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世界中がイチャイチャ姉妹ばかりになればイイのに
そのキャラの「中の人」とは誰のことなのだろう?
 僕がまだアニメヲタクになる前の話。
 知り合いに「ヲタクってのはキャラと声優を同一視しているからキモチワルイよな」と言われ、当時あまりアニメ文化に詳しくなかった自分は「そういうものなんだ」と思ったことがありました。
 今になって思えば、それは“アニメヲタク”ではなく“声優ヲタク”のことを言っていたのだと思いますし。“声優ヲタク”の方がむしろキャラと声優さんを別個に考えられると思うので、それは単にソイツの偏見だったのだと分かっています。

 だってさー、声優さんに詳しい方が「この人が演じたキャラは○○と××と△△と……」と認識しているワケで、どうやってその状況でキャラと同一視できるんでしょうか。声優さんが好きで声優さんのラジオを聴いたりすると、自分の言葉で喋っているのを耳にするワケで、キャラではない、その人本人の存在を認識してしまうじゃないですか。


 喩えば、僕は『かんなぎ』のつぐみが大好きですけど、つぐみの「中の人」たる沢城みゆきさんがラジオで沢城みゆきとして喋っているのを何度も聴いていますし、つぐみと沢城さんが全く別な思考を持っていることも知っています。
 沢城さんは「べ、別に好きでこんな服着ているワケじゃないんだからね!」なんて言いませんし、つぐみも監督にタメ口きいて「20も下のヤツにタメ口使われるとは思わなかったよ!」とか言われないと思います。

 声優さんは役者であって、キャラそのものではないですからね。
 最近の流行な話題で言えば、もし仮につぐみが非処女だったら僕は怒り狂った後に全ての記憶を消去しようと試みようとするだろうけれど、沢城さんが非処女がどうかなんてことには僕は心底興味がありません。


 まぁ、これは僕が声優さんを「役者」として観ているからで、アイドル声優を「アイドル」として観ている人というのはまた違ったことを考えるんでしょうけど……その場合も、キャラと声優を同一してしまう人ってごく稀じゃないかなーと思うのです。




 つーかさ。
 さっき敢えて「中の人」という言葉を使ったんですけど、アニメキャラに対して声優さんが関われるのって「声」と「演技」くらいですよね。「発する言葉」を考えるのは脚本家の仕事ですし、「表情」を考えるのは恐らく演出家の仕事でしょうし、実際に「顔」を描くのはアニメーターの仕事でしょうし、それらを「統括」するのは監督でしょうし、そうした「人材」を集めて予算編成をするのはプロデューサーでしょうし、そういった「日本アニメの雛形」を作り上げたのは手塚治虫先生でしょうし―――

 まぁ、後半は冗談ですけど(笑)、果たしてどこまでが「中の人」なのか?という疑問はあります。
 「俺が萌えているのはつぐみか、沢城みゆきか?」という疑問を持つのなら、「それとも、俺が萌えているのは脚本を書いている倉田英之なのか?」「原作者の武梨えりなのか?」「名前も知らないアニメーターなのか?」というところまで考えなければならないのでしょうか?

(関連記事:俺はアリンに萌えてるのか、川澄綾子に萌えてるのか



 喩えば、拙いながらも漫画描きの端くれである僕の話をすれば……僕の描く作品のキャラを好きだと言って下さる人もいるのですが、それは別に僕のことを好きなワケじゃないですよね。キャラは僕ではなく、僕はキャラではない。当たり前です。僕はプライベートでメイド服を着たりしません。

 それでも、最終的に台詞を考えるのは僕ですし、表情を決めるのも僕ですし、顔を描くのも僕です―――たった一人で作業を進める漫画においては、「中の人」は作者以外にはありえないのかも知れません。(その論理で言うと、つぐみの「中の人」は武梨先生になる)

