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やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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「漫画」と「アニメーション」のスピード感の違い

 ちょっと前の話題ですが、ようやく自分の中で整理がついて文章化できると思ったので。

 アニメや映画やドラマを楽しむ素養が欠けている不倒城さん)

 詳しい話は上のリンクから記事を読んでもらいたいのですが……
 要約すると、「漫画」や「ゲーム」が大好きなしんざきさんが、「アニメ」や「映画」や「ドラマ」は楽しめない。それは何故かと言えば、「自分のペースで話を進められない」ことに理由があるのではないか?といった話でした。メディアの形によって楽しめるかどうかの素養が違うのは確かで、逆に「漫画を読まない人に向けて実写映画化などのメディアミックスが行われる」ことがあったりしますものね。


 ただ、私……この記事を読んで、何かもやもやするものがあったんです。
 私は「漫画」も「ゲーム」も「アニメ」も「映画」も好きです。「ドラマ」は最近は観ていませんが、10代の頃はガッツリ観ていました。しんざきさんは挙げていませんが「小説」も読みますし、メディアによる好き嫌いはそんなにありません。
 だから、本来は「自分とは違う意見」として「へーそんな人もいるんだー」で終わるような話なのですが、自分の中にずっとある何か得体の知れない謎の現象を解明するかも知れない妙な気分になるのです。でも、それが何かは分からなくて1ヶ月以上もやもやしていました。



 そんなある日、Twitterのタイムラインを眺めていたら「あ」と思うことがありました。ようやく一本の線に繋がったぞというヒントを手に入れたのです。

 正直その人のツイートへの批判っぽくなってしまうのでリンクは貼りませんし、ひょっとしたらその人もこの記事を読んでいるかも知れないので「私がイラッとした」と書くとショックを受けるかも知れないのですが……まぁ、ツイートを読んでイラッとしてしまったのだからしゃあない。
 その人のツイートは、とある春アニメの感想だったのですが……「このアニメはダメだ。原作の漫画に比べてテンポが悪い」とバッサリぶった斬っているものでした。






 はああああああああああああああああああ!?
 「漫画」に比べて?「アニメ」のテンポが悪い?

 そんなの当たり前なことじゃねえか!
 そんなのは白熊を見て「白いねー」と言うようなものじゃねえのか!!


 で、1ヶ月前のしんざきさんの記事を思い出したんですね。
 あー……そうか。「自分のペースで話を進められない」というのは、このことか。

 「漫画」というのは、ページをめくるスピードだけでなく、コマからコマに視線を動かすスピード、台詞を読むスピード、読まなくていいコマを読み飛ばすスピード――――全て自分の思ったようにペースを握れます。つまり、言ってしまえば「漫画」とは“読者が最も楽しめるスピード”に各々がペースをコントールして楽しむことが出来る娯楽なんですね。

 一方の「アニメ」……というか、「映画」も「ドラマ」も「芝居」もそうなのですが。「漫画」と「アニメ」の比較が一番分かりやすいと思うので、ここでは「アニメ」を主語にしますが。
 「アニメ」は作り手がスピードをコントロールします。「ここのシーンに何秒使うのか」「ここの台詞はどのくらいの時間をかけて言われるのか」「この台詞とこの台詞の“間”は何秒で、その間の絵はどうするのか」を決めるのは演出家の仕事です。もちろん「決められた尺と使える枚数で1話を作らなければならない」という制限はあると思いますが、その制限の中で“演出家が思うベストなスピード”に演出家がペースをコントロールして提供する娯楽なのが「アニメ」だと思うんですね。


 そりゃ、「自分専用の、自分が最も楽しめるスピードで読める漫画」と比較すれば、「演出家が万人に向けたスピードで提供するアニメ」のテンポが悪いなんて当然のことだと思うんです。漫画を読むのが速い人からすれば「アニメはテンポが遅い」ということもあるでしょうし、逆に漫画を読むのが遅い人からすれば「アニメはテンポが速すぎてついていけない」ということもあるでしょう。

 しんざきさんの記事のコメント欄を読むと、しんざきさんと同じように「アニメが楽しめない人」の意見で、「アニメは(テンポが遅くて)退屈になってしまうから苦手」という人もいれば、「アニメは(テンポが速くて)どんどん進んでしまって話が理解できなくて苦手」という人もいるというのが象徴的だと思うんですね。
 アニメは「テンポが遅いからダメ」でも「テンポが速いからダメ」でもなくて、アニメは「自分でペースをコントロールできないからダメ」な人がいるんです。それはもう作品の問題ではなく、漫画とアニメの違いだと思うのです。


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 「ゲーム」に関しては、「漫画」「アニメ」「映画」などと同じ土俵で語るのは難しいと思うので今日は触れません。それこそ以前にしんざきさん自身が仰っていたように「ゲーム」は「遊び」の一つであって、私は「玩具」の一つだと思っています。『かくれんぼ』とか『ジェンガ』とかをアニメや映画と比較して語るのは、流石に片手間では出来ないと思うので今日はしません。



 「小説」と「アニメ」の違いというのは以前に書いています。

 「小説」と「アニメーション」の違い

 そうそう。今思い出したけれど、この記事の冒頭で「「アニメ」に限らず、実写の「ドラマ」とか「映画」とかでも「原作小説」まで読んだものはないんじゃないかと思います。」と書いていますが、これ嘘です。
 高校時代に「海外の名作小説」と「その映画化された作品」を両方観てレポートを書くという授業を受けたことがありました。なんだその授業はと思うのだけど、今自分がブログでやっていることと同じようなことですよね。あの頃の骨肉が今の自分に繋がっているのだと考えると感慨深いです。



 しかし、「漫画」と「アニメ」の違いって、当たり前すぎるせいか、あまり言語化されていないような気がしたのです。それこそ「漫画に比べてアニメはテンポが悪くてダメだ」と言う人がいるくらいですからね。

 以前にも何度も書いていることなので繰り返しになってしまいますが、私は「好きな漫画がアニメ化されて観たとしてもまず楽しめない」のです。食わず嫌いとかじゃなくて、恐らく20~30作品中1作品も楽しめなかったくらいの低打率です。オープン戦あれだけ打ちまくってもシーズン開幕した途端に1安打も出来ずに0割0分0厘のまま2軍に落ちていった山川穂高と同じです。今年こそはと期待していたのになぁ……

 それは何故かという話で、「原作に比べてアニメはシーンが足されたり削られたりするから」とか「既に知っている話ではワクワクできないから」といった理由を今までの自分は書いてきました。それらも理由の一つとして嘘ではないのだけど、今まで語ってこなかった理由として「スピードをコントロールする権利を誰が握っているのか」というものもあるのかと思いました。

 最初に漫画を読んでしまうと、自分専用の“自分が最も楽しめるスピード”でコントロールして読んでしまって「超面白えええええ!」となってしまうので。その後にアニメを観ると、“演出家が決めたスピード”に「俺が原作を読んでいた頃のスピードの方が面白かったのに!」とイライラしてしまうのですが。
 先にアニメを観ておくと、“演出家が決めたスピード”で「超面白えええええ!」となれるので。その後に漫画を読んだ時も、漫画の同じシーンも“演出家が決めたスピード”で読んでいるんですね。

