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Wiiっぽくないゲーム『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』紹介

『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』
 Wii用/3DアクションRPG
 任天堂
 2006.12.2発売
 6800円
 公式サイト
 Wii.comの紹介ページ

B000IN8FOWゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

任天堂 2006-12-02
売り上げランキング : 485

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by G-Tools

 このソフトは元々ゲームキューブ用“最大最後のビッグタイトル”として開発されていたソフトです。
 言ってしまえば、“前世代”のゲーム機向けに作られたソフト。

 しかし、開発スケジュールの問題やゲームキューブ市場の問題などもあり、当初の予定から発売を1年延期し。ゲームキューブ版と並行して、新型ゲーム機Wii本体と同時発売のWii版が発売されることになりました。つまり―――『ゼルダの伝説』という超人気タイトルの最新作であるがゆえ、

・ゲームキューブにとって最後のソフト
・Wiiにとって最初のソフト


 という二つの役割を担うハメになってしまったのです。


 それはもちろん悪いことばかりでなく、欧米ではこのソフトが恐ろしいほどWii本体の売上げを牽引したのも確かです。全世界累計で600万本以上売れたソフトですからね。発売時期を延期して、Wii版を本体同時発売としたのは、“英断”だったのは間違いないでしょう。自分もおかげでこのソフトを楽しめたのですし。

 しかし、結果としてこのゲーム―――「Wiiっぽくない」印象が拭えません。
 ゲームとして物凄くよく出来ていますし、こういうゲームがWiiから出ることは悪いことではないし素晴らしいと思うのですけど……本体同時発売ソフトの場合、どうしたってユーザーは「Wiiっぽいゲームが遊びたい」「Wiiはこんなことが出来るゲーム機なんだ」というソフトを期待してしまうため、日本では「Wiiっぽくない」このゲームは売上げ苦戦したのかなーと思いました。


 「もしも宮本武蔵が新撰組に入ったら」
 ―――みたいなレベルの“もしも”な妄想話ですけど。もしもWii本体同時発売ソフトが『マリオギャラクシー』で、1年後に『トワイライトプリンセス』が発売されたのなら結果は違ったのかも……と思ってしまうのです。その場合は『Wii Sports』の売り上げが落ちるかも知れんか(笑)。

 とにかく。Wii本体発売から何年も経った今だからこそ、再注目されても面白いソフトじゃないかと思ったのです。


↓ 以下、感想はクリックで。




○ Wiiっぽくない“初心者に厳しい”仕様
 これは『マリオ』と『ゼルダ』の違いでもあるんですけど、『マリオギャラクシー』と比較すると『トワイライトプリンセス』の特性が分かりやすいです。

 左が『マリオギャラクシー』で、右が『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』ね。
 1ステージクリアするごとにセーブ可←→どこでもセーブできるが再開ポイントは限られている
 30分あれば1~2ステージは進められる←→ダンジョン攻略には2~3時間はかかる
 「操作しやすいカメラアングル」に調整してくれる←→カメラは自分で調整する
 アナログスティックにどんどん慣れていくステージ設計←→アナログスティックに慣れていることが前提
 アシストプレイ可能←→もちろん一人用
 セーブデータは6つまで←→セーブデータは3つまで


 特に分かりやすいのはカメラアングル。
 『マリオギャラクシー』は最終面を除けば「見えないところからいつの間にか攻撃されている」ことがないように考えられていましたが、『トワイライトプリンセス』は「いつの間にか攻撃されるかも知れないから周囲に気をつけなければならない」ゲームです。ま、ライフの数が違うというのも大きいんですけど。


 いわゆる「誰でも楽しめる」「手軽に楽しめる」「家族で楽しめる」といった、Wiiのイメージで考えると―――『マリオギャラクシー』はピッタリ当てはまるんですけど、『トワイライトプリンセス』は凄く異質な印象があります。
 敷居は高く、プレイ時間も長く、敵キャラも蜘蛛とか食人花とかキモチワルイ造形のものばかりですし。「お父さんWii買ってー」「そうだなー、Wiiを買って家族みんなで楽しもうな!」「やったー!ワーイ!」「アハハハハ」みたいな流れでこのゲームを買ってこようものなら、主人公が狼に姿を変えられて村人から「来るな!バケモノ!!」と追い回される辺りで子ども泣き出すんじゃないかと思いました(笑)。




 Wiiリモコンの操作はというと―――
 自分は64・ゲームキューブ時代を知らないので、物凄くしっくりきている「Wiiリモコン+ヌンチャク」のバランスの良さを強く感じたのですが……本体同時発売ソフトということで、まだ「モーションコントロール」を過信している部分はあるなとは思いますね。