 でも、やっぱりその考えは自分にはしっくり来ないんですよ。(漫画家の数だけ描き方があると思いますけど、)僕の場合、どっちかというと「降りてくる」感覚ですもの。台詞も表情も顔も。
 それを微調整したり形にするのは僕の仕事ですが、描き上がってみてようやく「コイツ、こんな顔してんだ!」と思うくらいですもの(笑)。出来上がった原稿を見て「コイツ、いい表情をするなー」とか。あ、これ、俺が描いたんだった、みたいな。




 なので、僕自身は「キャラはキャラ」だと思うのですよ。
 つぐみの「中」にはつぐみしかいないというか。

 「中の人」という言葉は一般的には「そのキャラを演じている人」という意味で使われているのでしょうし、それはそれで見事な比喩表現だと思うのですが―――つぐみは沢城さんじゃないし、倉田さんでも武梨さんでもないんだと思うのです。どっちかというと、つぐみの原型があって、漫画家やら声優さんやら脚本家やらがそこにペタペタと肉付けしていって“つぐみという一人のキャラクター”が出来ていくカンジ(もちろん漫画の時点で一旦は出来上がっているのだけど)


 なので、僕は「キャラと声優を同一視している」という人が本当に実在するのだろうかと疑問なのです。「キャラも好き、声優さんも好き」というのは凄く良く分かるけど、その二つは別にイコールではないだろうと。


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[記事URL]
この記事に対するコメント
アニメギガという番組に
平野綾さんが出演されていた時に、司会者の方から
この記事の内容のような質問をされておりました。

平野綾=涼宮ハルヒ

と思って接してくるファンもいるのではないか?
という趣旨の質問でしたが、
平野さんはそういうファンもいることを認めた上で、
ハルヒも間違いなく平野綾の一部、ある側面になっている
存在だから、そういうファンはそういうファンで構わない
と思っているという趣旨の、漢らしい?回答をされていましたよー。
【2008/11/21 18:55】 URL | aiba #7KtAgN3U [ 編集]

中=キャラを構成する要素、という解釈
>>アニメキャラに対して声優さんが関われるのって「声」と「演技」くらいですよね。

そこがキャラを構成する要素の中で一番重要じゃないかなー、と思ってたりします。
声オタ(重病)の自分的には。

なんせ、その他の要素を生み出す脚本・演出・作監は毎回変わる(持ち回る)ものですし。
監督が変わった例ってのはあまり知りませんが、らきすたの時は作風はともかくキャラには全くと言って良いほど影響を感じませんでしたし。
失礼な話かもしれませんが。

しかし声だけは違和感そうはいかないんですよ。
分かりやすく言えばドラえもん。
自分にとってドラえもんは大山のぶ代声以外の何物でもなく、水田わさびに罪は無いけれど、今のドラえもんは偽者にしか思えないんですよね。
それくらい、声って替えが聞かないものなんですよ。

だから、最も重要な要素を担ってるという意味での「中の人」という表現をするんです。
ややメタ的な解釈になってしまいますけどね。
(因みにこの解釈では原作者は生みの親であって、決して軽視してる訳では無いです)

そして言うならば、「俺が萌えているのは沢城みゆきが声を当てているつぐみ!」ということです。
「今更別の人が声当てても萌えないよ?」と。
いや、自分はかんなぎは見てないんですがw



まぁ、クレイジーな声オタの一コメントとして生温く読んでもらえれば幸いです。
長文失礼しました。
【2008/11/21 22:36】 URL | alalato #- [ 編集]


>aibaたん
 なるほど。
 この記事で僕が書いた“キャラを中心にした視点”で言えば、涼宮ハルヒの一部に平野さんが関わっていると思うのですが……“声優を中心にした視点”で言えば、平野さんの一部に涼宮ハルヒがいるということになるんですね。

 確かにその通りです。納得。
 「平野綾=涼宮ハルヒ」だとは僕はどうしても考えられませんが、アシュラマンの顔のように、平野さんの幾つもの顔の中に「プライベートの平野さん」も「歌手としての平野さん」も「涼宮ハルヒとしての平野さん」もいて。同じように、涼宮ハルヒの幾つもの顔の中に、「谷川さん」「いとうのいぢさん」「平野さん」などなどがあると考えると合点がいくかも。