 スピードに関してあまり考えたことがない人は「そうか?」と思うかも知れませんが、例えば「キャラクターの声や演技」で言えば。「漫画→アニメ」の順だと「俺の思ってたのと違う!」となってしまいがちですが、「アニメ→漫画」の順だと「漫画を読んでいる時も声優さんの声が聴こえる!」となったりするじゃないですか。それに似たような話だと思います。



 なので、私は「好きな漫画がアニメ化されても観ない」ことにしています。最初から楽しめないことが分かっているのにわざわざ観て「やっぱり楽しめなかった」と文句を言うのは、アニメを作った人にもアニメを楽しんでいる人にも失礼ですし、もっというと「原作ファンはごちゃごちゃうるせえ」とアニメから入ったファンの印象を悪くしてしまうかも知れないし、自分にとっても時間の無駄な上に敵が増えるだけですからね。

 でも、世の中には「好きな漫画がアニメ化されても両方楽しめる人」はたくさんいますよね。文句を言いながらとかじゃなくて、純粋に「あの漫画がアニメとして完全に再現されてる!ありがとう!」と楽しめる人はいます。そういう人は恐らく「その人がベストだと思う漫画を読むスピード」と「演出家が提供したアニメのスピード」が近いんじゃないのかなと思います。



 逆に、冒頭で紹介した記事を書いたしんざきさんや、しんざきさんに共感しているコメント欄の方々――――「漫画は楽しめるけどアニメは楽しめない」という人は、(原作を読んでいるかどうかに関係なく)この差が大きいんじゃないかと思います。漫画を読むのが速い人は、アニメのスピードは「退屈だ」「引き伸ばしに感じる」と思うし。漫画を読むのが遅い人は、アニメのスピードは「話を理解する前にどんどん進んでしまってついていけない」と思ってしまうし。

 更に逆に、世の中には「漫画は上手く読めないけど、映画化してもらえれば観られる」という人もいます。そういう人は恐らく「漫画を自分のスピードで読む」ことが上手くなくて、アニメや映画やドラマなど作り手がスピードをコントロールしてくれるメディアの方が「演出家が思うベストなスピードを提供してもらえる」から楽に楽しめるんじゃないのかなと思います。




 しかし、この「誰がスピードをコントロールする権利を握っているかが漫画とアニメでは違う」という話、上手く言語化されていないと思いますし、それ故になかなか伝わらない話だとも思うんですね。例えば今日の記事のタイトルをどうしようかと考えた際、一行で簡潔にそれを伝えられる言葉が思いつきませんでした。
 恐らくこの記事を読んでもなおピンと来ない人はたくさんいるでしょうし、「漫画は楽しめるけどアニメは楽しめないという人」も「漫画は上手く読めないけど、映画化してもらえれば観られるという人」も、なかなか他人に分かってもらえないという経験を多くしてきたんじゃないかなぁと思います。


 自分は比較的どのメディアでも楽しめるので、その点ではとても恵まれているんだなーと思いますし……そうでない人にとって、例えば今まで自分がほとんどチェックしてこなかった「オリジナルアニメのコミカライズ版」とか「人気漫画の実写映画版」なんかも大切な展開なんだなあと思ったりしました。
 「漫画は楽しめるけどアニメは楽しめないという人」に向けて、好きなアニメのコミカライズ版をチェックしてオススメしていったらコミカライズ版だけでも興味持ってもらえるかしら。

(関連記事:「小説から入る人」「漫画から入る人」「アニメから入る人」「実写映画から入る人」

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| 漫画読み雑記 | 17:55 | comments:14 | trackbacks:0 | TOP↑

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漫画の「レビュー」は、どのタイミングで書くべきか?

 最近の自分は「買ったけど読んでいなかった本」を片っ端から読んでいるのですが、最近ちょっと“漫画”について考えていることがあります。

 リアルタイムに読む楽しさと、完結してから一気に読む楽しさと

 これは2013年に書いた記事です。
 漫画を読む楽しみ方には、「まだ完結していない漫画を、続きを待ちながら楽しむ方法」「既に完結した漫画を最初から最後まで一気に読んで楽しむ方法」があるという話でした。私が片っ端から読んでいる「買ったけど読んでいなかった本」には、「まだ完結していない漫画」もあれば、「既に完結している漫画」もあるので、両方の楽しみ方を今の私は味わっているとも言えるのですが……


 私がこのブログで「漫画の紹介記事」として話題に出してきたのは、「既に完結している漫画」ばかりだったんですね。
 それは意図的にそうしてきたのですが、理由はシンプルにたった一つ「まだ完結していない漫画」はこれから先につまんなくなる可能性もあるからでした。例えば、とある漫画の1巻が発売されたとします。それを読んだ私はその面白さに感動して、ブログで「超面白いからみんなも読むんだ!」とオススメしたとします。しかし、そこから数ヵ月後に発売された2巻が全然面白くなかった時、私はそこに責任を持てない―――と思ってしまうんですね。

 同じようなことで、「ゲームの紹介記事」を書いていた頃は私は「最後までクリアしなければレビューは書いてはいけない」と思ってプレイしていました。
 例えば全10面のゲームがあって、自分は8面までしかプレイしていないのに「超面白い!」というレビューを書いてしまえば、その後の9面・10面がそれまでのことを台無しにするくらい超つまらなかったとしても責任が取れないと思うんですね。だから、しっかり最後までプレイしてからレビューを書くべきだろうと思っていました。


 「最終巻までちゃんと読んだ漫画」「クリアまでちゃんと遊んだゲーム」ならば、しっかりと責任を持って「面白かった!みんなにもオススメ!」と言えますから――――だから、私は「既に完結している漫画」だけを「漫画の紹介記事」として取り上げてきましたし、「まだ完結していない漫画」はどんなに面白くても完結するまでは紹介してきませんでした。



 でも、それだと「漫画の楽しみ方」の一つしか提案できていなかったとも思うんです。
 面白い漫画であっても「完結するまではブログで話題に出せない」という制約をつけてしまうと、ブログで話題に出せる作品は限られてしまうし、完結してから紹介される方も「もっと早く知りたかった」と思われるかも知れません。何より、作者や出版社からすれば「連載中に応援してくれないと打ち切りになっちゃうんですけど!?」ということもあるかも知れません。

 「そこから先につまらなくなるかも知れない」という可能性には目をつぶって、今後は「まだ完結していない漫画」も面白かったものはガンガン取り上げて応援していくべきかなと考えています。いや、別にウチのブログ程度でプッシュしたところで売上げがどーのこーのなんて変わらないと思うんですけど、このブログを読んでくださっている方々にとっても「今からなら、まだみんなで一緒に新刊を楽しみにする輪の中に追いつける」と思えると思うんですね。



 アニメの場合は、ウチのブログでも「まだ完結していない」のに「面白いからみんな観ようぜ!」と言っていたワケですからね。それは、アニメは後から追いかけるのが大変なのと、(テレビやネット環境があれば)アニメはリアルタイムに観るのならお金を払わなくても観られるというのもあるんですけど……例えば『がっこうぐらし!』の記事であんなに盛り上がったのは、「みんなで一斉にアニメ作品を観ている」リアルタイムの一体感があったからと思うのです。


