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『あずまんが大王』はシュールだったのか

 今月12日に、小学館から新雑誌:月刊少年サンデー(ゲッサン)が新創刊されました。
 自分がよく聴いているTBSラジオ深夜枠(JUNK)のスポンサーが小学館ということもあり、先週は各曜日のパーソナリティがそれぞれ読んだ感想を語っていたのが興味深かったです。


 普段は漫画について語ったりしない人が漫画について語ると、「あー、そういう視点もあるのか」と新鮮な気持ちになれるというか。目から鱗が出てくることがあります。



 アンタッチャブルの柴田さんが「オレすげーお気に入りの漫画があるんだけど!」と、『あずまんが大王』をオススメしてた。

 『あずまんが大王』とは99年~2002年に電撃大王(メディアワークス)にて連載されていた伝説の4コマ漫画。ひょっとしたら若い人には「『よつばと!』描いている人の前作」と言った方が分かるのかも知れませんね。
 もちろんずっと前に連載終了しているのですけど、今回ゲッサン創刊+『あずまんが大王』10周年ということで、描き下ろし新作を短期集中連載→描き下ろしも含めた新装版コミックスを小学館から発売するらしいです。



 柴田さんは、そういう事情を知りません。
 たまたまADの人にオススメされたので初めて読んでみたら、物凄くツボに入ったということで。「物凄く“新しい”漫画だぞ!」「何なんだ、このシュールな笑いは!」と絶賛していました。僕は描き下ろしはまだ読んでいませんけど、自分の好きな漫画を自分の好きな芸人さんが気に入ってくれたというのは凄く嬉しいものでした。



 それはさておき。
 『あずまんが大王』ってシュールなんだ?


 「シュールな笑いとは何ぞや?」というのがそもそもの話なんですけど、ベタを貫くアンタッチャブルの笑いからするとその対極にあるのが「シュール」ということなのかな。少なくとも柴田さんはそういう意味で使っているっぽい。

 そう考えると、確かに『あずまんが大王』の「オチがないまま終わったりする」「ツッコミがないまま終わったりする」「大阪が意味不明なことをしている」「パンダの白と黒がどちらだか分からない」「エスカレーターとエレベーターがどっちだか分からなくなる」等等等……確かにシュールと言えばシュールですね。
 特にプロの漫才師(しかもツッコミ)からすると、ツッコミを許されないその世界観が“不条理”に思えても不思議ではないです。



 でも、そう言われるまで僕は『あずまんが大王』を「新しい」とも「シュール」とも思ったことがありませんでした。
 僕は『あずまんが大王』の“後の10年”を知っています。漫画がヒットして、アニメがヒットして、「萌え4コマ」と呼ばれる多くのフォロワーを生みました。俺の嫁『けいおん!』だって、『あずまんが大王』の存在なしには生まれなかったでしょう。

 パイオニアは、いつしか王道になる―――
 『ドラゴンクエスト』を作った堀井雄二さんは、発売前「このゲームは新しすぎて世間に受け入れられるのだろうか」と不安だったそうです。でも、『ドラゴンクエスト』は大ヒットして多くのフォロワーを生み、「ゲームと言えばドラクエ」と言われるほどになりました。


 『あずまんが大王』が切り拓いた世界に慣れすぎた自分にとっては、『あずまんが大王』スタイルが「ベタ」だし「王道」だし「クラシカル」だとすら感じられるのですけど……
 そうではない人(アンタッチャブル柴田さん)からすると、「シュール」で「新しい」漫画に映った―――この感覚は凄く興味深いなと思いました。




 そして、最も重要なことは
 ホンモノの傑作は、そんな御託を全て飛び越えるということ。


 凄く漫画が好きな人も、そこまでではない人も。
 10年前から『あずまんが大王』を愛している人も、初めて読む人も。

 無邪気に「オレすげーお気に入りの漫画があるんだけど!」と言わせてしまう力を、ホンモノは持っているんだということを強く感じました。


B0026OBCOGゲッサン 2009年 06月号 [雑誌]

小学館 2009-05-12
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| 漫画読み雑記 | 17:50 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ゲッサン買いました。
あずまんが大王は一言で言うと「いつものような話」でした。
だから「面白い?」と聞かれたら「まあまあですよ!」と答えると思います(笑)。
(ちなみに上記のは、同誌に載っている「アオイホノオ」のネタですので、マジに受け取らないで下さい)

あずまんが大王を初めて読んだ数年前も、あまりシュールって感じはしませんでした。
個人的に「ササキ様に願いを」(みずしな孝之 著)の笑いと似たものを感じていたからだと思います。

やはりあずまんが大王では、そういう笑いを女の子でやったこと、が重要なんでしょうね~。
しかし今回のは、完全に主役が大阪になってましたな~。

| アララ | 2009/05/17 19:32 | URL |

「クマのプー太郎」や「伝染るんです」みたいなのを読んでた自分としては、女の子が出てくるシュール系(不条理系?)4コマ漫画だと思って読んでました。
当時としてはオタク的な要素(今で言う萌え要素)を多く含んでいる所が4コマ漫画としては新しかった気がします。

| タチバナ | 2009/05/19 03:14 | URL | ≫ EDIT

ゲッサンに載ってたあずまんがは多少シュールなかんじもしました

| こみち | 2009/05/19 18:54 | URL | ≫ EDIT















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