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世界に触れるゲーム、『ロストウィンズ』紹介

『ロストウィンズ』
 Wii用/アクションアドベンチャー
 スクウェア・エニックス/Frontier Developments
 2008.12.24配信開始
 1000円(ショッピングチャンネル専売)
 公式サイト


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 2006年9月14日、Wii Preview―――
 「果たしてこのゲーム機は売れるのか?」「売れたとしてもソフトを出すのは任天堂だけで、サードメーカーはソフトを出さないのでは?」という疑念の中、任天堂は“開発者インタビュー”として社外(サードメーカー)のクリエイターや経営者などのインタビュー映像を流しました。

 その中の一人、オウガバトルシリーズで有名な松野泰己氏がこんな発言をしていたのを今でも覚えています。
 「Wiiリモコンは既存のゲームに合うのかなという疑問があったが、実際に『マリオギャラクシー』などに触ってみると、より直感的にゲームの中身・世界に触ることが出来て驚いた」


 世界に触れるゲーム。
 言ってしまえば、ビデオゲームというのは“自分が操作することで”画面の中の世界に干渉するメディアのことです。マリオがブロックを叩くとキノコが出てくるとか、「たたかう」コマンドを選んでスライムを退治するとか、アクセルボタンを押すことで車が動き出すとか。

 ゲーム機のスペックを向上させてグラフィックがよりリアルになったのは「画面の中の世界」の再現度を増すためですし、コントローラが進化したのは「世界への干渉方法」をユーザーに合ったものにしようと試行錯誤したからです(結果的に敷居が上がった面はありますけど)。


 そういう意味で言えば、松野さんのこの発言は「ゲームの根源」を指し示しているとも言えて、そこまで言わせた『マリオギャラクシー』とはどんな出来になっているのだろうと僕はワクテカと期待を高めていました。
 そして、確かに『マリオギャラクシー』は素晴らしく面白かったです。しかし、それはあくまで既存のマリオアクションゲームの延長線上にあって、「世界に触れるゲーム」というほど直接触れた印象はありませんでした。


 当然と言えば当然で、『マリオ』本編の冠を継承するからには「ジャンプアクション」のように守らなければならないものも多く。完全なる新しい体験を求めるのならば、『マリオ』ではなく、全く新しい新規シリーズに期待するしかなかったんですよね。ということで、僕は松野さんが構想していると仰っていた新作に非常に期待をしていたのですが……


 それより先に、海外のデベロッパーがWiiウェアで出してしまいました。
 『ロストウィンズ』―――このゲームこそが「世界に触れるゲーム」という形容以外に説明できないゲームでした。


↓ 以下、感想はクリックで。




○ 何も出来ない主人公、何でも出来るWiiリモコン
 このゲームの主人公トクは、恐ろしいくらい「何も出来ません」。
 ヌンチャクのアナログスティックで走るor歩くのと、Zボタンでレバーを持ったり、町の人に話しかけたり出来る程度です。ジャンプすら自分では出来ません。『マリオギャラクシー』のマリオが多彩なアクションをするのとは対照的です。

 しかし、そんな「何も出来ない」トクをサポートするのが、Wiiリモコンで起こす“風”。
 最初はポインターを動かしてそよ風を起こす程度しか出来ないのですが、ゲームを進めて風の力を強めると様々なことが出来るようになっていきます。トクをジャンプさせるにも風、落下中のトクの衝撃をやわらげるのも風、炎を誘導して草を燃やすのも風ですし、レバーを持ったトクを引っ張ってあげるのも風です。何も出来ない主人公だからこそ、Wiiリモコンで風を起こして世界に干渉しなければならないのです。


 また、そうした攻略方法以外にも、ただ単にWiiリモコンのポインターを動かしているだけでそよ風が起こり草花が揺らめきます。突風を起こすと風車は回りますし、町の人々は驚きますし、女のコはスカートを抑えます。与えられたパズルを解くというだけでなく、いついかなる時でも世界に干渉できる(だからと言って何かが起こるワケではないのですが)のが心地良いのです。
 感覚的には『どうぶつの森』で住民をアミで殴っていると怒られるみたいなカンジで……Wiiリモコンで風を起こすこのアイディアは、『ロストウィンズ』のような『ゼルダ』的ゲームよりも、『どうぶつの森』や『牧場物語』のようなスローライフ系のゲームの方が相性がイイんじゃないかなぁと思いました。