 ゲームについてもちょっと思うことがあって……クリア後に「紹介記事」を書こうとすると、クリアまでに1ヶ月とかかかっちゃって、「紹介記事」を書いた頃には旬を過ぎてしまうことも多々ありました。それにクリア後に「紹介記事」を書く場合、私は「紹介記事」を書いた時点でそのゲームを辞めてしまうから、「紹介記事」を読んでからそのゲームを始めた人がいても、その頃にはもう私はそのゲームを辞めているんです。
 それならば、そのゲームを始めた直後に「ファーストインプレッション記事」を書いた方が、その記事を読んでからそのゲームを始めた人も私も、同じ時にそのゲームを楽しめるワケで……特に最近のゲームはMiiverseみたいに「みんなで一緒にゲームを遊ぶ共有体験」を重視しているのだから、そっちの方が大事かなと思うのです。



 ということで、今後は漫画についても「リアルタイムの一体感」を大事にして、「まだ完結していない漫画」も面白かったものはどんどんオススメしていこうかなと考えています。

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| 漫画読み雑記 | 17:54 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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新しい巻が出ても「前巻までの内容」をまるで覚えていない

 この記事の余談で書いた「読んだ本や観た映画の感想をメモしておけるWEBサービス」は、幾つか他のサービスをオススメしてくださった方もいらしたのですが、結局のところは自分で候補に挙げたメディアマーカーを使い始めることにしました。
 自分の用途に一番合っているのがコレだろうと思いましたし、実際に使い始めた手応えもなかなか良いカンジです。今後使い続けると不満点とか出てくるのかも知れませんけどね。


mediamarker1.jpg
<画像はメディアマーカーから引用>

 メディアマーカーの特徴は、ブログを書くように自分のコメントを残せるところです。「強調」「リンク挿入」「画像挿入」なども出来るみたいですし、「この行だけ非公開にする」みたいなことも出来るっぽいですね。
 画像は既にインターネット上にアップされたものを呼び出すカンジで、メディアマーカー自体にアップロードできるワケではありません。自分は完全に「自分用のメモ」のつもりで使っているので印象的なスクショとかを気軽に貼り付けられたらイイのにとは思いましたが、「公開」が前提のサービスですから著作権の問題とかでややこしくなりそうなので理解は出来ます。


mediamarker2.jpg
<画像はメディアマーカーから引用>

 その商品を「いつ買ったのか」「幾らで買ったのか」「読み終わったのはいつか」「評価は幾つか」「このコメントを公開するかどうか」を細かく設定できます。
 「いつ買ったのか」「幾らで買ったのか」を入力すると、月ごとに何に幾らお金を使ったのかのお小遣い帳代わりになりますし。「読み終わったのはいつか」を入力すると、月ごとに何冊の本を読んだのかの読書メモにもなります。


mediamarker3.jpg
<画像はメディアマーカーから引用>

 個人的に気に入っているのは「タグ付け」の機能です。
 自分の好きなタグを自分のためだけに付けられるので、例えば漫画本だったら「次の巻が出たら買いたい」「次の巻が出てももう買わなくてイイや」といったタグで分類したり、映画だったら「レンタルDVDで観た」とか「テレビでやっていたのを観た」みたいに分類したり出来ます。

 まだ独自メディアの登録はしていないので、Amazonにはない「ダウンロード専用ゲーム」とかの登録がどうなるのかは気になるところですが……今のところは「自分の好きなように使える痒いところに手が届いたWEBサービス」という印象です。




 さて、実際に読み終わった本を次々とメディアマーカーに登録してコメントを書いてみて思ったのですが……「非公開」のつもりで書くコメントって、自分でも驚くくらい辛辣なものが並ぶんですね。これはとてもじゃないですが「公開」には出来そうにありません。

 例えば漫画に対して、「全然絵が上手いとは思えない」「ストーリーが薄っぺらい」「イラストとしてはキレイなのかも知れないが漫画としては読みづらい」「姉妹がイチャイチャしてくれると期待したのにギスギスしたから残念」「とにかく人を殺せばインパクトになると思っているのかも知れないが、予定調和に人が死ぬので逆に緊張感がない」――――

 まだ数冊しか登録していないのに、ものすごいボロクソに書きまくり。
 もし「公開」するコメントだったら、絶対にこんなこと書けませんね。同じことをTwitterに書いたら、作品のファンから「オマエだって絵が下手だろうが!」「オマエにストーリーを読み解く力がないから薄っぺらく思えるだけだ!」「自分の好みを押し付けるな!」と罵詈雑言を浴びせられること間違いなし。


 そう考えると……私はブログやTwitterに感想を書く際、意識的に「その作品のファン」のことを考えて、全否定はしないように心がけてきたんだなぁと思います。まぁ、そもそも「ブログやTwitterに感想を書く作品」というだけで「みんなにオススメしたいもの」しか感想を書いていないってこともあるんですけど(※1)

 しかし、私がメディアマーカーに記録を残し始めた狙いは、好きなものも嫌いなものも読んだ&観た&遊んだ記憶を記録したいというものですから、しっかりと本音を書かなきゃならないんです。後で読み返した時に記憶を取り戻せるくらい、自分の率直な感想を書かなくてはならないんです。
 だから、メディアマーカーに書いているコメントは、今後も「公開」には出来ないと思います。オススメしたいものがあったら、そのコメントを元にブログやTwitterに投稿していきますんでご容赦を。

(※1:ゲームだけは「遊んだゲームは全部紹介記事を書く」としていたために……最終的に、「全部書くのを辞めよう」となってしまったのですけど・笑)



 さて、実はここからが本題。
 こういう「読書などの記録」を始めようと考えた理由はもう一つ、連載中の漫画の「何巻まで読んだ」という感想を記録したかったからというものもありました。

 子どもの頃は「コミックスを集めている漫画作品」なんて、せいぜい3~4作品くらいしかなくて、なので新しい巻が出るまでに前の巻を何回も何回も読み直して覚えていて、新しい巻が出たら「やったー!続きが読めるぞー!」とワクワクしながら買いに行っていたのですが。

 現在自分が「コミックスを集めている漫画作品」は、まだ完結していないものだけでも恐らく30~40作品くらいあるんじゃないかと思います。そうするとそんなに何回も何回も読み直す時間はありませんから、新しい巻が出ても「どんな話だったっけ……」と覚えていません。それが5巻とか6巻くらいならばまだ新刊が出る度に「1巻から読み直そうかな」と思えるのですが、10巻や20巻ともなると読み返すのもちょっとした一大プロジェクトです。
 その結果、新しい巻が出ても、前の巻までの話を覚えていないから「全巻完結したら1巻から一気に読もうかな」と放置してしまう作品が結構あるのです。

(関連記事:先週までの内容を覚えていられない
(関連記事:リアルタイムに読む楽しさと、完結してから一気に読む楽しさと


 ということで、「読書の記録」を始めようと考えたのです。
 これらのWEBサービスは1冊ごとに感想を書きこんでいきますから、「1巻の感想」「2巻の感想」「3巻の感想」「4巻の感想」「5巻の感想」「6巻の感想」……と記録していけます。新しい巻が出た時に、1巻から読み返す時間はなくても、自分の書いた「各巻の感想」を読み返せばザックリとした記憶が呼び起こせるんじゃないのかと思ったのです。

