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| 『うごくメモ帳』こそ、2008年の任天堂最高の収穫だと言えよう |
僕はDSi持っていないんで、やったことないんですけどねっ! 「パッケージ版も出して欲しい」と以前書きましたけど、岩田社長はDSiのキラーソフトとして考えているだろうからパッケージ版は望み薄ですかね。うぅ……流石の僕も、(DS Liteは既に2台あるので)1本のソフトのために2万円弱を払う気にはならない……
【これまでのおさらい】 ファミコン時代から『エキサイトバイク』とか『レッキングクルー』といったステージエディットが出来るソフトはありましたが(ファミリーベーシックなんかは究極な形か?)、そうした“プレイヤーそれぞれの創造力を使う”ゲームというのは64DDにて一つの完成形を見せます。 『F-ZERO』のステージを自分で作って友達の家に持って行けるといった「育成」「交換」「追加」という楽しさや、自分なりの村を作って友達に遊びに来てもらうという『どうぶつの森』とか(『どうぶつの森』は元々64DDの大容量セーブ領域を活かした専用タイトルとして考えられていたそうな)。
ただ、64DDは売れませんでした。 それは、当時はまだインフラが整っていなかったことや、自由度と比例して敷居が高すぎたことといった要因があったのですが―――時代の流れとともに「気軽にインターネットに繋げられる環境」が整い、エディット機能の敷居を下げたDS&Wiiがその流れを受け継ぎ、DS&Wiiは見事に普及に成功します。
(関連記事:10年前の64DD構想が、今の任天堂ソフトに繋がっている)
しかし、任天堂がこうしたソフトに注力している一方で、任天堂自身の「安全なインターネット」路線が脚を引っ張っている側面はありました。自由なデータのやり取りは「フレンド」同士に限定することで安心を担保している反面、「フレンド」の中でしかデータをやり取り出来ないという枷を背負うことになったのです。 『Wii Music』のミュージッククリップや『街へいこうよ どうぶつの森』のPROデザインは「フレンド」同士でしかデータを交換出来ないのですが……これがもし、「自由に投稿」「自由に閲覧」「自由にダウンロード」することが出来たのなら。物凄いキラーコンテンツになったんじゃないかと思いました。
(関連記事:任天堂のオンラインサービスの限界点に悩む…)
【ここからが本文】 しかし、上の記事を書いた1週間後ですよ。 DSi専用ダウンロードソフト『うごくメモ帳』が、はてなとの協業というサプライズで注目をあびることになります。『うごくメモ帳』で作ったパラパラ漫画を、はてなが運営する「うごメモはてな」に「自由に投稿」することで、『うごくメモ帳』を持っていない人でもPCから「自由に閲覧」可能で、『うごくメモ帳』を持っている人は更に「自由にダウンロード」して絵を描き加えたり出来るそうな。
うごメモはてな 社長が訊く「ニンテンドーDSi」うごくメモ帳篇 社長が訊く「ニンテンドーDSi」小田部羊一さんと『うごくメモ帳』篇
僕が注目したのは、2番目のリンクにある「岩田社長がはてなとの協業を思いついた」経緯でした。
<以下、引用> その話を聞いたとき、『うごメモ』が出るのは2009年の後半になってしまう、と思いました。 ネットワーク開発部のスケジュールは先の先まで作業リストがいっぱいに詰まってましたから。任天堂だけでサーバを含めたシステムを構築しようとするとすごく時間がかかってしまうな、と。 </ここまで>
任天堂は「社員の数を増やさない」ことでサービスの質を高く保とうとしてきた企業です。 ソフト開発に関しては外部企業との共同開発などで補ってきましたけれど、ネットワーク開発のように自社でやらなければならないことは人員の少なさがネックになってしまいます。2007年に『Miiコンテストチャンネル』の開始が半年遅れた(確か5〜6月開始を目指して11月まで延びた)例のように、ネットワーク開発部にかかる負担は大きかったのでしょう。
しかも、今の任天堂が推し進めている「プレイヤーそれぞれの創造力を使うゲーム」というのはネットワークが前提ですし、近年のゲームは「ネット対戦が付いていないなんて手抜きだ」とまで言われてしまいますからね。
そこで、インターネットサービスのノウハウを山ほど抱えているはてなと協業することで“任天堂の人員の少なさ”を補い、はてな側は任天堂と協業することで“知名度を一気に引き上げる”チャンスを得たワケです。 何かもう、ここまで胸躍って理想的な組み合わせはないってほどの協業に加え、僕自身が上述の記事を書いてきたようにモヤモヤした気持ちを抱えていただけに、このニュースを聞いた時はガッツポーズをあげてしまいましたよ。そして、その後に「あ、俺DSi持っていない……」と冷静になるのですが(笑)。