 あれだけ多彩な剣技を、スティックとZボタンを組み合わせることで、Aボタンと「Wiiリモコンを振る」の2つの操作だけで出来るのはスゴイと思います。そこはちゃんと評価したいです。
 でも、盾アタック(ヌンチャクを前に押し出す)と回転斬り(ヌンチャクを振る)だけはキツかった……
 10回狙って1回盾アタックが成功すればイイ方、ほとんど回転斬りが暴発してしまうというレベルで……自分は盾アタック→兜割りというコンボが強いのは分かりつつ、回転斬りが暴発してカウンターを喰らい続けたので、終盤は背面斬り一辺倒に切り替えました。


 もちろん……これは結果論ですけどね。
 今や任天堂自らが「Wiiリモコン+ヌンチャクだけでは満足なモーションコントロールは出来ない」と公言していて、Wiiモーションプラスを発売したワケですし。2009年に『トワイライトプリンセス』を作るのなら、盾アタックは別の操作になっただろうというだけの話です。

 それ以外の部分ではWiiリモコンの操作に不満はないものの(「死んでもリモコンを振りたくない!」という人は別だけど)―――
 元々ゲームキューブのコントローラー向けに作ったソフトなので、ボタン+スティック操作をモーション+ポインター操作に一部変えただけ感というのは否めません。弓矢はともかく、ブーメランくらいは走りながら照準を合わせられても良かったんじゃ……と、某ボス戦では思いました。この辺は、本体発売から2年半も経って多種多様なソフトが既に出ている現在だから思う、ワガママで身勝手な意見だとは思いますけどね。



 セーブシステムや、宝箱の問題(ルピーを戻すとマップに残り続ける)も「手軽に楽しめない」ゲームにしている一つの要因だと思います。
 ダンジョンから途中退場して一度だけワープポイントを作ってくれる“おばちゃん”というアイテムがあるんですが、わざわざダンジョンで探さなくても最初からある状態でイイじゃんと思いました。おばちゃんが見つからなくて、それでも続ける時間がなくて、セーブして入り口からやり直す―――みたいなことって誰が得するんですかね。
 自分が経験したゼルダの中では『ふしぎのぼうし』のように、ダンジョンのポイントポイントで「入り口付近に繋がるワープゾーン」を開通出来るシステムの方が分かりやすいと思うんですけど……それじゃダメだったんですかね。その弊害が、ラスト2つのダンジョンの短さにも繋がっているとも思いましたし。どうも、チグハグな印象はあったなーと。



○ Wiiっぽくない“遊び応えのありまくる”ゲーム
 しかしです―――
 僕は敢えてこれまで「Wiiっぽくないダメな部分」を列挙してきましたけど、当然のことながら「Wiiっぽくない素晴らしい部分」だってあるワケです。もっと言うと、「Wiiっぽいゲーム」が好きになれない人は沢山いるでしょうし、「Wii買ったけど、手軽さばっかでイマイチだなー」と思っている人も多いことでしょう。そういう人にこそ、この『トワイライトプリンセス』をやって下さいなと言いたい。


 『ゼルダ』とは、サブキャラ達の人間ドラマなんだ―――
 『夢をみる島』のマリンなんかは分かりやすい例だと思うんですけど、『ゼルダの伝説』は主人公一人の物語ではなく、そこに生きている人々を描く物語だったりするんですよね。だから『ゼルダ』シリーズのサブキャラは人気があるワケで……『トワイライトプリンセス』も、トアル村の住人を始めとしてアクの強いキャラが多数登場して、その人達が成長したり意外なところで手を貸してくれたりと、主人公以上にそうしたサブキャラに感情移入してしまいました。

 自分が好きだったのはマロ。「勇者にはなれないが……」と、彼は彼なりの成長をしていくのがカッコ良かったです。
 あとは、モイ。主人公は、あっという間に彼を追い抜いて世界を救う戦いをしていくのですが……モイもまた世界のために戦っている仲間だったんだと思い知った時、それまで感じていたストーリーへの不満とか全部吹っ飛びましたよ。オレは、オレはこの瞬間のためにずっと戦い続けてきたんだ!と心底感動して、そのまま特攻して「やばい!矢がもう10本しかないぞ!」と(笑)。