 しかし、これはTwitterなどには書きこめません。「自分の記憶を呼び起こす」くらいのことを書かなくてはいけないので、「まさかあのキャラが死ぬだなんて!!」みたいな思いっきりネタバレを書かなくてはなりませんし。逆に「この後どうなるのか超楽しみだ!」と書こうものなら雑誌派の人から「その後はこうなりますよ」とネタバレ喰らって、「ネタバレすんじゃねえよ!」「本当にその作品を好きならば雑誌くらいチェックして当然だ!雑誌のネタバレをされたくらいで怒るんじゃない!」と泥沼の罵り合いが始まるのは目に見えています。


 なので、こういう「自分の感想」を「非公開」にして1冊ずつ残せるWEBサービスを探していたのです。これがしっかりと機能するかは、何年もかけて使ってみないと分からないと思うので数年後にでも結果を書こうと思います(笑)。

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| 漫画読み雑記 | 17:55 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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昔の名作漫画のアニメ化を、私が歓迎したい理由

 賛否両論あると思いますが、私はとても嬉しかったニュースです。

 うしおととら : 今夏初のテレビアニメ化 累計3000万部の人気妖怪マンガ

 何故なら、私は『うしおととら』を読んだことがないからです。
 『うしおととら』は1990年~1996年に週刊少年サンデーで連載された藤田和日郎さんの大人気漫画で、通常版のコミックスは全33巻だそうです。私はリアルタイム世代と言えなくもないのですが、私がこの漫画の存在を知った時は既に長期連載になっていてコミックスが20冊とか25冊とか出ていた頃でした。

 「面白いよ!」「名作だよ!」「絶対に読みなよ!」とは、連載中も連載終了後も言われまくりましたが……その漫画をまだ「自分にとって楽しいかどうか」も分かっていない状態で、コミックスを20冊とか30冊とかポンと買うことは自分には出来ませんでした。
 子どもの頃は財力の問題で、大人になってからは置き場所と読む時間の問題でハードルが高く、今日まで「読みたいけど読めなかった名作漫画」だったのです。


 だから、アニメ化されるのはすごく嬉しいのです。
 私は好きな漫画がアニメ化されても楽しめないので、同じように90年代に連載されていた漫画のアニメ化だった『レベルE』も『ジョジョ』も『寄生獣』も、原作が大好きなのでアニメは観ませんでしたが。『うしおととら』は原作を読んだことがないのでアニメを観てみようと思います。
 逆に、アニメが面白かったことで原作を後から読んでみると「アニメも原作もどっちも面白い!」と私は思うので、アニメが面白かったら原作もチェックしてみようと思います。今ならば電子書籍版もありますしね。

(関連記事:アニメの後に原作を読むススメ



 さてさて。
 さっきもチラッと書きましたが、『うしおととら』に限らず「90年代に連載されていた漫画が今になってテレビアニメ化される」ことって続いていますよね。

『レベルE』:原作は1995年~1997年連載、2011年にテレビアニメ化
『ジョジョの奇妙な冒険』第1~2部:1987年~1989年連載、2012年~2013年にテレビアニメ化
『ジョジョの奇妙な冒険』第3部:1989年~1992年連載、2014年~テレビアニメ化
『寄生獣』:1988年~1995年連載、2014年~テレビアニメ化


 パッと思いついたのはこんなところ。
 また、今回が初のテレビアニメ化ではありませんが、こちらも2014年からWEBアニメで放送されている『美少女戦士セーラームーンCrystal』も1992年~1997年に連載された漫画を原作にしたアニメです(自分は観ていないので詳細は分かりませんが1992年~1997年に放送された過去のテレビアニメ版よりも、原作漫画に忠実な展開らしい…?)。

 アニメ以外のメディアミックスで言うと、『るろうに剣心』は1994年~1999年に原作漫画が連載されていた作品で、2012年と2014年に実写映画化されていますし。先ほど書いた『寄生獣』も、テレビアニメ化だけでなくて実写映画化もされています。
 映画ではなくテレビドラマで言えば、『地獄先生ぬ~べ~』も、1993年~1999年に原作漫画が連載されていて、2014年に実写ドラマ化されていましたね。



 何故、こうも1990年代の漫画が今になってアニメ化されたり映画化されたりするのか―――

 色んな理由が言われていますけど。
 1990年代に消費者としてこれらの作品を楽しんでいた10代の若者も、今や30代や40代になっているのですから……かつてのファンが「コンテンツを作る側」の中核になっているというのもあると思います。
 1990年代の作品じゃないですけど、1980年代に『ガンダム』シリーズを楽しんでいた人達が「ガンダムファンによるガンダムファンに向けたガンダム作品」として『ガンダムUC』を作ったみたいなこともありますものね。かつてのファンがシリーズを作る側に回っていく……


 また、単純に今の10代・20代よりも30代・40代の方が人口が多いし、お金も持っているということもあると思います。深夜アニメをビジネスとして成立させている「DVD&ブルーレイの販売」を考えると、20代の人はともかく10代の中高生に全巻買わせるのは厳しいでしょうし、人数も違います。


 あと、自分はあまり好きな意見じゃないですけど、「アニメの数が多すぎてアニメ化して売れそうな原作がもう残っていない」という意見も見ました。世の中にはまだまだ面白い作品があると思いますし、もし良さげな原作がないのならオリジナルやればイイじゃんって私は思うので、全面同意は出来ませんが……
 確かに、90年代と現在では「アニメ化される作品の数」が違いますもんね。『ジョジョ』や『うしおととら』が当時テレビアニメ化されずにOVA化に留まっていて、ここ数年でテレビアニメ化されるいうのは象徴的でもあります(ビジネスモデルの変化というのもあるとは思いますが)。



 ただ……こういう「ビジネス的な理由」だけじゃなくて、もうちょっと夢のある話をするのなら。原作を知らない世代にも、「名作」に触れる機会が与えられるって考えも、私は主張していきたいです。
 それこそ『うしおととら』を読んだことがないからこそテレビアニメ化が楽しみな私のように、今の10代・20代には『うしおととら』を読んだことがない人も多いことでしょう。1996年って19年も前ですからね。マリオが3Dになってビックリしていた時代ですよ。まだ『FF7』が出ていないし、日本はサッカーW杯に出場したことがないし、ポケベルと小室サウンドの全盛期ですよ。

 「『うしおととら』って名前は聞いたことあるけど読んだことないなー」という人が最初に触れるには、テレビアニメ化はイイ機会だと思います。実際、『ジョジョ』のアニメ化でも「『ジョジョ』読んだことがなかったけど面白いな!」という声は意外なほど多かったですもの。
 自分も含めて『ジョジョ』大好きな立場からすると、『ジョジョ』くらい大メジャーな漫画だったら日本国民全員が読んでいるに違いないって思ってしまいがちなんですが……どんな大メジャーな作品であっても読んだことがない人はいるし、世代が違うとなおさら読んだことがない人も増えることでしょう。


 記事の前半では敢えて書きませんでしたが、これって別に「1990年代の作品」に限った話じゃないんですよね。
 「昔の名作を、現代の技術で蘇らせる」ことは古今東西行われてきました。『鉄腕アトム』のアニメだって、1963年~1966年の第1作が、1980年~1981年にリメイクされていますし。ハリウッド映画だと「名作アメコミを現代にリブート」は立派な巨大ジャンルになっていると思います。