 絵で想像すると、すんごくキモイですけど(笑)。


>alalatoさん
 過程はちょっと違いますけど、最終的な結論は僕もそんなカンジですね。
 僕の場合、「俺が萌えているつぐみは、沢城みゆきに声が似ている!」と思うことにしているのですが(笑)。

 なので、他の人が声をあてていたらつぐみに萌えていたかは保証できないんですけど……それでも「役者」として考えると、沢城さん以外の人が演じるつぐみというのも面白いと僕は思う人なんですよ。沢城みゆきに勝てる人がいるのかとはとりあえず置いといて。
 流石に1本のアニメで声が変わるのは「え?声変わりしたの?」と思うのですが、ドラマCDとアニメで声が変わるのとかはアリじゃないかなと最近は思っています。「○○版」「××版」と、違う2つの解釈があるんだみたいな捉え方。

 でも、それが許せないという気持ちも分かります。
 大好きな曲を、大嫌いな歌手がカバーをすると「オマエが歌うなよ!」と思いますし(笑)。


 しかしまぁ、やっぱり重度な声ヲタを自称するalalatoさんも「キャラ=声優さん」というよりかは、「声優さんが演じたキャラ」と分けて捉えているみたいですね。優先順位は違えど、そこをごっちゃにしないという人がやっぱり多いんじゃないかなーと僕は思いますね。
【2008/11/22 00:34】 URL | やまなし(管理人) #KBwqQFSI [ 編集]


昨日の解体新ショーで、人は物を認識・判別する時、視覚よりも聴覚に頼るという事を言ってました。
いやあんまりこの話とは関係ない気もしますが、それだけひとつのキャラクターを認識する上で声というものは重要なんじゃないかなーと。

アニメのキャラクターの場合、絵柄が変わるより何より、声が変わる事が一番、違和感って大きく感じられるものだと思いません?
それを許容するかしないかは別の話で、僕も別メディアで声が変わる位いいじゃないかとは思ってますが、
でもその場合やっぱり別物としてみちゃう気がします。「まったく同じもの」とは思えそうにない。やはり違和感は拭えないんです。

そんな訳で、キャラを個人として認識するにはやっぱり声優の力が大きいかな、と。もっともリアルな部分でもありますし。
だからキャラの中の人といえば声優、になるのも分からない話ではないです。

・・・・・・だけど、声優本人にとってはやまなしさんと同じように「キャラが降りてくる」のかも。受け手と作り手まで一緒にするとワケわかんなくなりますね。
【2008/11/22 12:14】 URL | くぁすぇんひゅきお #- [ 編集]

>くぁすぇんひゅきおさん
 あー、確かに。
 ゲームとか映画でもそうなんですけど、絵がショボショボでも効果音がスゴいと迫力を感じられるというのはそういうことなのかも知れませんね。『アオイホノオ』でウルトラマンの効果音を録音して自主映画に使うって話がありましたけど、それに通じるものがあるのかも。

 僕自身、「声」はキャラを構成する大事な要素だと思っています。
 特にアニメは「声」だけでも人物を識別できるようにと考えられているメディアですしね。

 ただ……「中の人」という表現にケチを付けるつもは全くないんですが(僕も比喩としてはその言葉が好きですし)、その言葉から受ける「着ぐるみを剥がせばその人が出てくる」という印象は違うと思うんですよ。
 特に原作付きのものは原作を読み込んで「声」や「演技」が生まれる部分もあると思いますし、それを如何に表現するかが役者の腕の見せ所のワケですし。絵を描く人や台詞を書く人と同じ「表現者」の一人じゃないかというのが僕の感覚です。
【2008/11/22 20:50】 URL | やまなし(管理人) #KBwqQFSI [ 編集]


素晴らしい意見交換がなされている中に水を差してすいませんが

私の場合、怒り狂う前に人格が崩壊するので記憶消去の手間が省けます。

あばばばばばば
【2008/11/22 21:54】 URL | 往乃 #QHIXx.pk [ 編集]


