。

| レト | 2008/11/11 14:03 | URL | ≫ EDIT

>金銀パールさん
 こんにちはー。
 「窓から外を眺めるシーン」はやたら多いですよね。そんなことを言っている僕も、今描いている投稿漫画にそういうシーンがありました(笑)。その演出意図は様々だと思うのですが(教室に溶け込めていないとか、学校の枠組みに収まっていないとか)、窓際の席ではそうした演出がされるのに廊下側には何もされないというのが可哀想です。


>メルトさん
 逆に言うと、僕なんかは「教師が主人公の漫画なんてよく描けるなー」と思ってしまいます。机の問題が何とかなったとしても、出てくる登場人物がデフォルトで何十人とかなるワケで……

 そう言えば、この記事を書き終わってから「あ」と思い立って『よつばと』の学校のシーンを確認してみたところ。たった2ページではあるものの、容赦ないくらいに机と椅子が描き込まれていて吹きだしました。あんなものよく描く気になるな!!
 まぁ、アシスタントがどれくらいいるのかとかいう話なのかも知れませんけど、ああいうのを見ると「『よつばと』なんて誰にでも描けるんじゃないの?」なんて死んでも言えなくなりますね。


>レトさん
 窓際じゃないと話が始まりませんからね(笑)
 プラス、授業に(というか毎日に)退屈しているという演出もあるワケで。あれが窓際以外の席だったら、「ヒマだから教科書でパラパラ漫画描いている」とか「友達に「この授業たるくね?」みたいなメールを送っている」といった描写になっていたのかも知れませんね(?)。

| やまなし(管理人) | 2008/11/11 23:21 | URL | ≫ EDIT

学園ものでも部活ものや大学みたいな講堂ものは違っている。

机が出てくる作品ではそういうのが多いか。「リリカルなのは」でのなのはの席や
「あずまんが」での席も端でなかったと思う

| とくもと | 2008/11/15 00:08 | URL | ≫ EDIT

>とくもとさん

 「主人公一人」の作品と、「メインキャラが教室に何人もいる」作品では違って当然でしょうね。全員窓際だとおかしな話ですし(笑)。
 『あずまんが大王』は漫画版しか観たことないんですけど、それこそ「如何に机を描かずに教室らしさを出すか」という工夫がされていた印象があります。「4コマ」漫画ゆえに、背景の細かさを求められていなかった(ので違和感がない)というのも大きかったような気もしますが。

| やまなし(管理人) | 2008/11/15 00:30 | URL | ≫ EDIT

「つぐもも」ってマンガはオマケページでそのことをネタにしていました。

| ナイネ | 2008/11/30 19:30 | URL |

>ナイネさん

 一度でも教室のシーンを描いたことがある人なら(僕みたいなアマチュアでも)分かることなんですけど、意外に“漫画を読むのが大好きな人”でも分からないことですからね。言ってしまえば楽屋ネタなんですけど、こういう話は読むのも考えるのも好きです。

| やまなし(管理人) | 2008/12/01 05:33 | URL | ≫ EDIT















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