 自分がついこないだまでdアニメストアの「見放題」で観ていた『墓場鬼太郎』は、少年誌で連載されてテレビアニメ化もされて後に『ゲゲゲの鬼太郎』というタイトルで大メジャーになる作品の、貸本時代だった1960年代の作風を2008年にテレビアニメ化した作品でした。
 流石に貸本時代の原作なんて読んだことがない私ですが、「元々はこういう話だったのか!」と原作を知らないからこそ楽しみました。

 2012年のテレビアニメ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』も似たような路線で、27年ぶりの連続テレビアニメでしたが、テレビアニメや劇場版アニメで定着したコミカルな路線ではなく、1967年~1969年に連載された原作に近いシリアスなテイストを目指して主要キャラの若い頃の姿を描いた作品とのことでした。
 2014年には『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』という劇場版も公開されましたね。

 2013年にテレビアニメ化されて前後して劇場版も公開された『宇宙戦艦ヤマト2199』は、1974年のテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクですし。
 現在放送されている『夜ノヤッターマン』は、1977年~1979年に放送されたテレビアニメ『ヤッターマン』を現代風に大胆にアレンジして、敵側を主人公にして描いている作品です。


 テレビアニメではなく、実写映画の話で考えると……

・『ヤッターマン』:1977年~1979年に原作アニメが放送、2009年に実写映画化
・『宇宙戦艦ヤマト』:1974年~1975年に原作アニメが放送、2010年に実写映画化
・『あしたのジョー』:1968年~1973年に原作漫画が連載、2011年に実写映画化
・『ガッチャマン』:1972年~1974年に原作アニメが放送、2013年に実写映画化
・『パトレイバー』:1988年~1994年に原作漫画が連載、2014年から実写化プロジェクト


 毎年のように過去の名作漫画やアニメの実写映画は作られていますし。
 『ぬ~べ~』のような実写ドラマ化で言うと、日本テレビの土曜9時台のドラマは……

・『怪物くん』:1965年~1969年に原作漫画が連載、2010年に実写ドラマ化
・『妖怪人間ベム』:1968年~1969年に原作アニメが放送、2011年に実写ドラマ化
・『地獄先生ぬ~べ~』:1993年~1999年に原作漫画が連載、2014年に実写ドラマ化


 昔の漫画やアニメのリメイクとかも多いんですよね。




 これらの「昔の名作を、現代の技術で蘇らせる作品」達は……名作をリアルタイムに楽しんでいた世代だけをターゲットにしているワケではなくて、リアルタイムには知らない「名前は聞いたことあるけど観たことないなぁ」という世代に向けても作られているのだと思います。
 原作を今から読む&観るのはハードルが高いけど、テレビで放送されるor映画1本で観られるのならじゃあ観てみようかなという人に向けても作られているのでしょう。

 実写映画とか実写ドラマの例を見るに、リアルタイムに楽しんでいた世代が親になって、リアルタイムには知らない自分の子どもに「これ、お父さんは昔のを観てたんだぞ」と見せてあげたくなる作品という側面もあるように思えますね。

 ん……ということは、何だ……?
 今になって1990年代の漫画がアニメ化されたり映画化されたりするのは、10代で『ぬ~べ~』読んでいた世代が大人になって結婚して子どもを作って家族団らんの中でドラマを観ているってことなのか……?あ、ヤバイ。死にたい。




 閑話休題。
 ということで、今になって1990年代の漫画がテレビアニメ化されていく現状は私は嫌いじゃないです。自分が観ようと思っている『うしおととら』はもちろん、自分が観なかった『レベルE』とか『ジョジョ』とか『寄生獣』とかもコレをきっかけに「こんな面白い作品があるんだ」と知ってくれる人がいるのなら、それらの作品が大好きな自分も嬉しいです。


 ただし、問題点もあります。
 「現代の技術で蘇った作品」が原作に比べて酷い出来だったり、似ても似つかない作品だったりした場合……原作を知らない人に「○○ってあんなもんでしょ?大して面白くなかったよ」と思われかねないのです。これはまぁ、「昔の作品」だけじゃなく「最近の人気作品のアニメ化」とかでもそうなんですが。

 だから……「テレビアニメ化」ならともかく、自分の大好きな漫画が「実写映画化!」とかされたら私は逃げ出したくなると思います。『スラムダンク』辺り、狙っている会社がないワケがないのですごく怖いんですけど、井上先生が拒否しているのかバスケットボール題材の実写は難しいのか、幸いなことにまだ無事ですね。無事って言い方もアレですけど(笑)。


 また、原作がメジャーすぎるからこそ「こんなのみんな知っているでしょ?」と平然と原作ファンがネタバレをしてくる問題もあります。『ジョジョ』とか、自分でもうっかりしてしまいがちですもん。「この後コイツこうなるんだよねー」とか「○○戦がすげえ好きなんだよねー」とか、みんなが知っていると思い込んでついつい言ってしまいそうになりますもの。
 『うしおととら』はすげー楽しみだけど、今からネタバレ地獄の恐怖との戦いです。ネタバレ踏まないようにどれだけ気をつけても、リプライとかコメントで直接送ってくる人いますからね……仕方がないので、そういうのはブロックとかアク禁で対応していこうと思います。

(関連記事:ネタバレは哀しいかな「善意」で行われる

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| 漫画読み雑記 | 17:52 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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「電子書籍を見開きで読むか1ページごとに読むか」の投票結果発表

 先月に書いた記事「見開きで読むか1ページごとに読むか、電子書籍時代で漫画はどうなる」の中で取ったアンケートの結果が出ました。


『電​子​書​籍​で​漫​画​を​読​む​場​合​、​ど​ち​ら​で​読​む​こ​と​が​多​い​で​す​か​?​』

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 「1ページごとに表示して読んでいる」という人が過半数でした。
 しかし、「見開きで2ページずつ表示して読んでいる」という人も3分の1と、決して無視して良い数でもなく……「どっちの人もいるからどっちの人も無視できない!」という結論になってしまいました(笑)


 さて……ここで話を終わらせると記事を書く時間がものすごく短縮されるのですが、頂いた投票時のコメントがなかなか興味深かったので紹介していきます。
 “コメントで「使っている端末は○インチの××です」みたいなことを書いてくださるとありがたいかな。”と前回の記事に書いたところ、たくさんの人が使っている端末を書いてくれたので、“使っている端末”を列挙してみようかなと。


◆ 見開きで2ページずつ表示して読んでいる
○ 9.7インチ
・iPad Air
・iPad3
○ 8.9インチ
・Kindle Fire HD 8.9
○ 7インチ
・キンドルファイアHD
・iPadmini
・キンドルHD
● その他
・PC

◆ 1ページごとに表示して読んでいる
○ 10インチ(?)
・Xperia tablet s
○ 9.7インチ
・iPad
○ 7インチ
・タブレット
○ 5インチ
・スマホ
○ 4.3インチ
・スマホ
○ 4インチ(?)
・iPhone
● その他
・スマホ