元々「中の人」っていう言葉は吉田戦車の漫画で
「中の人は大変そうですね」 「中の人などいない!」(大本は下の人だったかも)
って感じの、本来意識しない・させない黒子の存在を意識させることで微妙な気持ちにさせるっていう言葉で、まさにそのやまなしさんの感じているのは「中の人などいない!」な感情なわけで、ある種ただしい感情というか・・・
(「中の人などいない!」は居ることを否定するんじゃなく、居るけど居ないとして見てくれよっていう意味合いが強い言葉)

元ネタをしらなきゃ「なんだよその失礼な言い方」となりかねない言葉であるけど、意味がわかればその微妙なニュアンスにニヤリとできる秀逸なセンスゆえに広まった言葉だと思うんで、えーと、なんかちょっと文章がまとまらなくてすみません。中の人=中身っていう言葉の意味そのままで捉えること自体が誤解なんじゃないかなあと。
声優に対して中の人って使うのはよくありますが、逆に、居るけど居ないよあくまで黒子さんであるよ、というのを意識させる言葉と自分は感じてました。
【2008/11/23 12:59】 URL | あわれ #3aXRcdxk [ 編集]


>往乃さん
 僕の場合、怒り狂った後に「むしろ相手は俺だった」と記憶の改竄が行われ、その後いっさい作品に触れないようにすることで「最高のエンディングだったな」と思いこめるようにします。

あばばばばばば!!


>あわれさん
 あー、なるほど。
 「着ぐるみの中」というよりは、「人形を操っている」みたいなニュアンスなのかな?そう考えると、「中の人=役者」という比喩表現は素晴らしいものであると実感できました。原作者や脚本家はあくまで本を作る人で、舞台の上には立ちませんからね。

 でも、「じゃー、“下の人”の方がイイんじゃない?」とは思うところもあるのですが(笑)。
 僕自身も「中の人」という言葉は決して嫌いではないんですけどね。何だろう……キャラを作るためには色んな人が関わって努力をしているのだから、そこに目を向けるのも面白いよ、と言いたかったというか。
【2008/11/23 23:15】 URL | やまなし(管理人) #KBwqQFSI [ 編集]


自分は漫画を読むとき勝手に声を想像することがあるので声優がつくと困惑することもよくあります。そういうのは大抵長いこと聞いているうちに自然と慣れてしまうんですが、同様の理由で声優交代に対してはそこまで強い反発は無いです。
声優の演技力に不満を持つことはありますが、一番ガッカリしたのはH×Hですね。キルアとクロロとフェイタンの喋り方は本当にショックでした。
ちなみに私が声優選びで評価している人は野村哲也です。キングダムハーツシリーズの玄人受けしそうな超豪華キャスト陣はアニメじゃ実現不可能だったと思います。未完成な新人も混ざっていましたが、声はイメージぴったりでしたし。
【2008/11/24 02:30】 URL | レト #Y3VIu6r6 [ 編集]

>レトさん
 あー、なるほど。そういう意見も確かにありますね。
 僕自身は漫画を読んでいても描いていても声を想像しませんし、そもそも好きな漫画のアニメは観ないようにしているので(なので、ハンターのアニメも観たことがありません。ゴメンなさい)、そういった経験はほとんどないのですが―――

 一般的に、漫画がアニメになった時の不満点の代表格が「声がイメージと違う」ですもんね。その責任は声優本人というよりはキャストの決定権を持つ人(監督、音響監督、原作者辺り?)にあると思うので、僕はなおのこと「中の人」には色んな人が当てはまると思ってしまうのですが……その論理だと。

 『キングダムハーツ』の「中の人」は野村哲也氏―――
 物凄いしっくり来ますね(笑)。1作品もやったことないのに言ってみる僕。
【2008/11/24 20:27】 URL | やまなし(管理人) #KBwqQFSI [ 編集]


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