『うごくメモ帳』にとって幸運だったのは、これが「パラパラ漫画」を作るソフトだったということですね。 下の社長が訊くにて宮本さんが『Wii Music』のことにも触れていましたが、「ミュージッククリップ」だったら容量が大きくなりすぎてこうはならなかったでしょう。『街へいこうよ どうぶつの森』のように、ゲームで使わないと意味がないデータもこの手の協業は不可能だったことでしょう。
そもそも、『スーパーマリオギャラクシー』を作り終えたスタッフ2人が仕事後に作ってしまったという逸話自体「運が良かった」と思いますよね。どことなく『スマッシュブラザーズ』が生まれた経緯を思い出しますし、キラータイトルを目指したワケでないアイディア勝負のソフトということで『脳トレ』っぽくも思えました。
僕は毎日のように「うごメモはてな」を観ていますが、サービス開始前の想像通り「著作権の問題」や「☆を露骨に集めようとする手法」や「残虐性だけを描いた作品」などなど……やっぱり順風満帆ではないなぁとは思いました。こういう状況と言うのは、ある程度は仕方がないことなんですけどね。
自分が好きな作品を幾つか紹介します。 カービィはやっぱり描きやすいからか沢山の動画が作られていますね。この作者さんのカービィは動きが非常に可愛くて大好きです。
職人芸(音注意)。 ゲーム系の動画は「ゲームの音をそのままマイクで収録する」という、『アオイホノオ』で庵野秀明氏が使っていた手法が多かったのですが……逆転の発想で、全編「自分で歌う」というのが一周回って凄いです。これを観て『ゼルダ』をやりたくなるのだから不思議です。
先ほど、はてな側にも任天堂と協業することで“知名度を上げるチャンス”と書いたのですが……今回の「うごメモはてな」開設にあたって行っているキャンペーンからも見てとれますよね。
1つ目は「この機会にはてなにユーザー登録するとDSiが当たる」というキャンペーン。 これは分かりやすく「ユーザーを増やしたい」狙いが分かりますよね。僕もこの機会にユーザー登録しました。
2つ目は、上で僕が貼り付けたように「投稿された作品をブログに貼り付けて告知記事にトラックバックを送るとDSiが当たる」というキャンペーン。 こちらは実際にサービスに触れることで次に繋げようという意図と、ブログに書いてもらうことで新たに「あ、こんなのが始まったんだ」と思ってもらえるという狙いがあるんでしょう。ブログに貼り付けるからには“出来のイイ”作品を探すでしょうし、それを観た人も「こんな作品があるんだ」と知ることが出来る、と。もちろん僕もこちらのキャンペーンにも登録しました。DSiが欲しいんだよ!悪いか!!
はてなにとってはインターネットは専門なんだから自然と出たのでしょうが、「好きな作品をブログに貼り付けられる機能」は大きな機能ですよね。 『街へいこうよ どうぶつの森』のプレイ日記を書いている人が多い(僕もそうだけど)のって、SDカードに好きなだけ写真を撮影・保存出来ることが全てだと思うのです。あれを、実際にデジカメで撮影しなきゃならなかったらこうはならなかったでしょう。写真機能があるから撮りたくなる、撮ったからには人に見せたくなる、人に見せるためにはブログに載せてみる、そのブログを読んだ人が「面白そう!」と思う、そして実際に買ってみて写真機能があるから……(以下ループ)。
ダウンロードソフトの場合は、もっと深刻に「認知度が上がらない」という問題があります。 広告費の差もありますけど、パッケージソフトは店が入荷した以上は「売ってしまわないと店が損をする」という意識で必死で売ってくれます。陳列を考えたりPOPを置いたりチラシを配ったり。ゲームの情報をさほど集めていない人でも、新聞の折込チラシで「あ、○○の新作が出るんだ」と知ることが出来るんですよ。
でも、ダウンロードソフトはそうはいかない。まず、ほとんどの人が存在を知らないのが現状でしょう。ゲームのプレイ日記を書いている人ですら「Wiiウェアって最初に出た数本しか知らないんだけど」と言っている人がいるくらいです。 なので、こういう手法で“自発的に『うごくメモ帳』+「うごメモはてな」を宣伝したくなる”仕組みを作ったというのは、今後のゲーム業界を考える上でも重要な礎になるんじゃないかと思ったりしました。
いや、ホント……無限の可能性を秘めているソフトだと思いますよ。 喩えば、僕が自分のブログに『ちのしあ』キャラの動画をアップして、「誰かアフレコして!」と募集することなんかも出来るワケですよね。DSiの普及度次第ではありますが夢が広がりますね。ということで、僕ははてなのキャンペーン2つでDSiが当たることをただただ祈っています。
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