◆ もっと拡大して読んでいる
○ 4インチ
・iPhone5
● その他
・ノートパソコン


 あくまで「全体的な傾向」であって、例外の人もいますけど……
 「見開きで表示して読んでいる」人は大画面のタブレット端末を使っている人が多く、「1ページごとに表示して読んでいる人」はスマホなどで読んでいる人が多い傾向があるみたいですね。自分は「スマホで電子書籍の漫画を読んでいる人」がこんなにいると思っていなかったので、アンケートしてみるものだと思いました。

 つまり、「見開きで読みたい!」とか「1ページごとに読みたい!」という趣向で決めているというより、“持っている端末で読みやすい方法”が選ばれているんだなと思うんです。
 裏っ返して考えると、1ページごとに表示して読んでいる人が多いのは、日本では「タブレット端末」よりも「スマホ」の方が圧倒的に普及しているからという考え方も出来ますね。



 なので、例えば「大画面のタブレット端末」が今後どんどん安くなるとか高性能になるとかすれば、日本でも普及して「見開き表示」で読む人が増える―――という可能性もなくはないですし。
 日本で「タブレット端末」よりも「スマホ」の方が圧倒的に普及している理由を考えると、電車の中などで片手で持って見やすいなどの携帯性・利便性が大きいと思うので……仮に「大画面のタブレット端末」が普及したとしてもそれを持ち歩く人ばかりではないから、やはり今後も「1ページごと」に読む人が多い―――という考え方も出来ます。



 この「どっちの人もいる」状況を打開するには、SF作品なんかでよくある「空中ディスプレイ」を使った端末が出てきてiPhone並に普及するとか……ですかねぇ(笑)。「端末は小さい」けど、「画面は大きい」という画期的な端末!何となく目が疲れそう!

 もしくは『とある魔術の禁書目録』『とある科学の超電磁砲』に出てくる白井黒子の携帯電話みたいに、「普段はスティックサイズ」だけど「引き出すと巻きいれてあったタッチパネルが出てくる」というのはどうでしょう(こういうの)。耐久性がすごく不安ですし、片手で持つのが大変そうですが!


| 漫画読み雑記 | 17:57 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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見開きで読むか1ページごとに読むか、電子書籍時代で漫画はどうなる

 日本版のキンドルが始まって、もう1年半が経過しました。
 キンドルに限った話ではありませんが、電子書籍はしょっちゅう期間限定セールを行うこともあって、自分の場合「新しい作品に手を出す」時には電子書籍で買うことが圧倒的に多くなりました(※1)

(※1:流石に、紙の本で集めている漫画の続刊は紙の本で買いますけど)


 んで、最近ちょっと気になることがあります。
 電子書籍の漫画をタブレット端末で読む場合……縦に持つと「1ページごと」に表示され、横に持つと「見開き」で表示されます。

1pagegoto1.jpg
<縦に持った場合>

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<横に持った場合>

 「されます」と自信満々に書きましたが、機種によっては「されない」ものもあるみたいですね。設定で変えることやロックすることも出来ます。とりあえずこの記事は「される機種で読んだ」自分の経験をベースに語ります。



 作品によっては「見開き」で表示した際に、左右のページがきっちり合わさって「見開きの絵」が「1枚の絵」に見えるようにしてくれるところもあって。物理的にどうしても2枚の紙に分かれてしまう紙の本と比較して、電子書籍で漫画を読む利点に思えるところですね。問題は「全部の作品がそうではない」ところですが(笑)。

1pagegoto2.jpg
<『ヤマノススメ』1巻より・縦に持った場合>

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<『ヤマノススメ』1巻より・横に持った場合>



 ということもあって……
 電子書籍で漫画を読む場合、私はほとんど「見開き」表示にして読んでいます。
 7インチのタブレット端末に「2ページ表示」するとかなり小さくなってしまいますが、元々小さい文字を読むのが苦手ではなかったため、抵抗があったのは最初だけですぐに慣れました。
 紙の本で読むために作られている漫画は「見開きで読むこと」を前提にコマ割されているでしょうし、それを電子書籍に“移植”したものはやはり「見開きで読む」方が作者の意図通りに楽しめるんじゃないかと思いましたんで。


 ただ、恐らく「見開き」表示だと画面が小さくなるから、「1ページごと」に読んでいるよって人もいることでしょう。タブレット端末やキンドルペーパーホワイトならまだしも、スマートフォンのようなもっと画面の小さい端末で読んでいる人もいるでしょうし、そもそも「見開き」表示にする必要のない漫画も多いですもんね。4コマ漫画とか。
 先ほど私は“ほとんど「見開き」表示にして読んでいます。”と書きましたが、4コマ漫画は「1ページごと」に読んでいます。コマ割の変化がありませんし、文字も多いですから。



 この「読む人がそれぞれの好みの環境で読むことが出来る」というのは、電子書籍最大の利点だと私は思っています。以前に、大型タブレットならば紙の本の単行本より大きなサイズで読めるという話を書いたことがありましたよね。

(関連記事:サイズが小さくならない漫画単行本――電子書籍の可能性


 ただ、同時に……「読み手の環境を統一できない」ことは欠点でもあるなと最近は思うようになりました。

 作り手としては「見開きで読む人もいる」「1ページごとに読む人もいる」状況ですから、どちらに合わせて作ればイイのか難しいと思うのです。
 先ほどの『ヤマノススメ』の見開き絵は1ページ目だけ見てもよく分からなかったことでしょう。見開きで読む人に合わせて「見開きの絵」を使うと、1ページごとに表示している人には「ん?何だこの絵?」→「あー、見開きだったのかコレ」と思われてしまうのです。せっかくの見せ場なのに!
 逆に1ページごとに読む人に合わせて「見開きの絵」を使わないと、「見開きの絵」を期待して見開きで読んでいる人には物足りなく思われてしまうかもですし。


 また、読み手としても「どちらで読めばイイのか」分からない状況だと思います。
 初めて読む作品の場合「見開きを使う漫画なのか」「字は細かいのか」なんて分かりませんし、もっと言うとこれから電子書籍で漫画を読もうって人がどのサイズの端末を買えばイイのか悩むと思うのです。

 環境が自由に選べることによって、どれを選べばイイのか分からなくなる――――キーコンフィグなどの細かい設定をプレイヤーが選べるゲームの方が、どう設定してイイのか分からなくなる、みたいな話が電子書籍にもあると思うのです。


 KDPで「電子書籍でしか読めない漫画」を発売した自分が思うに、それなら作者の側から「この漫画は見開きで読むことを想定して作りました」「この漫画は1ページごとに読むことを想定して作りました」と提示することも手かなと思いましたが……
 実際に今、電子書籍で漫画を読んでいる人が「見開き」と「1ページごと」どちらで読んでいるのかが気になったので、困った時のアンケートを取ろうと思います!!