 あと、細かいことなんですけど、ヌンチャク側がトク、Wiiリモコン側が“風”(エンリル)と明確に分けられているのが面白いですよね。




○ どうしても比べてしまう『ゼルダの伝説』の偉大さ
 ゲーム内容は横スクロールの2Dアクションですが、正確で俊敏な操作が必要というワケではなく。
 Wiiリモコンで起こせる風の力を使ってダンジョンを解いていく『ゼルダの伝説』的なゲームになっています。一応ライフ(HP)はありますけど、不意に落下してしまったりしなければあまり減ることはないんじゃないかなぁと思います。敵も、風を起こして瞬殺出来ますし。


 しかし、そうなるとどうしても『ゼルダの伝説』と比べてしまうんですよね……良くない傾向だとは思いつつ。
 喩えば『ゼルダの伝説』の場合、フィールドでもダンジョンでも“MAP”が常に表示できて、行ったことがない場所・行けない場所が一目で分かるようになっているんですよね。だから、新しいアイテムを手に入れたら「こないだまで行けなかったあの場所に行けるようになっているのでは?」と試したくなるのですし、行けるようになった達成感も得られるのです。“MAP”をコンプリートするだけでやり込んだ感が得られる、と。

 『ロストウィンズ』には“MAP”がないので、行ったことがない場所・行けない場所がどこなのかがイマイチ把握できず、行けるようになったとしても達成感はさほど得られません。たかが“MAP”なんですけど、『ゼルダ』タイプのゲームの場合は根本を支える大事な要素なんです。
 『ロストウィンズ』の場合、「○○に行け」と言われてもゲーム内に地名が表示されないのでどこに行けば良いのか分からなかったり……この他にも随所に不親切な点は見受けられました。「1000円だから仕方ない」のか「洋ゲーだから仕方ない」のかは分かりませんが、そういう意味では100点満点のゲームではないなぁと印象です。



 あと、「このゲームはそもそもそれを考えるゲームだろ」と言われると何も返せないのですけど、新しい能力を得て出来るようになったことがイマイチ直感的じゃないよなぁと思う箇所が多々。ネタバレになってしまいますけど、僕はラスボスの倒し方がいつまでも分からず最終的に攻略サイトを見たのですが、倒し方を知っても「そりゃないんじゃね?」と思ってしまったというか。

 『ゼルダの伝説』で正解の解法をした際にティロリロリロリン♪という効果音が出るとか、ボスに効く攻撃方法をするとズリュゥウウンという“如何にも効いていそうな”効果音がするのとか、当たり前なことのように思えていたけど重要だったんだなということに幾つも気付きました。マジメな話、『ロストウィンズ』をやると『ゼルダの伝説』が遊びたくなってきます(笑)。


 比べてしまうのは良くないことなんですけどね。
 そりゃ任天堂がエースクラスを結集して何年もかけて作り、ハードの普及の鍵を握っている超キラータイトル『ゼルダの伝説』シリーズと。海外の大きくないデベロッパーが1000円のWiiウェア向けに作った『ロストウィンズ』とを比べてしまうのは、そりゃフェアじゃないよなとは思うのですけど。どうしたってなぁ、『ゼルダ』が偉大なことに気付くというか。




○ 総評
 アイディア・グラフィックは本当に素晴らしいと思いますし、「触っているだけで楽しい」ゲームではありますが。
 完成度・ボリュームといった点で「誰にでもオススメしたい傑作」とは言えないかなーというところです。新しいものが好きだという人にはオススメしたいのですが、ぶっちゃけコレ続編ありきのソフトですよね?ストーリーは途中で終わりますし。
 続編が出るとか、パッケージソフトで完全版が出るのだとしたら完成度を増した(MAPを付けて効果音をイジるだけで化けると思います)ソチラを待つべきだとも思いますし。ただ、それが日本で出るのかは分かりませんし。

 うーん。
 まぁ、月並みな言葉ですけど「1000円のゲームである」という感じですかね。500円の価値だったとも1500円の価値だったとも思わない、新鮮な体験は出来ましたという満足感があるカンジと言いますか。

| ゲーム紹介 | 18:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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