 クリアには半端ない時間がかかるダンジョンも、解けない時はイライラさせられますが、その分クリアの際の爽快感は凄まじいです。
 ボス戦は、そのダンジョンで手に入れたアイテムを使うというのはシリーズのセオリーなんですが……通常と同じ操作でありながら、全く違うゲームを遊んでいるかのような操作を要求されるのも面白かったです。ドラゴン戦は燃えまくりました。映画の主人公になったような気分で、その分「やらされている」感は強いんですけど、超巨大なボスを倒すのだからそれくらいのことは目をつむります。

 アイテムに関しては、シリーズ定番のものを抑えつつ、「これが使えるんだ!」と驚きのものまで。
 中にはダンジョンとイベント以外で活用出来ないものもあるんですけど、大半のアイテムは「なるほど!これを使うとあの場所に行けるようになるのか!」と思わせるのは流石ですね。


 騎馬戦、馬車護衛、1vs1のチャンバラ戦、敵の砦に特攻を仕掛けたり、西部劇のように遠くから敵を射抜いたり―――
 様々なシチュエーションで戦えるイベントも楽しかったです。アナログスティックに慣れない頃は苦痛だった馬移動も、アナログスティックに慣れると「っうっひょーい!」ってなもんでした。この辺の一体感はアクションゲームならではだよなーと思います。




 難易度に関しては、かなり簡単な部類に入るんじゃないかな。
 アクション操作はアナログスティックに慣れていることが前提ですけど……一度もゲームオーバーにならずにクリア出来るって人も多いでしょうし、ゲームがど下手な自分でも序盤に入手した妖精がラスボス戦までビンに入っていたくらい余裕でした。
 謎解きも、ミドナにヒントを聞けばそれほど詰まるところはないかなー。自分が詰まったところは「この装置、一体何に使うんだ?」と分からなかったとこくらいで、結局最後まで攻略サイトに頼らずにクリア出来ました。

 ただ、それはあくまで「誰でもエンディングまで到達できる」難易度を目指した結果でしょうし。
 ヌルい難易度がイヤだと言う人は、「ハートの器を取らない」とか、「鉄の盾を買わずに木の盾を燃やして盾なしプレイ」とか、「ミドナにヒントを聞かない(あっちから話しかけてきた場合は別)」とかの縛りプレイをすればイイんじゃないかと思います。縛りプレイが出来るよう、そうした余地を残されているのでしょうし。(ボス戦の後にハートの器を取らずにダンジョン脱出が出来るとかね)




● 総評
 途中イライラさせられることも多かったですが……『ゼルダの伝説』は、「イライラを乗り越えた時の爽快感」のためのゲームとも言えるんで。
 エンディングまでプレイしてみて、終わってみれば「遊んでよかったー!」と叫びたくなる満足度でしたよ。

 ただ、「時間がない人にはキツイ」というのも確か。
 『ゼルダの伝説』は「頭を使うゲーム」みたいに言われることがあるんですが、発想力とか応用力よりも記憶力が大事なゲームだと僕は思っています。アイテムを入手した時に、「あ!これでさっきまで行けなかったあの場所に行けるようになるんだな!」と思えるかどうかの記憶力が必要なゲームだと。

 なので、1週間に30分しかゲームを遊ぶ時間がないって人は、1つのダンジョンに2~3時間かかってしまうこのゲームは厳しいんじゃないかと思うのです。4週間で30分×4=2時間という単純計算ではなく、数週間もかけてしまうと「あれ……このアイテムはどこで使うんだっけ……」と忘れてしまうという話です。
 「比較的まとまった時間がある」「アナログスティックに既に慣れている」「敵キャラがグロテスクでも大丈夫」って人には、是非オススメしたいゲームなんですけどね。

 懐古層が多くて(アナログスティックに慣れていない)、女性比率が高くて(グロテスクな敵が苦手)、リビングに置かれることが多いゲーム機(個人で楽しめる時間が限られている)であるWii用ソフトということを考えると―――やっぱり「Wiiっぽくない」ゲームだったなあと思いますね。それが悪いことでは決してないのだけれど、哀しいかな売上げとしては厳しくても仕方ないだろうと。


4840237727ゼルダの伝説トワイライトプリンセスザ・コンプリートガイド (デンゲキニンテンドーDS)

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| ゲーム紹介 | 17:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

今までのゼルダシリーズから、ほのぼの感と愛情を抜き取って、暗く悲しいをつめこんだものが、トワイライトプリンセス。正直こんな陰湿なゼルダは初めてだとおもう。ストーリーに愛情はありません。ただ小さな悪魔みたいなのの命令どおり、悪魔の犬となって苦労するだけです。

| ななし | 2015/04/04 13:20 | URL |















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