―投票は受付終了しました。結果は後日、別の記事で書く予定です―



 これは「4コマ漫画」等のコマ割が固定されている漫画ではなく、普通のコマ割が固定されていない漫画を“どんな漫画なのかも知らずに”読む場合に、とりあえずどうやって読むのかという質問です。「作品に依るよ」と思われるでしょうが、とりあえず最初はどう読むのかを知りたいのです。

 電子書籍に限った話なので、「電子書籍なんて読んだことがありません」という人は申し訳ないですが参加対象外です。
 電子書籍のサービスはキンドルに限りませんし、使う端末もタブレット端末やキンドルペーパーホワイトに限らず、パソコンやスマホで読んでいるという人も意見をくださると助かります。コメントで「使っている端末は○インチの××です」みたいなことを書いてくださるとありがたいかな。

 「もっと拡大して読んでいる」は、例えば1ページの上半分ずつ表示させて読んでいるとか、1コマずつ表示させるサービスで読んでいるとか―――画面の小さいスマホ等では活用している人がいるんじゃないかと思ったので選択肢に加えました。
 「その他」は、その三つの選択肢のどれでもカバーしきれない場合、私が想像もしていないような読み方をしている場合は、コメントでそれを教えて欲しいなと思ったので選択肢に入れてあります。



 電子書籍の今後の発展のため―――なんてお題目ではなく、単純に「みんなはどうなんだろう?」と知的好奇心を掻きたてられたのでアンケートにご協力いただけるとありがたいです。

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| 漫画読み雑記 | 17:56 | comments:4 | trackbacks:1 | TOP↑

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「強い敵に挑む主人公」の物語と、「強い主人公に挑む敵」の物語

※ この記事は漫画版『幽遊白書』全19巻と、漫画版『ハンター×ハンター』32巻までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。


 最近Twitterでよく見かけるのが「俺TUEEE系作品」の話題。
 私はその例として挙げられている『ソードアートオンライン』や『魔法科高校の劣等生』を読んでいないし観ていないので、否定も肯定も出来ませんし、どこが議論のポイントになっているのかもよく分かっていないのですが……この話題をきっかけに思い出した、すごく面白い記事がありました。



 ジョジョの第二部と第三部はお話の構図が対照的だと思った不倒城さん)

 しんざきさんの切り口は「言われてみて初めて気付いたけど、どうして今まで気付かなかったんだ!」と腑に落ちるものばかりですが、この記事もまさに。どうして今まで気付かなかったんだ!と、読んだ当時悔しさすら感じました。


 『ジョジョの奇妙な冒険』第二部は、「柱の男」達という超超超強い敵との戦いの物語でした。どのくらい超超超強いかと言うと、第一部でアレだけ主人公達を苦しめた「吸血鬼」を食糧としてしか見ていないくらいの強さです。「食物連鎖の頂点」であり、インフレバトルの頂点。
 それに挑む主人公ジョセフ・ジョースターは、「柱の男」達よりも圧倒的に弱いのだけど、ありとあらゆる手を使って最強の敵を何とかして倒していくのです。つまり、『ジョジョ』二部は「最強の敵」に「搦め手で挑む主人公」を描く物語なのです。


 それと対照的に、現在アニメが放送されている『ジョジョの奇妙な冒険』第三部は主人公チームがムチャクチャ強いです。主人公である空条承太郎がそもそも作中で最強クラスの強さであるのに加え、仲間達もそこそこの強さと知性とメンタルを持ち合わせていて、磐石のチームと言えます(※1)
 ディオからの刺客として主人公チームに挑むスタンド使い達は、なので「ありとあらゆる手を使って主人公達を倒そう」としてきます。正攻法では適わないから、正体を隠し、標的を一人ずつ、暗殺者のように狙ってくるのです。もし正攻法で戦ったのなら主人公チームが瞬殺できるような相手にも苦しめられる恐怖がありますし、敵側も「承太郎には絶対に適わないから、ポルナレフだけを狙おう」みたいなことをやってくるのです(笑)。

 つまり、『ジョジョ』三部は「最強クラスの主人公チーム」に「搦め手で挑む敵」を描く物語なのです。

(※1:流石に終盤は敵も鬼のような強さになっていきますが、その辺はネタバレになるので伏せておきます)



 さて、何故このタイミングで2年前のしんざきさんの記事を思い出したかと言うと……
 先日『幽遊白書』についての記事を書いて、『幽遊白書』の「バトルの描き方」の変遷を見ていったことで……この『ジョジョ』二部と三部の話に当てはめられるなと思ったのです。


 いや、もっと言うと……
 全てのバトル漫画やスポーツ漫画は、『ジョジョ』二部のような「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語と、『ジョジョ』三部のような「強い主人公に“弱者”である敵が挑む」物語で分析・説明できるんじゃないかと思ったのです。



 では、『幽遊白書』を例に出すと……
 霊界探偵になったばかりの幽助の戦いは、「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語なのです。剛鬼にしろ、飛影にしろ、牙野にしろ、風丸にしろ、乱堂にしろ、全て普通の状態で戦ったら幽助は適わない相手です。じゃあどうやって倒すのか―――で使われるのが「1日1発しか撃てない霊丸」で、この一撃でのみ幽助に逆転のチャンスが与えられているのです。

 四聖獣編も、「飛影vs青龍」は例外ですが、「蔵馬vs玄武」も「桑原vs白虎」も「幽助vs朱雀」も全て敵側の方が強いところを逆転の一手で打ち破るという戦力構造になっているのです。この頃の『幽遊白書』は『ジョジョ』二部的な物語と言えるのです。


 しかし、これが暗黒武術会に入ると戦力構造が変わります。
 最初に戦う六遊会チームは、「蔵馬vs呂屠」は微妙ですが、「桑原vs鈴駒」「幽助vs酎」は“実力が近しいもの同士の対決”になっています。結果こそ瞬殺でしたが「飛影vs是流」も未完成の黒龍波を使わざるを得なかったくらいなので、実力差はそれほど大きくなかったと思います。

 六遊会チーム戦は、戦力差のあまりないチームとの真っ向勝負だったと言えます。


 Dr.イチガキチーム戦は、ガチンコの戦いが出来なかったので省くとして……


 続く魔性使いチーム戦、裏御伽チーム戦は……「幽助vs陣」のような例外もありますが、基本的には主人公チームの方が戦力が充実してしまっているため、主人公チームにのみハンデを背負わせ敵側も搦め手を駆使して戦うようになりました。
 魔性使いチーム戦は大会運営サイドからの罠で「2人vs5人の勝ち抜き戦」にさせられた上に、蔵馬は1戦目で妖気を封じられて大ピンチになりましたし。裏御伽チーム戦は幽助と覆面戦士不在な上に、特殊な闇アイテムを駆使して実力以上のものを見せる敵に苦戦させられました。


 この二戦は『ジョジョ』三部のような「強い主人公に“弱者”である敵が挑む」物語の傾向がありますし、「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語の究極だった戸愚呂チーム戦を経て、暗黒武術会以後の“魔界の扉”編はまさにそういう話になっていきます。
 仙水忍を例外とすれば、“魔界の扉”編に出てくる敵は「強さ」という点では大したことのない連中ばかりです。しかし、主人公達の能力を研究し、「相手の力を最小限に抑え、自分達の能力を最大限に生かす戦法」を取ってくる相手に苦しめられるのです。

 そもそも“領域(テリトリー)”が“幽波紋(スタンド)”のパロディだから当然なのかも知れませんが、この時期の『幽遊白書』は『ジョジョ』三部のような「強い主人公に“弱者”である敵が挑む」物語だと言えるのです。

(関連記事:“パクリ”と紙一重の“パロディ”だった『幽遊白書』



 「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語と、「強い主人公に“弱者”である敵が挑む」物語―――どちらが面白いかと言うと、どちらにもそれぞれちがった面白さがあるとしか言いようがないのですが。『ジョジョ』にしろ『幽白』にしろ、「強い敵に挑む主人公」→「強い主人公に挑む敵」の順に戦力構造が変わっているというのが興味深いです。

 『幽遊白書』は確か作者に「途中から主人公達を描くのに飽きてしまい、敵側を描く方が楽しくなった」と言われていたと思うのですが、まさに今回の話に繋がると思うのです。「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語はネタに限界があるのです。
 吸血鬼が出てきましたー→強いですー→何とか倒しましたー→もっと強い柱の男が出てきましたー→超強いですー→何とか倒しましたー、という流れで、もし第三部で単純に「柱の男よりももっと強い敵」を出しただけだったら強さのインフレが進むだけだったと思いますし。読者としても“慣れ”てしまいます。


 『幽遊白書』もこのワンパターン化を防ぐため、剛鬼戦・飛影戦は「霊丸で逆転して何とか倒す」、乱童戦は「霊丸使えない状態で何とか倒す」、朱雀戦は「命を削ってでも倒す」、戸愚呂兄弟戦は「味方を撃ってでも倒す」と工夫を凝らしていましたが……
 暗黒武術会に入ってからは戦力構造を変えて、「敵側が搦め手を使ってくる」ようになるというのは―――「強い主人公に“弱者”である敵が挑む」物語の方が、構造的に次から次へと新しい敵を出せるのでネタが続きやすいところがあるのかなと。


 「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」はどんどん強い敵を出さなければいけませんが、「強い主人公に“弱者”である敵が挑む」物語は敵が弱ければ弱いほど面白いですからね。
 こんなに弱い敵に、強い主人公が苦しめられるのにハラハラドキドキさせられるのです。『幽遊白書』で言えば、「影を踏まれただけで負ける」「あついと言っただけで負ける」みたいな。搦め手で挑んでくる敵は、作者のアイディアが続く限りはずっと新しいことが起こせますし、個性的な戦いをしてくる敵を出せますし、作品の寿命を長引かせる効果があるとも言えます。




 『ジョジョ』や『幽遊白書』に限らず、色んな作品を「強い敵に挑む主人公」の物語と「強い主人公に挑む敵」の物語という切り口で分析してみると面白いと思います。

 例えば『ドカベン』も、不知火や土門と戦う時は「超強い敵に主人公達が挑む」戦いと言えるのだけど、明訓高校が常勝チームになっていくと搦め手を駆使するブルートレイン高校や山田を全打席敬遠する中二美夫のように「強い主人公に搦め手で挑む敵」が現れたりするという。

 『スラムダンク』は基本的に敵側の方が強いチームのことがほとんどで「強い敵チームに挑む主人公チーム」の物語なのですが、ネタバレになるのでどの試合かは言いませんけど、大量点をリードして追われる身になって初めて自分達が分析されて追い詰められるという試合があります。あの試合の終盤は「強い主人公チームに挑む敵チーム」の物語になっているとも言えますね。




 多くのバトル漫画やスポーツ漫画は、「強い敵に挑む主人公」の物語と「強い主人公に挑む敵」の物語の両方を併用していると思いますし。併用することによって、どちらか一辺倒になるワンパターン化を防いでいるとも言えますね。『幽遊白書』において搦め手を駆使していたはずの仙水忍こそが実は最強だったというのは、冨樫先生流の“ハズシ”だったと考えれば合点がいきます。


 「俺TUEEE系作品」への批判については、私はそれらの作品を読んでいないし観ていないので何とも言えないのですが、議論の根本にあるものは「主人公が最強かどうか」よりも「ワンパターン化しているかどうか」にあるんじゃないかなと『ジョジョ』と『幽遊白書』の話を考えて思った次第であります。

 また、「超強い主人公」をわざわざ描くのは、その「超強い主人公」を描きたいというよりかは「その超強い主人公に挑む敵キャラ」を描きたいって作者も多いと思います。そういう戦力構造の方が個性的な敵キャラを次々と出せますからね。
 「超強い主人公」だけを見て、作者や読者に対して「現実で何も出来ない人が超強い主人公に自己を投影しているに過ぎない」とか言う人いるんですけど、主人公だけで作品が出来ているワケじゃないのですよ!


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○ 余談:実は『幽遊白書』とはちがうアプローチの『ハンター×ハンター』
 ここからは余談です。
 霊丸の話と今回の話と、『幽遊白書』のバトルの変遷を連続で振り返ってみて思ったのですが……同じ作者の漫画である『ハンター×ハンター』は、一貫して「強い敵に挑む主人公」の物語なんですよね。


 序盤こそゴンが「飛びぬけた才能を持った野生児」として描かれていますが、ハンター試験編→天空闘技場編ではヒソカの方が遥かに格上だと描かれていますし、ヨークシン編では幻影旅団の方が遥かに強いと描かれていますし、グリードアイランド編では“爆弾魔”の方が実力者でしたし、キメラアント編もキメラアント軍団の方が圧倒的に戦力が整っています。

 『幽遊白書』が「強い敵に挑む主人公」の物語→「強い主人公に挑む敵」の物語に変遷していったのとは対照的に、『ハンター×ハンター』はずっと「強い敵に挑む主人公」の物語なんですね。だからこそ、ずっと「ゴンとキルアの成長物語」でい続けられたのですが。



 『ハンター×ハンター』は『幽遊白書』よりもよっぽど長期連載になっているのだけど、どうしてそれで「ネタギレ」とか「主人公を描くのに飽きる」とかにならないのかと言うと……『ハンター×ハンター』って、「○○編」で毎回“主人公チーム”が変わるんですよね。
 ゴンとキルアは毎回固定ですが、ヨークシン編ではクラピカ達の物語が並行して描かれていましたし、グリードアイランド編ではビスケだったりゴレイヌだったりが加わっていましたし、キメラアント編では会長やナックル&シュートなど多数の仲間とチームを組んで戦う話でした。

 また、“主人公チーム”が変わるということと密接に関わっている話なんですが、『ハンター×ハンター』って別に「ゴンとキルアが敵をやっつけてメデタシメデタシ」みたいな終わり方をしないんですね。ハンター試験編ではヒソカに「借り」が出来たまま終わるし、天空闘技場編では試合に負けて終わっているし、ヨークシン編は団長を一時無力化しただけで終わってしまったし、グリードアイランド編だけは珍しくゴンとキルアが成し遂げて終わったのですが、キメラアント編はゴンもキルアも関係ないところで決着が付いてしまっていました。


 『幽遊白書』がキャラクター人気の非常に高いジャンプのバトル漫画の看板作品になってしまったために、主人公達を描くのに飽きてしまっても描き続けなければならなかったのとは対照的に。
 『ハンター×ハンター』はハンター試験が終わった時点で人気キャラのクラピカを別行動にまわす等、どんな人気キャラであっても主人公を変え続けることで作品としてのネタを保ち続けるという方法を選んだのかもなぁと思います。なので、『ハンター×ハンター』は『ジョジョ』二部的な「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語を、32巻までずっと続けられているという。

(関連記事:群像劇としての『ハンター×ハンター』


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